対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。
親知らずを抜く順番と回数はどう決めるのか。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海の方から、4本あると言われたときに何回に分ければよいかというご相談をいただきます。標準的なのは片側の上下2本を一度に抜き、2回に分ける方法です。ただし生え方や生活の都合によって、1本ずつ4回に分ける場合も、入院して一度に済ませる場合もあります。このページでは分け方ごとの利点と負担、決めるときの考え方を整理します。
先に結論
- 最も多いのは「片側の上下を同時に、左右2回に分ける」方法
- 片側ずつにする最大の理由は、反対側で噛めるようにしておくため
- 上と下では、上のほうが短時間で腫れも少ない傾向
- 症状が出ている歯があれば、そこから抜くのが原則
- 間隔は1〜2週間が目安。抜糸の日に次を抜く組み方もある
- 4本を一度にまとめるのは、全身麻酔や入院を伴う場合が中心
抜歯そのものの流れは
親知らず抜歯の流れと術後の痛み・腫れの経過にまとめています。ここでは複数本ある場合の分け方に絞って説明します。
代表的な分け方を並べます。
| 分け方 | 回数 | 向いている場合 | 負担 |
| 片側の上下を同時 | 2回 | 4本とも抜く一般的なケース | 反対側で噛める |
| 1本ずつ | 4回 | 難症例・不安が強い場合 | 1回は軽いが通院増 |
| 下2本を先に | 2〜3回 | 下だけ症状がある場合 | 腫れが重なりやすい |
| 4本まとめて | 1回 | 入院・全身麻酔を選ぶ場合 | 数日は食事が制限 |
※医院の方針、生え方、全身の状態によって選べる組み方は変わります。
なぜ片側ずつが基本なのか
理由は単純で、食事のためです。
抜いた側では数日間、噛むことができません。反対側が使えれば、やわらかいものに限られるとはいえ通常に近い食事がとれます。両側を同時に抜くと、この逃げ場がなくなります。
もうひとつは、腫れの範囲です。片側だけなら腫れるのも片側で、頬の張りや口の開けにくさが半分で済みます。両側だと顔全体が張り、会話にも支障が出ます。
さらに、寝るときの姿勢も関係します。腫れている側を下にすると圧がかかって痛みます。片側だけなら反対を下にして休めますが、両側だと逃げ場がありません。
抜歯後の食事のとり方は
親知らず抜歯後の食事|当日から1週間で食べられるもの・避けたいものを参考にしてください。
上下同時に抜く理由
同じ側の上と下を一度に抜くのには、はっきりした利点があります。
上の親知らずは、下に比べて短時間で終わることが多い歯です。骨がやわらかく、まっすぐ生えていることが多いためです。下を抜くために麻酔をしている流れで上も済ませられれば、通院回数が減ります。
また、上の歯だけが残ると、噛み合う相手を失って伸びてきます。下を抜いたのに上を残す組み方は、後で別の問題を生むことがあります。
上下の違いについては
上の親知らずと下の親知らずの違い|抜歯の難易度・腫れ・痛みで詳しく扱っています。
どちら側から抜くか
順番を決める基準は三つあります。
第一に、症状のある側からです。腫れを繰り返している歯、手前の歯に虫歯を作っている歯があれば、そこが優先されます。原因を先に取り除くという考え方です。繰り返す炎症については
智歯周囲炎を繰り返す|親知らずの炎症がぶり返す理由と抜歯を決める目安をご覧ください。
第二に、難しいほうを先にするという考え方です。体力にも予定にも余裕がある最初の回に、負担の大きい歯を済ませておくというものです。ただし逆に、簡単なほうから始めて処置に慣れてもらうという方針の医院もあります。
第三に、利き手側や生活の都合です。仕事で人と話す機会が多い方は、目立ちにくい側を先に選ぶこともあります。
なお、腫れている最中は抜けません。理由は
腫れているときに親知らずは抜けない?炎症が治まるまで待つ理由にまとめています。
次の抜歯まで、どのくらい空けるか
一般的な目安は1〜2週間です。
短くする組み方としては、抜糸の日に反対側を抜くというものがあります。通院回数をまとめられるため、遠方から通う方に選ばれます。ただし前回の腫れが完全に引いていることが条件です。
長く空ける場合は、1か月以上あけることもあります。仕事の都合、体調、前回の腫れが強かったといった事情によります。
あまりに間隔が空くと、途中で通院が止まってしまうことがあります。次の予約をその場で取っておくと、計画が最後まで進みやすくなります。
1本ずつ4回に分ける場合
回数は増えますが、選ばれる場面があります。
処置への不安が強い方は、1回あたりを短くすることで受けやすくなります。また、横向きに深く埋まっているなど、1本でも時間のかかる歯が複数ある場合は、分けたほうが体への負担が分散します。
持病があり、処置後の状態を慎重に見る必要がある場合も、1本ずつ進めることがあります。薬や持病の伝え方は
抜歯前に伝えるべき薬と持病|抗血栓薬・骨粗しょう症治療薬の注意にまとめました。
難しい生え方の歯の流れは
横向き・埋まっている親知らず(埋伏智歯)の抜歯|難易度と流れをご覧ください。
4本を一度に抜く場合
一度で終わらせたいという希望は少なくありません。実施される場合は、静脈内鎮静法や全身麻酔を併用することが中心です。
利点は明確です。通院が1回で済み、術後の不自由な期間も1回にまとまります。遠方に住んでいる方、まとまった休みが一度しか取れない方に向いています。
一方で、術後数日は両側とも噛めません。飲み物とやわらかい食事で過ごす準備が必要です。腫れも顔全体に出るため、人と会う予定は避けておくほうがよいでしょう。
入院を伴う場合の考え方は
親知らず抜歯で入院・全身麻酔になるのは?日帰りとの違いで扱っています。麻酔の選び方は
親知らず抜歯の麻酔|局所麻酔・静脈内鎮静法の違いと選び方をご覧ください。
費用と時間の見通し
回数を分けても、抜歯そのものの費用は本数で決まります。分けたことで抜歯代が増えるわけではありません。
ただし、通院のたびに再診料がかかります。回数が増えれば、その分は積み上がります。まとめて抜く場合と1本ずつの場合の差は
親知らず4本を抜く費用はいくら?まとめて抜く場合と1本ずつの違いに整理しました。
処置そのものにかかる時間は
親知らず抜歯にかかる時間|難易度別の目安と予約の取り方を参考にしてください。前日と当日の準備は
親知らず抜歯の前日・当日の準備|食事・睡眠・服装・持ち物にまとめています。
名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海の方は、通勤・通学の経路上で通える医院を選ぶと、複数回の通院が続けやすくなります。
4本を抜き終えるまでの通院の全体像
4本を左右2回に分けた場合、通院は次のように進みます。
初回は検査と説明です。レントゲンを撮り、必要に応じてCTを追加します。生え方と神経との位置関係を確認し、抜く順番と回数を決めます。この日は抜歯をしないことが多くなります。
二回目が1回目の抜歯です。片側の上下を抜きます。処置後は止血を確認して帰宅します。
三回目は、その1週間後の抜糸と経過確認です。傷の状態を見て、問題がなければ糸を抜きます。抜糸については
親知らず抜歯の抜糸はいつ?痛み・当日の過ごし方と糸が取れたときの対処をご覧ください。
四回目が2回目の抜歯、五回目がその抜糸です。医院によっては、三回目の抜糸の日に反対側を抜く組み方をすることもあり、その場合は通院回数がひとつ減ります。
全体では、およそ1か月から1か月半で完了する計算になります。仕事や学業の予定に合わせて、この期間を確保できる時期を選んでください。
抜歯と抜歯のあいだの過ごし方
1回目の抜歯から2回目までのあいだは、抜いた側をかばう生活になります。
食事は、抜いていない側で噛みます。ただし片側だけを使い続けると顎に負担がかかるため、痛みが引いたら少しずつ両側を使ってください。食事の進め方は
親知らず抜歯後の食事|当日から1週間で食べられるもの・避けたいものにまとめています。
清掃は、傷口を避けながら他の部分を通常どおり行ってください。全体を磨かずにいると、別の部位に問題が起こります。再開の時期は
抜歯後のうがいと歯みがき|いつから磨ける・強くゆすいではいけない理由をご覧ください。
腫れの経過は個人差がありますが、2回目の抜歯を予定するのは1回目の腫れが引いてからです。まだ張りが残っている状態で次を抜くと、両側が同時に腫れることになります。腫れの目安は
親知らず抜歯後の腫れはいつまで続く?ピークの時期と引かないときの受診目安で扱っています。
学生・社会人それぞれの組み方
生活の型によって、無理のない組み方は変わります。
学生の方は、長期休暇を使うのが最も負担が少ない選択です。夏休みや春休みであれば、腫れる時期を気にせずに済みます。試験期間や実習期間は外してください。部活動がある場合は、運動を控える期間を考えて計画します。
社会人の方は、週の後半に抜いて土日を回復にあてるという組み方があります。ただし、金曜日に抜くと翌日以降に相談したくなったときに医院が閉まっている点には注意してください。木曜日に抜くという選択もあります。
人前で話す仕事、接客のある仕事の方は、腫れが目立つ翌日から翌々日を避けて予定を組んでください。在宅勤務ができる方は、その日程に合わせると負担が軽くなります。
遠方から通う方は、抜糸の日に反対側を抜く組み方を相談してみてください。通院回数をまとめられます。当日の所要時間は
親知らず抜歯にかかる時間|難易度別の目安と予約の取り方を参考にしてください。
途中で予定が変わったとき
計画を立てても、体調や仕事の都合で予定がずれることはあります。
間隔が空くこと自体に医学的な不利はありません。問題になるのは、そのまま通院が途切れてしまうことです。残った歯が腫れてから慌てて受診するという流れになりがちです。
予定をずらす場合は、その場で次の日程を決め直してください。「落ち着いたら連絡します」で終わると、そのままになりやすくなります。
また、残りの歯について「なぜ抜く予定だったのか」を改めて確認しておいてください。理由がはっきりしていれば、後回しにしにくくなります。抜かない場合に起こりうることは
親知らずを抜かないとどうなる?放置で起きる変化と受診を決める目安にまとめています。
上だけ、下だけを抜く場合の考え方
4本すべてを抜くとは限りません。上だけ、あるいは下だけという計画になることもあります。
下の2本だけを抜く場合、理由の多くは症状です。下の親知らずは斜めや横向きに生えやすく、腫れを繰り返す、手前の歯との間に食べものが詰まるといった問題が起こりやすいためです。
ただし、下を抜いて上を残すと、上の歯が噛み合う相手を失います。放置すると少しずつ下がってきて、下の歯ぐきに当たるようになります。このため、下を抜く計画のときは上をどうするかもあわせて決めておいてください。
逆に、上だけを抜く場合もあります。頬の内側に当たって傷をつくっている、清掃が届かないといった理由です。上の親知らずは短時間で終わることが多く、腫れも下ほど強く出ません。
どの組み合わせにするかは、症状と生え方から決まります。上下それぞれの特徴は
上の親知らずと下の親知らずの違い|抜歯の難易度・腫れ・痛みを、残す条件は
まっすぐ生えた親知らずは抜かなくていい?残せる条件と手入れの仕方をご覧ください。
予約を取るときに伝えておくとよいこと
複数本の計画を立てるとき、最初の予約の段階で伝えておくと段取りが早くなる情報があります。
まず、4本あるのか、何本抜く予定なのかです。全体の本数が分かれば、医院側も通院の見通しを立てやすくなります。
次に、避けたい時期です。試験、繁忙期、出張、発表や面接など、腫れると困る予定を先に伝えてください。日程を組む段階で外してもらえます。
そして、通える曜日と時間帯です。抜歯当日だけでなく、その1週間後の抜糸も同じ条件で通うことになります。両方の日程が取れるかを最初に確認しておくと確実です。
遠方から通う場合や、まとまった休みが一度しか取れない場合も、その事情を伝えてください。抜糸の日に反対側を抜く、あるいは鎮静を併用して本数をまとめるといった選択肢が出てくることがあります。
麻酔の方法によっては、当日の帰宅に付き添いが必要になります。詳しくは
親知らず抜歯の麻酔|局所麻酔・静脈内鎮静法の違いと選び方をご覧ください。
なお、当日になって体調が優れない場合は、遠慮なく連絡して日を改めてください。無理に受ける処置ではありません。組み替えは何度でもできます。
計画は途中で変えて構いません。体調や予定に合わせて組み直してください。
よくある質問
親知らずは4本まとめて抜けますか
条件がそろえば可能です。ただし局所麻酔だけで4本を一度に抜くことは多くありません。実施される場合は静脈内鎮静法や全身麻酔を併用し、施設によっては入院を伴います。術後は両側とも噛めない期間があるため、数日間やわらかい食事で過ごせる準備が必要になります。遠方にお住まいの方や、まとまった休みが一度しか取れない方に選ばれる方法です。
親知らずを抜く順番はどう決めますか
三つの基準で決めます。第一に症状のある歯を優先します。腫れを繰り返している歯や、手前の歯に虫歯を作っている歯です。第二に、体力に余裕のある最初の回に難しい歯を済ませる考え方があります。第三に、仕事や生活の都合です。担当医と相談して組んでください。どの歯から抜くかは、画像を見ながら一緒に決めるのが確実です。
上と下はどちらを先に抜きますか
同じ側であれば同時に抜くことが多い組み合わせです。下を抜くために麻酔をしている流れで、短時間で終わる上も済ませられるためです。下だけを抜いて上を残すと、噛み合う相手を失った上の歯が伸びてくることがあるため、原則として同じ側はまとめます。どちらの側から始めるかは、症状の有無と生活の都合で決めます。
次の抜歯まではどのくらい空けますか
1〜2週間が目安です。抜糸の日に反対側を抜くという組み方もあり、通院回数をまとめたい方に選ばれます。この場合は前回の腫れが引いていることが条件です。仕事や体調の都合で1か月以上空けることもありますが、次の予約はその場で取っておくと計画が進みやすくなります。間隔を空けすぎると通院が途切れやすいため、次の予約は帰る前に取ってください。
両側を一度に抜いてもよいですか
避けたほうがよい組み方です。両側とも噛めなくなり、食事に逃げ場がなくなります。腫れも顔全体に出るため、口の開けにくさや会話への支障が大きくなります。寝るときも腫れていない側を下にできません。片側ずつであれば、これらの不自由が半分で済みます。例外は、全身麻酔で4本まとめて抜く場合です。
回数を分けると費用は高くなりますか
抜歯そのものの費用は本数で決まるため、分けても総額は変わりません。ただし通院のたびに再診料がかかるので、回数が増えた分は積み上がります。金額の差は数百円から千円台の範囲にとどまることが多く、費用よりも体の負担で決めるほうが現実的です。高額療養費の対象になるほどの金額差は生じません。
途中でやめてもよいですか
症状のある歯を抜いた時点で、残りを見送るという判断はありえます。ただし、抜くと決めた理由がある歯を残すと、同じ経過をたどることになります。残す歯について「なぜ抜く予定だったのか」を確認し、経過を見る方針でよいのかを担当医と決めておいてください。見送る場合も、次に確認する時期だけは決めておいてください。
抜歯の間隔が空きすぎるとどうなりますか
医学的な不利はとくにありません。問題になるのは、通院が途切れてそのままになることです。残った歯が腫れてから慌てて受診する流れは避けたいところです。次の予約を取ってから帰る、カレンダーに入れておくといった段取りで、計画を最後まで進めてください。予定をずらす場合も、その場で次の日程を決め直しておくと計画が進みます。
まとめ
親知らずが4本ある場合、最も多い分け方は「片側の上下を同時に抜き、左右で2回に分ける」方法です。片側ずつにする理由は三つあります。第一に、反対側で噛めるため食事に逃げ場が残ること。第二に、腫れが片側だけで済み、口の開けにくさや会話への支障が半分になること。第三に、寝るときに腫れていない側を下にできることです。同じ側の上下を一度に抜くのは、上の親知らずが短時間で終わることが多く、下の麻酔をしている流れで済ませられるためです。また、下だけ抜いて上を残すと、噛み合う相手を失った上の歯が伸びてくることがあります。順番は、症状のある歯を優先するのが原則です。腫れを繰り返している歯、手前の歯に虫歯を作っている歯から抜きます。次の抜歯までの間隔は1〜2週間が目安で、抜糸の日に反対側を抜く組み方もあります。1本ずつ4回に分ける方法は、不安が強い方や、難しい生え方の歯が複数ある場合に選ばれます。4本を一度に抜く方法は、静脈内鎮静法や全身麻酔を併用する場合が中心で、通院が1回で済む反面、術後数日は両側とも噛めません。費用は本数で決まるため分けても総額は変わらず、増えるのは再診料のみです。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海の方は、通勤・通学の経路上で通える医院を選ぶと、複数回の通院を最後まで続けやすくなります。基準の全体像は
親知らずは抜くべき?抜かなくてよいケースの基準と
親知らずの抜歯|抜くべき基準・流れ・費用を解説をご覧ください。
参考・出典
- 日本口腔外科学会「智歯の抜歯に関する診療ガイドライン」
- 日本歯科麻酔学会「静脈内鎮静法ガイドライン」
- 日本歯科医師会「歯とお口のことなら何でもわかるテーマパーク8020」
- 厚生労働省「診療報酬点数表(歯科)」