対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。
子どもの虫歯で見落とされやすいのが、歯と歯の間にできるものです。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)の歯科医院でも、「見た目はきれいなのに、レントゲンで虫歯が見つかった」というケースが少なくありません。表からも噛む面からも見えない位置で進むため、痛みが出たときにはかなり大きくなっていることがあります。このページでは、なぜ見えないのか、どうやって確かめるのか、レントゲンは必要なのかを整理します。

先に押さえておきたい点
- 歯と歯の間の虫歯は、外から見ても噛む面を見ても分からないことが多い
- 乳歯どうしが接している面は、歯ブラシの毛先が届かない
- 確認にはレントゲンが必要になる場面がある
- 子どものレントゲンは線量が小さく、防護のうえで行う
- 見つかったからといって、すぐ削るとは限らない
- フロスを日常に取り入れることが、いちばん確実な予防になる
| できる場所 | 気づきやすさ | 見つけ方 |
|---|---|---|
| 噛む面の溝 | 比較的わかりやすい | 黒い点や線として見える。器具で確認できる |
| 歯と歯の間 | わかりにくい | レントゲン、フロスの引っかかり、光を当てる検査 |
| 歯と歯ぐきの境目 | わかりやすい | 白い濁りや茶色い変化として見える |
| 詰め物のふち | わかりにくい | 段差や色の変化、レントゲンでの確認 |
なぜ歯と歯の間にできるのか
乳歯の奥歯は、隣どうしがぴったり接しています。この接している面を隣接面といいます。 接触している部分のすぐ下あたりに、わずかなくぼみができます。ここに食べかすと細菌が入り込むと、歯ブラシの毛先では取り除けません。歯ブラシの毛は、接している隙間には入らないためです。 だ液も届きにくくなります。酸を中和し、溶けたミネラルを戻す働きが弱まるため、他の場所より進みやすい条件がそろいます。 乳歯は、永久歯と比べてエナメル質と象牙質が薄いという性質もあります。そのため、同じ深さでも中まで届くのが早くなります。 さらに、乳歯どうしの接する面は、永久歯より広く平らです。触れ合う面積が大きい分、汚れがたまる範囲も広くなります。 このため、歯と歯の間は、子どもの虫歯がもっともできやすい場所のひとつになっています。なぜ気づけないのか
理由は単純で、見える位置にないからです。 表側から見ても、歯と歯が重なって隠れています。噛む面から見ても、虫歯は接している面の側面にあるため、上からは見えません。 痛みも出にくくなります。エナメル質の中で広がっているあいだ、神経に届かないため症状が出ません。 そして、痛みが出たときには、すでに象牙質を越えて神経の近くまで達していることがあります。この段階では、詰めるだけでは済まず、神経の処置や被せ物が必要になることがあります。乳歯の被せ物については乳歯の銀色の被せ物(乳歯冠)|使う理由・見た目・外れたときの対応で解説しています。 保護者の方が「毎日ちゃんと見ていたのに」と落ち込まれることがありますが、目視だけで見つけるのは専門家でも難しい部位です。
家庭で気づけるサイン
限られてはいますが、手がかりはあります。 ひとつは、フロスの引っかかりです。毎日通していると、いつもと違う場所で引っかかる、ほつれる、といった変化に気づけます。歯の表面に段差ができている可能性があります。 ふたつ目は、においです。フロスを通した後、特定の場所だけ強いにおいがつく場合、そこに汚れがたまり続けています。 三つ目は、食べ物がはさまるようになったことです。以前は問題なかった場所に、繰り返し詰まるようになったら、形が変わっているサインです。 四つ目は、片側で噛むのを避けるようになった、冷たいものを嫌がるようになった、といった行動の変化です。言葉で痛みを訴えないお子さんでも、行動には出ます。 五つ目は、歯と歯の間が、黒っぽく透けて見えることです。角度によっては、外側のエナメル質を通して内部の変化が見えることがあります。 こうした変化に気づくためにも、フロスを日常に取り入れておくことに意味があります。使い方は子どものフロスはいつから|奥歯の間の虫歯を防ぐ使い方で解説しています。健診で「見つからなかった」と言われた場合
学校や園の歯科健診で異常なしとされたのに、歯科医院で虫歯が見つかることがあります。 これは見落としではなく、健診の性質によるものです。集団健診は、限られた時間と設備の中で、ミラーと目視を中心に行われます。レントゲンは使えず、一人あたりにかけられる時間も短くなります。 そのため、噛む面の溝や歯ぐきの境目など、見える範囲の変化は拾えますが、歯と歯の間は原則として評価できません。 健診の結果は、あくまで「見える範囲では問題がなかった」という意味に受け取ってください。異常なしと言われたから受診しなくてよい、とはなりません。 健診の用紙の見方と、その後の動き方は学校歯科健診で「要受診」の紙をもらったら|C・CO・GOの意味にまとめています。 反対に、健診で指摘された場合は、そこ以外にも確認すべき場所があると考えて受診してください。見えている一か所は、しばしば全体の状態を反映しています。小さいうちから起きることもある
歯と歯の間の虫歯は、学童期だけの問題ではありません。 奥歯の乳歯が生えそろうのは、2歳半から3歳ごろです。この時点で、すでに歯と歯が接する面ができます。つまり、3歳を過ぎた頃から、この場所の虫歯は起こり得ます。 上の前歯についても、隣り合う面に汚れがたまることがあります。寝かしつけの際に甘い飲み物を与えている場合、前歯の付け根から歯と歯の間にかけて広く進むことがあります。この形については哺乳瓶う蝕(ボトルカリエス)とは|上の前歯が溶ける原因とやめ方で解説しています。 小さいお子さんの場合、フロスは保護者が通します。嫌がることも多いのですが、無理に押さえつけるより、短時間で終える工夫のほうが続きます。関わり方は子どもが歯磨きを嫌がる|泣かせずに磨く工夫と発達の理解を参考にしてください。 虫歯のできやすさには個人差もあります。背景となる要素は虫歯になりやすい子の特徴|だ液・菌・生活習慣でどこまで決まるかで扱っています。歯科医院での確かめ方
いくつかの方法を組み合わせます。 まず、視診と器具での確認です。ミラーで角度を変えて見る、器具で接触部分の状態を探るといった方法です。ただし、これだけでは限界があります。 次に、フロスを通して確認します。引っかかりや、通したときの感触から、表面の変化を推測します。 そして、レントゲンです。歯と歯の間の虫歯を確実に見つける方法として、現時点でもっとも信頼できるのがこれです。接触している部分に影が出ているかどうか、どの深さまで達しているかが分かります。 光を当てて透過の具合を見る検査を併用する医院もあります。放射線を使わない方法で、補助的に使われます。 これらを合わせて、削るか、経過を見るかを判断します。レントゲンは必要か
保護者からもっとも多く尋ねられるのが、この点です。 まず前提として、必要のない撮影は行いません。虫歯のリスクが低く、フロスも通っていて、目視で気になる点がなければ、撮らずに経過を見ることがあります。 撮影を提案するのは、次のような場合です。歯と歯の間に虫歯がある可能性が疑われるとき。すでに他の場所に虫歯が複数あるとき。フロスの引っかかりや食べ物のはさまりがあるとき。永久歯の位置や本数を確認する必要があるとき。 子どもの歯科用レントゲンは、線量が小さいものです。防護のエプロンを使い、撮影範囲を限定して行います。 頻度も、リスクに応じて決めます。虫歯が多い時期は年に一度程度、落ち着いていればもっと間隔を空けます。毎回撮ることはありません。 説明なしに撮影されることに不安を感じたら、遠慮なく理由を尋ねてください。何を確かめるための撮影かを説明できることが、必要な撮影の条件だと考えています。見つかったらどうするか
すぐ削るとは限りません。深さによって対応が分かれます。 エナメル質の中にとどまっている段階であれば、削らずに様子を見ることがあります。フッ素を使い、フロスを届かせ、食べる回数を整えることで、進行が止まることがあります。フッ素については子どものフッ素塗布|頻度・効果・家庭でのフッ素との違いを参考にしてください。 象牙質に達している場合は、削って詰める処置を行います。歯と歯の間は器具が入りにくいため、噛む面から入って中の虫歯を取り除く形になります。 広い範囲に及んでいる場合や、神経に近い場合は、神経の処置や被せ物が必要になります。処置の選び分けは乳歯の虫歯はどう治す?詰める・かぶせる・神経の処置の違いで解説しています。 形を保てないほど進んでいる場合は、抜歯を検討することもあります。その場合の考え方は乳歯を抜くのはどんなとき|虫歯で残せない場合と抜いた後のことにまとめました。 生え替わりまでの残り期間も判断材料になります。あと数か月で抜ける歯であれば、処置の内容を軽くすることがあります。予防のためにできること
いちばん効くのは、フロスを日常にすることです。歯ブラシでは物理的に届かない場所であるため、道具を変えるしかありません。 次に、食べる回数を整えることです。歯と歯の間は、だ液による回復が起こりにくい場所です。酸性の時間が長引くと、他の場所より早く進みます。回数の考え方は子どものおやつと虫歯|回数・時間・ジュースの与え方で扱っています。 そして、フッ素です。歯科での塗布に加えて、家庭での使い方も見直します。生えたばかりの歯ほど取り込みがよく、効果が出やすくなります。 仕上げ磨きの中に、フロスを組み込む形が続きやすいと感じています。歯ブラシの後に1本ずつ通す、という手順にすると、忘れにくくなります。仕上げ磨きの進め方は仕上げ磨きのやり方といつまで続ける?年齢別のコツを参考にしてください。 定期検診の間隔も、リスクに応じて決めます。歯と歯の間に虫歯ができた経験がある場合は、間隔を短くして早い段階で見つけられるようにします。永久歯でも同じことが起きる
歯と歯の間の虫歯は、乳歯だけの問題ではありません。 永久歯が生えそろってくると、接触する面が増えます。特に、生え替わりの途中は、乳歯と永久歯が混ざって並び、段差や隙間ができやすくなります。 生えたばかりの永久歯は、表面がまだ十分に硬くなっていません。この時期に歯と歯の間へ汚れがたまると、進行が早くなります。 小学生の時期は、仕上げ磨きを終える家庭が増える時期でもあります。本人の磨き方に任せると、歯と歯の間はほぼ確実に手つかずになります。 この時期の注意点は小学生の歯磨き|6歳臼歯と生え替わり期の磨き残しポイントで解説しています。仕上げ磨きをやめる時期を、フロスの習慣が定着してからにする、という考え方をおすすめしています。
受診の目安
次のような場合は、一度歯科で相談してください。- フロスが特定の場所で引っかかる、ほつれる
- 同じ場所に食べ物が繰り返しはさまる
- フロスを通すと、特定の場所だけ強いにおいがする
- 片側で噛むのを避ける、冷たいものを嫌がる
- 歯と歯の間が、黒っぽく透けて見える
- 他の場所に虫歯が見つかったことがある