小学生の歯磨き|6歳臼歯と生え替わり期の磨き残しポイント

対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。

更新日:2026年9月10日監修:村井亮介(歯科医師・DDS, MSD/日本補綴歯科学会 会員)

小学生の時期は、虫歯がもっともできやすい数年間にあたります。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)の歯科医院でも、それまで問題のなかったお子さんが、この時期に急に虫歯を作ることをよく経験します。理由は体質ではなく、口の中の条件が変わるからです。6歳臼歯が生え、乳歯と永久歯が混ざり、そして仕上げ磨きを卒業する時期が重なります。このページでは、どこに磨き残しが生まれるのか、いつまで手を貸すべきかを整理します。

生え替わり期の小学生の歯並びと磨き残しが出やすい場所を示した図

先に押さえておきたい点

  • 6歳臼歯は、生えかけの期間が長く、もっとも虫歯になりやすい歯
  • 生えかけの歯は周りより背が低く、上から当てても毛先が届かない
  • 乳歯と永久歯が混ざる時期は、段差に汚れがたまる
  • 仕上げ磨きは、少なくとも小学校中学年ごろまで続けたい
  • やめる時期は、年齢ではなく本人の磨き方が届いているかで決める
  • 歯と歯の間はフロスが要る。ここを本人任せにしない
仕上げ磨きの基本のやり方は仕上げ磨きのやり方といつまで続ける?年齢別のコツにまとめています。ここでは小学生の時期に特有の課題に絞ります。 この時期は、口の中が数年かけて大きく変わります。
時期口の中で起きること磨き残しが出やすい場所
6〜8歳6歳臼歯が生え、前歯が生え替わる生えかけの6歳臼歯の噛む面、抜けた歯の隣の面
9〜11歳奥の乳歯が順に生え替わる高さのそろわない段差、生えかけの小臼歯
12歳前後第二大臼歯が生えるいちばん奥の噛む面と外側、歯と歯の間
※どの時期も、共通して弱いのは「生えかけの歯」と「歯と歯の間」です。

6歳臼歯がなぜ危ないのか

6歳臼歯は、乳歯の奥に、生え替わりとは関係なく生えてくる永久歯です。第一大臼歯といいます。 まず、生えてきたことに気づかれにくい歯です。乳歯が抜けてから生えるわけではないため、いつのまにか奥に出ています。保護者が気づかないまま、数か月経っていることがあります。 次に、生えきるまでに時間がかかります。歯ぐきから頭を出してから、噛み合う高さになるまで1年以上かかることも珍しくありません。このあいだ、周りの乳歯より背が低い状態が続きます。 背が低いと、歯ブラシを上から当てても毛先が届きません。手前の乳歯に当たって、そこで止まってしまいます。 さらに、噛む面の溝が深く複雑です。生えたばかりのエナメル質はまだ十分に硬くなっておらず、溝の底から虫歯が始まります。 いちばん奥にあるため、本人の歯ブラシではほぼ確実に届きません。この歯を守れるかどうかが、この時期の分かれ目になります。

6歳臼歯への当て方

コツは、横から入れることです。 上から当てるのではなく、歯ブラシを口の横から入れて、ヘッドを斜めにし、毛先を噛む面の溝に当てます。手前の乳歯を避けるように、角度をつけて差し込みます。 このとき、口を大きく開けすぎないほうが入りやすくなります。大きく開けると頬の筋肉が張り、ヘッドが入る隙間が狭くなるためです。軽く開けてもらってください。 毛先が当たったら、小さく前後に動かします。大きく動かすと外れます。 外側と内側も忘れずに当てます。特に下の6歳臼歯の内側は、舌が邪魔をして磨きにくい場所です。 見えにくい場所なので、明るいところで、口の中を見ながら行ってください。感覚だけで磨くと、当たっていないことに気づけません。 溝が深い場合は、あらかじめ埋めておく処置があります。詳しくはシーラントとは|奥歯の溝を埋める予防処置の効果と費用を参考にしてください。生えきっていない段階でも、条件が合えば行えることがあります。
生えかけの6歳臼歯に歯ブラシを横から入れて毛先を当てる方法の図

生え替わり期の段差

乳歯と永久歯が混ざって並ぶ時期を、混合歯列期といいます。 このとき、歯の高さがそろいません。抜けたばかりの場所、生えかけの歯、まだ残っている乳歯が、でこぼこに並びます。 歯ブラシは平らな面には当てやすいのですが、段差のある場所では毛先が浮きます。高いところに当たって、低いところは素通りします。 抜けた歯の隣も注意が必要です。それまで隣の歯に隠れていた面が、むき出しになります。この面は、それまで磨いたことのない場所です。 生えかけの歯の周りは、歯ぐきがかぶさっていることがあります。この歯ぐきと歯のあいだに汚れがたまり、腫れて痛むことがあります。痛みを避けて磨かなくなると、悪循環になります。 生え替わりの流れと時期については乳歯から永久歯への生え替わり|時期・注意点・トラブル別の対処にまとめています。順番を知っておくと、今どこが弱いかが分かります。 生えたばかりの永久歯が乳歯より黄色く見える、先がギザギザしているといった見た目の違いについては生えたばかりの永久歯の色や形が気になるときで解説しています。

歯と歯の間を本人任せにしない

小学生の時期、歯と歯の間の虫歯が増えます。 理由は二つあります。永久歯が生えそろってきて接触する面が増えること、そして仕上げ磨きをやめる家庭が増えることです。 歯ブラシの毛は、接している歯の間には入りません。本人に任せると、この場所はほぼ確実に手つかずになります。 外から見えないため、気づけません。痛みが出たときには、かなり進んでいることがあります。見えない虫歯の見つけ方は子どもの歯と歯の間の虫歯|見えない虫歯とレントゲンの必要性で解説しています。 フロスは、この時期こそ必要です。使い方は子どものフロスはいつから|奥歯の間の虫歯を防ぐ使い方にまとめました。 本人が自分でフロスを扱えるようになるのは、小学校中学年以降が目安です。それまでは保護者が通します。習慣が定着してから任せる、という順番をおすすめしています。

染め出しで「見える化」する

この時期に効果が大きいのが、染め出し剤の活用です。 磨いた後に使うと、落とせていない汚れが色で分かります。本人の口の中で、どこが残っているかがそのまま見えるため、言葉で説明するより早く伝わります。 多くの場合、赤く染まるのは決まった場所です。いちばん奥の歯の噛む面、歯と歯ぐきの境目、そして下の前歯の裏側です。人によって癖があり、毎回同じところが残ります。 癖が分かれば、そこだけ意識すればよくなります。全体を長く磨くより、残る場所を先に磨くほうが結果が出ます。 頻度は月に1回程度で十分です。毎回やる必要はありません。学校の休みの日など、時間に余裕のあるときに行ってください。 本人が自分で確かめられるようになると、仕上げ磨きから移行しやすくなります。「やりなさい」と言われて磨くのと、自分の結果を見て磨くのとでは、続き方が違います。 学校で歯磨き指導を受けたことがあるお子さんは、この方法を知っていることもあります。家庭でも同じ道具が使えることを伝えておくと、抵抗が小さくなります。

歯ぐきの変化にも目を向ける

小学生の時期は、歯ぐきの炎症が起こりやすい時期でもあります。 生えかけの歯にかぶさった歯ぐきの下に汚れがたまると、その部分だけ赤く腫れます。押すと痛み、歯磨きのときに血が出ます。 歯磨きで血が出るときの原因の見分け方と、磨き方の見直し、受診の目安は子どもの歯磨きで血が出るときの対処にまとめています。 痛いからその場所を避ける、避けるから汚れが残る、という悪循環に入りやすくなります。実際には、やさしく、しかし届かせて磨くほうが早く落ち着きます。 歯と歯ぐきの境目全体が赤い場合は、磨き方の問題であることが多くなります。毛先が境目に当たっていない状態が続くと、炎症が広がります。 数日から1週間、境目を意識して磨けば、多くは改善します。それでも赤みや出血が続く場合は、受診してください。 歯ぐきの状態は、写真に残しておくと変化が分かります。気になったときに撮っておき、次の検診で見てもらう方法もあります。

歯並びが気になり始める時期でもある

生え替わりが進むと、歯並びの乱れが目に見えるようになります。 永久歯は乳歯より大きいため、並ぶ場所が足りずに重なることがあります。乳歯のあいだに隙間があったお子さんほど、余裕をもって並びやすくなります。 重なっている部分は、清掃が届きにくくなります。歯ブラシもフロスも入りにくく、虫歯と歯ぐきの炎症の両方が起こりやすい場所です。 矯正を考える場合も、まず口の中を清潔に保てることが前提になります。装置が入ると清掃はさらに難しくなるため、その前に習慣を作っておく意味があります。 なお、乳歯を早く失った場合は、永久歯の場所が狭くなることがあります。抜けた場所を保つ考え方は乳歯を早く失ったとき|保隙装置(ほげきそうち)の役割と種類で解説しています。 虫歯のできやすさに個人差がある背景は虫歯になりやすい子の特徴|だ液・菌・生活習慣でどこまで決まるかにまとめました。歯並びも、その要素のひとつです。

仕上げ磨きはいつまで続けるか

よく尋ねられる質問です。 年齢で区切るなら、小学校中学年ごろまでが一つの目安になります。ただし、これは平均的な話で、実際は本人の磨き方によります。 判断の材料になるのは、次の点です。奥歯の噛む面に毛先が届いているか。歯と歯ぐきの境目に当てられているか。フロスを自分で通せるか。磨いた後、汚れが残っていないか。 染め出し剤を使うと、はっきり分かります。磨いた後に赤く染まる場所が、届いていない場所です。月に一度でも確認すると、本人も納得しやすくなります。 急にやめるより、少しずつ移していく方法が現実的です。全部を自分で磨いてもらい、最後に奥歯だけ保護者が確認する。次の段階では、週に何回か確認する。こうして段階を踏みます。 「もう自分でできる」と言われても、確認だけは続けてください。本人にやる気があることと、届いていることは別の話です。 嫌がる場合の関わり方は子どもが歯磨きを嫌がる|泣かせずに磨く工夫と発達の理解で扱っています。年齢が上がると、恥ずかしさから拒むこともあります。

道具を見直す時期でもある

体は大きくなりますが、歯ブラシのヘッドは大きくしすぎないほうが安全です。 いちばん奥の生えかけの歯に届かせるには、小さいヘッドのほうが有利です。年齢表示だけで選ぶと、届かなくなることがあります。 自分磨き用と仕上げ磨き用を分けておくことも、この時期は有効です。選び方と交換時期は子ども用歯ブラシの選び方と交換時期|年齢別のサイズと仕上げ用にまとめています。 歯磨き剤も見直します。この年齢になればうがいができるため、フッ素の濃度を上げられます。使った後は、強くうがいをしすぎないでください。少量の水で1回すすぐ程度にとどめると、効果が残りやすくなります。 歯科でのフッ素塗布も続けます。生えたばかりの永久歯は取り込みがよく、効果が出やすい時期です。詳しくは子どものフッ素塗布|頻度・効果・家庭でのフッ素との違いを参考にしてください。

生活の変化も影響する

小学生になると、生活のリズムが変わります。 帰宅が遅くなり、夕食から就寝までの時間が短くなります。眠くなってから磨くと、雑になります。 おこづかいで買う、友達と食べるといった機会も増えます。保護者の目が届かない時間に、口にする回数が増えていることがあります。回数の考え方は子どものおやつと虫歯|回数・時間・ジュースの与え方にまとめました。 部活動や習い事でスポーツドリンクを飲む機会も増えます。糖分に加えて酸性度も高いため、日常の水分としては水かお茶が基本です。 朝が忙しく、朝の歯磨きが抜けることもあります。ただし、優先すべきは夜です。眠っているあいだはだ液が減り、寝る前の状態が朝まで続きます。 学校の健診で指摘を受けた場合の動き方は学校歯科健診で「要受診」の紙をもらったら|C・CO・GOの意味で解説しています。健診は見える範囲の確認であり、指摘がないことが問題なしを意味するわけではありません。
仕上げ磨きから本人磨きへ段階的に移行する進め方を示した図

受診と相談の目安

次のような場合は、歯科で相談してください。
  • いちばん奥の歯の溝が黒くなってきた
  • 生えかけの歯の周りの歯ぐきが腫れている、痛がる
  • 磨いた後も、歯ぐきの境目が赤い、血が出る
  • 仕上げ磨きを拒むようになったが、磨き方が心配
  • フロスが引っかかる、食べ物が同じ場所にはさまる
  • 健診で指摘を受けた、または前回から間隔が空いている
反対に、6歳臼歯が生えきり、フロスも通っていて、検診で指摘がなければ、今の形を続けて構いません。

よくある質問

6歳臼歯はなぜ虫歯になりやすいのですか

乳歯が抜けてから生えるわけではないため気づかれにくく、生えきるまでに1年以上かかることがあります。そのあいだ周りの乳歯より背が低く、歯ブラシを上から当てても毛先が届きません。噛む面の溝も深く、生えたばかりのエナメル質はまだ十分に硬くなっていないため、溝の底から虫歯が始まります。

生えかけの奥歯はどう磨けばよいですか

歯ブラシを口の横から入れ、ヘッドを斜めにして、手前の乳歯を避けるように毛先を噛む面の溝へ差し込みます。口を大きく開けすぎると頬が張って入りにくいため、軽く開けてもらってください。毛先が当たったら小さく前後に動かします。明るいところで見ながら行うことが大切です。

仕上げ磨きはいつまで続けるべきですか

小学校中学年ごろまでが一つの目安ですが、年齢ではなく本人の磨き方で判断してください。奥歯の噛む面に毛先が届いているか、歯ぐきの境目に当てられているか、フロスを自分で通せるかを見ます。染め出し剤を使うとはっきり分かります。急にやめず、確認だけは続けてください。

本人が嫌がるようになりました。無理にやるべきですか

年齢が上がると恥ずかしさから拒むことがあります。無理に押さえるより、段階を踏むほうが現実的です。全部を自分で磨いてもらい、最後に奥歯だけ確認する形から始め、次は週に何回かの確認に移します。染め出し剤で結果を見せると、本人も納得しやすくなります。

生え替わりの時期はなぜ磨き残しが増えるのですか

乳歯と永久歯が混ざって並ぶため、歯の高さがそろわず段差ができます。歯ブラシは高いところに当たり、低いところは素通りします。抜けた歯の隣は、それまで隠れていた面がむき出しになり、磨いたことのない場所が生まれます。生えかけの歯にかぶさった歯ぐきも汚れがたまる場所です。

小学生でもフロスは必要ですか

この時期こそ必要です。永久歯が生えそろって接触する面が増える一方、仕上げ磨きをやめる家庭が増えるためです。歯ブラシの毛は接している歯の間には入らず、本人に任せるとほぼ確実に手つかずになります。外から見えないため、痛みが出たときにはかなり進んでいることがあります。

朝と夜、どちらを優先すべきですか

夜です。眠っているあいだはだ液が減り、酸を中和して溶けたミネラルを戻す働きが弱まります。寝る前の状態がそのまま朝まで続くため、夜に汚れを残さないことに意味があります。忙しい朝に短くなってしまう日があっても、夜だけは丁寧に行ってください。

歯磨き剤は大人用に変えてよいですか

うがいができる年齢になれば、フッ素の濃度を上げられます。年齢に応じた量を守り、使った後は強くうがいをしすぎないでください。少量の水で1回すすぐ程度にとどめると効果が残りやすくなります。味が強すぎて続かない場合は、子ども向けのものを使い続けて構いません。

まとめ

小学生の時期は、虫歯がもっともできやすい数年間です。原因は体質ではなく、口の中の条件が変わることにあります。まず、6歳臼歯が生えてきます。乳歯が抜けてから生えるわけではないため気づかれにくく、生えきるまでに1年以上かかることもあります。そのあいだ周りより背が低いため、歯ブラシを上から当てても毛先が届きません。噛む面の溝が深く、生えたばかりのエナメル質はまだ硬くなっていないため、溝の底から虫歯が始まります。この歯には、口の横から歯ブラシを入れ、ヘッドを斜めにして毛先を差し込む当て方が要ります。次に、乳歯と永久歯が混ざって並ぶ時期が続きます。高さがそろわず段差ができ、歯ブラシは高いところに当たって低いところを素通りします。抜けた歯の隣は、それまで隠れていた面がむき出しになります。そして、歯と歯の間です。接触する面が増える一方、仕上げ磨きをやめる家庭が増えるため、この場所が手つかずになります。歯ブラシの毛は接している歯の間には入らないため、フロスが必要です。仕上げ磨きをやめる時期は、年齢ではなく本人の磨き方で判断してください。奥歯の噛む面に届いているか、歯ぐきの境目に当てられているか、フロスを自分で通せるかを見ます。急にやめず、確認だけは続けることをおすすめしています。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海でお子さんの歯みがきについて迷われている方は、仕上げ磨きのやり方といつまで続ける?年齢別のコツもあわせてご覧ください。

参考・出典

  • 日本小児歯科学会「小児歯科診療ガイドライン」
  • 日本口腔衛生学会「フッ化物応用に関する見解」
  • 文部科学省「学校保健安全法施行規則」
  • 厚生労働省「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」

監修:村井 亮介(DDS, MSD/米国インディアナ大学大学院 補綴科修了)
Indiana University 大学院 補綴科修了/ACP・ITI・AO・日本補綴歯科学会 会員。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)を拠点に、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ向けて情報を発信しています。理念は「10年後も削り直さない治療」。

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