対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。
乳歯の虫歯はどう治すのか。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)でも、「どうせ生え替わるのに削るのか」「銀色の被せ物になるのか」といったご質問をよくいただきます。乳歯の治療は、進み具合によって、削らずに様子を見る場合から、神経の処置が必要な場合まで幅があります。このページでは、それぞれの方法で何をするのか、通院はどのくらいかかるのかを、保護者の方向けに整理します。
先に押さえておきたい点
- 初期であれば、削らずにフッ素と経過観察で対応することがある
- 小さな虫歯は白い樹脂(コンポジットレジン)を詰めて1回で終わることが多い
- 範囲が広い場合は被せ物になる。乳歯用の既製の冠を使うことがある
- 神経まで進んだ場合も、乳歯には乳歯向けの処置がある
- 生え替わるからといって放置してよい理由にはならない
- 治療の可否は、年齢と本人の慣れ具合によっても変わる
放置した場合に何が起こるかは
乳歯の虫歯は放置NG?永久歯への影響と治療の考え方にまとめています。ここでは治療の中身に絞って説明します。
進み具合ごとの対応を整理します。
| 進み具合 | 主な対応 | 麻酔 | 通院の目安 |
| 白い変化のみ | フッ素と磨き方の見直し | 不要 | 経過観察 |
| 小さな穴 | 白い樹脂を詰める | 使わないこともある | 1回 |
| 広い範囲 | 被せ物(乳歯用の冠など) | 使うことが多い | 1〜2回 |
| 神経の近くまで | 神経を保護する処置 | 使う | 1〜2回 |
| 神経まで進んだ | 神経の処置と被せ物 | 使う | 2〜4回 |
※お子さんの年齢と協力の度合いによって、回数は変わります。
削らずに済む場合があります
まずお伝えしたいのは、虫歯と言われたら必ず削る、というわけではないことです。
歯の表面が白く濁っている段階であれば、フッ素の応用と磨き方の見直しで進行を止められることがあります。この場合、削らずに定期的に経過を見ていきます。
判断の分かれ目は、表面に穴があいているかどうかです。穴があいていなければ、様子を見る選択肢が残ります。
サインの見分け方は
乳歯の虫歯のサイン|白い線・茶色い点はどこまで様子を見てよいかに、フッ素の使い方は
子どものフッ素塗布|頻度・効果・家庭でのフッ素との違いにまとめました。
ただし、「様子を見る」は「放っておく」ではありません。決めた間隔で通い、進んでいないかを確認することが前提です。
小さな虫歯を詰める処置
穴があいている場合、その部分を取り除いて詰めます。
使うのは白い樹脂(コンポジットレジン)が中心です。歯の色に近く、1回の来院で終わることがほとんどです。
削る量は必要な範囲にとどめます。乳歯はエナメル質が薄いため、慎重に進めます。
麻酔については、範囲が浅ければ使わないこともあります。使う場合も、表面に塗る麻酔で針の痛みを和らげてから行います。麻酔そのものの考え方は
虫歯治療の麻酔|痛みを抑える方法と効きにくいときの対応をご覧ください。
奥歯の噛む面の溝が深い場合、治療とあわせて溝を埋める処置を勧められることがあります(
シーラントとは|子どもの奥歯の虫歯予防・費用と注意点)。
被せ物になる場合
虫歯の範囲が広く、詰めるだけでは歯の形を保てない場合、被せ物を使います。
乳歯には、あらかじめ形が作られた金属の冠を使うことがあります。既製の冠を歯の大きさに合わせて調整し、その日のうちに装着できるという利点があります。
見た目は銀色になります。ここを気にされる保護者の方は多くいらっしゃいます。前歯であれば白い材料の選択肢があることもあるため、気になる場合は相談してみてください。
「生え替わるのに銀色の冠を入れるのか」というご質問には、次のようにお答えしています。乳歯には、噛む働きのほかに、次の永久歯が生えてくる場所を保つという役割があります。形が崩れたまま放置すると、隣の歯が寄ってきて、永久歯の並ぶ場所が狭くなります。
生え替わりの流れは
乳歯から永久歯への生え替わり|時期・注意点・トラブル別の対処をご覧ください。
神経まで進んだ場合
痛みが強い、歯ぐきが腫れているといった場合、神経まで進んでいる可能性があります。
乳歯にも神経(歯髄)があり、状態に応じた処置が行われます。
神経の一部だけが傷んでいる場合は、傷んだ部分を取り除いて薬を置き、残りの神経を保存します。全体が傷んでいる場合は、神経を取り除いて内部を清掃し、薬を詰めます。
乳歯では、根の中に詰める薬に、体に吸収される材料を使います。将来、乳歯の根が自然に溶けて生え替わるためです。この点が大人の根管治療と異なります。
子どもの神経を残す治療については
子どもの歯の神経を残す治療|乳歯と生えたての永久歯に詳しくまとめました。
根の先まで炎症が広がっている場合、下に控えている永久歯に影響が及ぶことがあります。腫れているときは様子を見ずに受診してください。
抜歯になる場合
まれに、残せないと判断されることがあります。
根が大きく溶けている、周囲に炎症が広がっている、割れているといった場合です。
生え替わりの時期が近ければ、そのまま経過を見ます。まだ先の場合は、隣の歯が寄ってこないように場所を保つ装置を入れることがあります。
装置を入れるかどうかは、抜いた歯の位置と年齢によります。担当の歯科医師に確認してください。
ぶつけて歯を失った場合の対応は
子どもが歯をぶつけた・乳歯が折れた|受診の目安と応急処置をご覧ください。
治療できるかは年齢と慣れで決まります
歯の状態とは別に、実際の進め方を左右するのが、お子さんの協力の度合いです。
3歳前後では、口を長く開けていることが難しい場合があります。無理に押さえて進めると、歯科そのものが苦手になります。
このため、進行が緩やかな虫歯であれば、進行を抑える処置をしながら、本人が慣れるのを待つという判断をすることがあります。
慣らし方の進め方は
子どもの歯医者デビューはいつから?初めての受診の流れと準備にまとめました。何もない時期に一度受診しておくことが、いちばんの準備になります。
一方、痛みや腫れがある場合は、待つ余裕がありません。この場合は必要な処置を優先します。
家庭での声かけ
治療の前に、保護者の方にお願いしていることがあります。
「痛くないよ」と約束しないでください。実際に痛みを感じたとき、次から信じてもらえなくなります。「先生が見てくれるよ」「終わったら教えてね」といった伝え方のほうが、後が楽になります。
また、「言うことを聞かないと歯医者に連れて行く」という言い方は避けてください。歯科が罰として位置づけられてしまいます。
終わった後は、できたことを具体的にほめてください。「口を開けていられたね」といった伝え方が届きます。
歯磨きを嫌がる時期の工夫は
子どもが歯磨きを嫌がる|泣かせずに磨く工夫と発達の理解を、仕上げ磨きの方法は
仕上げ磨きのやり方といつまで続ける?年齢別のコツをご覧ください。
保護者の方自身が歯科を苦手にされている場合、その緊張は伝わります。
歯医者が怖い・苦手を乗り越える|名古屋で通いやすい歯科の選び方もあわせてご覧ください。
費用と通院
乳歯の虫歯の治療は保険の対象です。
さらに、子ども医療費助成の制度があります。名古屋市の範囲と自己負担が出るケースは
子ども医療費助成は歯医者でも使える?無料になる範囲と自己負担が出るケース【名古屋市】にまとめました。
通院回数は、詰める処置であれば1回、被せ物で1〜2回、神経の処置を伴う場合は2〜4回が目安です。
複数の歯に虫歯がある場合、1回にまとめず、数本ずつ進めることがあります。お子さんの負担を考えた進め方です。
健診で指摘された場合の動き方は
学校歯科健診で「要受診」の紙をもらったら|C・CO・GOの意味と
名古屋市の学校歯科健診|結果の紙が届いてからの受診先の選び方と費用をご覧ください。
治療の後にすること
治療が終わっても、そこで終わりではありません。
虫歯ができたということは、そのお子さんの口の中に、虫歯ができやすい条件があるということです。同じ条件のままなら、別の歯にも起こります。
見直したいのは三つです。仕上げ磨きが届いているか、間食の取り方(回数と時間)、そしてフッ素を使えているか。
このうち、意外に効くのが間食の回数です。量よりも、口の中が甘い状態になる回数が影響します。
赤ちゃんの頃からのケアは
赤ちゃんの歯のケア|歯が生え始めたらすること・ガーゼ磨きを、口呼吸が気になる場合は
子どもの口呼吸・ぽかん口|歯並びと健康への影響・改善方法をご覧ください。
哺乳瓶の使い方に心当たりがある場合は
哺乳瓶う蝕(ボトルカリエス)とは|上の前歯が溶ける原因とやめ方もお読みください。
説明を受けるときに確認したいこと
治療の方針を聞く場面で、確認しておくと納得しやすくなる項目があります。
一つ目は、その歯が生え替わるまでの残り期間です。あと1年で抜ける歯と、あと5年使う歯とでは、かける手間の判断が変わります。乳歯の生え替わりは前歯で6歳前後、奥歯では10〜12歳頃です。
二つ目は、削らずに経過を見る選択肢があるかどうかです。表面に穴があいていない段階であれば、その可能性が残ります。
三つ目は、被せ物になる場合、白い材料の選択肢があるかどうかです。前歯であれば対応できることがあります。
四つ目は、今日どこまで進めるかです。複数の歯に虫歯がある場合、順番と回数を最初に聞いておくと、通院の見通しが立ちます。
五つ目は、家庭で何を変えるべきかです。治療と同時にここを聞いておかないと、同じことが別の歯で起こります。
いずれも、聞きにくい質問ではありません。保護者の方が納得して進めるほうが、お子さんにも伝わります。
削らずに進行を抑える方法
治療に協力できる年齢に達していない場合や、進行が緩やかな場合に選ばれる方法があります。
一つは、高い濃度のフッ素を定期的に塗る方法です。家庭で使う歯磨き剤より濃度が高く、初期の変化に対して進行を抑える方向に働きます。
もう一つは、進行を抑える薬を塗る方法です。削らずに進行を止める目的で使われますが、塗った部分が黒く着色するという性質があります。奥歯であれば見た目への影響は限られますが、前歯では目立ちます。使うかどうかは、年齢、進み具合、見た目への影響を説明したうえで判断します。
いずれも、根本的に削らずに済ませる方法というより、「今は削らずに時間を稼ぐ」ための選択です。慣れてきた段階で、改めて処置を検討します。
放置とは違う点を押さえておいてください。決めた間隔で通い、進んでいないかを確認することが前提になります。
当日の流れと、家庭での準備
初めて治療を受ける日の流れを、あらかじめ知っておくと落ち着きます。
受付のあと、診療室で口の中を見ます。必要に応じてレントゲンを撮ります。小さいお子さんでは、じっとしていられる範囲で撮影の方法を選びます。
そのうえで、進み具合と方針を説明します。この日は処置をせず、椅子に座る練習だけで終えることもあります。
処置に入る場合、器具の音や水の感触に慣れてもらうところから始めます。いきなり削り始めることはありません。
家庭での準備としては、まず睡眠です。眠い状態では、ぐずりやすくなります。午前中や、昼寝の後の時間帯に予約を取ると落ち着いて受けられます。
食事は、直前でなければ済ませて構いません。空腹のまま連れて行くと機嫌が悪くなりがちです。ただし治療直後は麻酔が効いていることがあるため、その日の食事の時間は前後します。
着替えやすい服装で、水筒を持っていくと安心です。上着は脱いでおくと、椅子で動きやすくなります。
治療の後に気をつけること
処置が終わった日にお伝えしていることがあります。
麻酔を使った場合、効果は1〜3時間ほど続きます。この間、感覚がないため、唇や頬を噛んでしまうことがあります。小さいお子さんは面白がって噛むことがあるので、目を離さないでください。
食事は、感覚が戻ってからにします。熱いものはやけどに気づけないため、避けてください。
詰めた材料は、その日から普通に使えます。ただし、粘着性の強いもの、硬すぎるものは数日避けたほうが安全です。
被せ物を入れた場合、翌日まで違和感を訴えることがあります。数日で慣れることがほとんどですが、噛むと痛い、高い感じが続くという場合は、調整が必要です。連絡してください。
痛みが出る場合、多くは処置の当日から翌日にかけてです。それ以降に強くなる、腫れてくるという経過であれば、受診してください。
歯磨きは、当日から通常どおり行って構いません。処置した部分も、やさしく磨いてください。
詰める・かぶせるの先にある選択
被せ物そのものの使いどころ、見た目、外れたときの対応は
乳歯の銀色の被せ物(乳歯冠)|使う理由・見た目・外れたときの対応にまとめました。治療で形を保てないと判断された場合の考え方は
乳歯を抜くのはどんなとき|虫歯で残せない場合と抜いた後のことで扱っています。
よくある質問
乳歯の虫歯は必ず削りますか
削らない場合もあります。歯の表面が白く濁っているだけで穴があいていない段階なら、フッ素の応用と磨き方の見直しで進行を止められることがあります。判断の分かれ目は穴の有無です。ただし様子を見る場合も、決めた間隔で通って進んでいないか確認することが前提になります。
どうせ生え替わるのに治療が必要ですか
必要です。乳歯には噛む働きのほかに、次の永久歯が生えてくる場所を保つ役割があります。形が崩れたまま放置すると隣の歯が寄ってきて、永久歯の並ぶ場所が狭くなります。また根の先まで炎症が進むと、下に控えている永久歯の表面に影響が出ることがあります。放置しない理由は見た目ではなく、次の歯を守るところにあります。
銀色の被せ物になりますか
範囲が広く、詰めるだけでは歯の形を保てない場合、乳歯用の既製の金属冠を使うことがあります。歯の大きさに合わせて調整し、その日のうちに装着できるという利点があり、見た目は銀色になります。前歯であれば白い材料の選択肢があることもあるため、気になる場合は治療前に相談してください。
麻酔は使いますか
範囲が浅ければ使わないこともあります。使う場合も、表面に塗る麻酔で針の刺激を和らげてから行うのが一般的です。神経に近い処置や神経の処置では、痛みを感じないように麻酔を使います。効果は1〜3時間ほど続き、その間は唇や頬を噛まないよう注意が必要です。食事は感覚が戻ってからにしてください。
治療は何回くらいかかりますか
詰める処置なら1回、被せ物で1〜2回、神経の処置を伴う場合は2〜4回が目安です。複数の歯に虫歯がある場合は、1回にまとめず数本ずつ進めることがあります。お子さんが集中していられる時間には限りがあるためで、無理に一度で終わらせようとしないほうが、結果として通いやすくなります。
子どもが泣いて治療できません。どうすればよいですか
進行が緩やかな虫歯であれば、進行を抑える処置をしながら本人が慣れるのを待つ判断をすることがあります。無理に押さえて進めると、歯科そのものが苦手になり、その後の受診が難しくなるためです。ただし痛みや腫れがある場合は待つ余裕がないため、必要な処置を優先します。
治療費はいくらかかりますか
乳歯の虫歯の治療は保険の対象です。さらに子ども医療費助成の制度があり、対象年齢であれば窓口の負担が軽減されます。名古屋市では対象範囲が定められており、自己負担が出るケースもあります。受診の際は保険証と医療費受給者証の両方を持参してください。詳しくはお住まいの区の窓口でご確認ください。
治療が終われば安心ですか
虫歯ができたということは、口の中に虫歯ができやすい条件があるということです。同じ条件のままなら別の歯にも起こります。仕上げ磨きが届いているか、間食の回数が多くないか、フッ素を使えているかを見直してください。特に間食は、量ではなく口の中が甘い状態になる回数が影響します。
まとめ
乳歯の虫歯の治療は、進み具合によって幅があります。表面が白く濁っているだけで穴があいていない段階なら、フッ素の応用と磨き方の見直しで様子を見る選択肢が残ります。小さな穴であれば、白い樹脂を詰めて1回で終わることがほとんどです。範囲が広い場合は被せ物になり、乳歯用の既製の冠を使うことがあります。見た目が銀色になる点を気にされる方は多いのですが、前歯では白い材料の選択肢があることもあるため、治療前に相談してみてください。神経まで進んだ場合も、乳歯には乳歯向けの処置があります。根の中に詰める薬には、将来の生え替わりに合わせて体に吸収される材料を使う点が、大人の治療と異なります。「どうせ生え替わるのに」と考えられがちですが、乳歯には次の永久歯が生えてくる場所を保つ役割があり、形が崩れたまま放置すると永久歯の並ぶ場所が狭くなります。根の先まで炎症が進めば、下に控えている永久歯にも影響します。もう一つ、実際の進め方を左右するのがお子さんの協力の度合いです。進行が緩やかであれば、進行を抑えながら慣れるのを待つ判断をすることもあります。ただし痛みや腫れがあるときは待てません。治療が終わった後は、仕上げ磨き、間食の回数、フッ素の三つを見直してください。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海でお子さんの治療を検討中の方は、
子どもの虫歯|原因・治療・予防を歯科医が解説もあわせてご覧ください。
参考・出典