トップ › データで見る名古屋16区の歯の健康|3歳児のむし歯率・妊婦歯科診査・歯周疾患検診を市の公開統計から読み解く 対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅) をはじめ、愛知・東海地方 で歯のお悩みを抱える方へ。
この記事でわかること
先に結論 この統計の読み方と、先に知っておきたい注意点 3歳児健診のむし歯|16区別の有病者率と6年間の変化 妊婦の歯科診査|受診者の3人に2人が「要精密検査」 歯周疾患検診|20歳で半数が要精密検査、失った歯は40歳から急に増える
名古屋市の子どもや大人の歯は、実際のところどのくらい健康なのでしょうか。名古屋市は毎年、3歳児健診や妊婦の歯科診査、20歳から80歳までの歯周疾患検診の結果を区ごとに集計し、「健康福祉年報」としてオープンデータで公開しています。このページでは、その公開統計(2019〜2024年度・16区別)を歯科医師が整理し、名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)をはじめ市内のどの区にお住まいの方でも、ご自身やお子さんの歯の状態を市全体の傾向と照らし合わせて考えられるようにまとめました。数値はすべて名古屋市の一次データをそのまま集計したもので、特定の区や医院を評価するものではありません。
先に結論
名古屋市の3歳児のむし歯有病者率は、2019年度の6.2%から2024年度は4.0%へ下がった。6年で3分の2になっている ただし区による差は大きく、2024年度は港区9.5%、南区5.9%に対し、西区・瑞穂区は2.3%。最大で約4倍の開きがある 妊婦の歯科診査では、受診者の64%が「要精密検査」と判定されている。妊娠中は歯ぐきの炎症が起きやすく、放置しやすい 歯周疾患検診では、20歳ですでに53%が要精密検査。失った歯がある人の割合は40歳で1割、60歳で4割、75歳で7割に達する 保育園・幼稚園でのフッ化物洗口は市内209園・7,614人で実施されており、区によって取り組みの厚みが違う
この統計の読み方と、先に知っておきたい注意点
年報に載っている数字は、市の健診や検診を「受けた人」の結果です。3歳児健診はほぼ全員が受けるため実態に近い数値といえますが、妊婦の歯科診査や歯周疾患検診は、受診票を使って自分から受けに行った人の集計です。歯に不安がある人ほど受けやすいという偏りが入るため、「名古屋市民の◯%が歯周病」と読み替えることはできません。
また、区ごとの差をそのまま「その区の歯科医療の質」と結びつけるのも正確ではありません。3歳児のむし歯は、保護者の生活時間や間食の習慣、保育の環境、フッ化物の利用状況など、医療機関の外側にある要因の影響が大きいことが多くの研究で示されています。区の数字は「地域として、どこに支援を厚くするか」を考える材料であって、個々のご家庭やお子さんを判断するものではありません。
このページで使った数値の出典は、名古屋市が公開する「名古屋市健康福祉年報〈事業編〉」の第7章「歯科保健」です。名古屋市オープンデータカタログにて CC BY 4.0 ライセンスで公開されており、どなたでも同じ表を確認できます。ページ末尾の参考・出典に、データセットへのリンクを載せています。
3歳児健診のむし歯|16区別の有病者率と6年間の変化
3歳児健診は、名古屋市内の3歳のお子さんのほぼ全員が受ける健診です。歯科の項目では、むし歯(う蝕:細菌の出す酸で歯が溶ける病気)の有無と本数、噛み合わせの状態が記録されます。2024年度は市全体で16,281人が受診し、そのうち653人にむし歯があり、有病者率は4.0%でした。
区別に並べると、以下のようになります。有病者率の高い順に並べ、2019年度との比較を添えました。
区 2024年度 有病者率 2019年度 有病者率 変化 2024年度 受診児数
港区 9.5% 11.2% -1.6pt 870人
南区 5.9% 8.4% -2.5pt 762人
中川区 4.8% 7.7% -2.9pt 1,468人
中区 4.6% 9.6% -5.0pt 459人
熱田区 4.3% 3.4% +0.9pt 419人
北区 4.0% 7.1% -3.0pt 1,013人
千種区 4.0% 7.0% -3.0pt 1,061人
守山区 3.9% 6.0% -2.1pt 1,522人
名東区 3.9% 5.7% -1.8pt 1,266人
中村区 3.7% 5.3% -1.5pt 882人
東区 3.5% 5.3% -1.8pt 653人
天白区 3.3% 5.6% -2.4pt 1,193人
昭和区 3.1% 3.6% -0.4pt 858人
緑区 2.9% 5.1% -2.2pt 2,044人
瑞穂区 2.3% 3.9% -1.5pt 771人
西区 2.3% 4.8% -2.5pt 1,040人
市全体 4.0% 6.2% -2.2pt 16,281人
もっとも高い港区(9.5%)と、もっとも低い西区・瑞穂区(2.3%)の差は約4倍です。この差は2019年度にもあり、当時は港区11.2%に対して熱田区3.4%と、やはり3倍以上の開きがありました。つまり、区の順位はある程度固定的で、市全体が改善する中でも「高い区は高いまま」という構造が続いています。
一方で、改善の幅が大きい区もあります。中区は2019年度の9.6%から2024年度は4.6%へ、中川区は7.7%から4.8%へ、南区は8.4%から5.9%へと、それぞれ2.5〜5ポイント下がっています。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)で子育てをされている方にとって、中区の数字が市の平均に近づいたことは知っておいてよい変化です。
むし歯の「重さ」も見ておく必要があります。年報には「4本以上のむし歯がある子どもの割合」も記録されており、2024年度は市全体で1.3%、港区で3.6%、西区で0.3%でした。有病者率の高い区では、むし歯のある子どもが多いだけでなく、1人あたりのむし歯の本数も多い傾向があります。港区の1人あたりむし歯本数は0.37本で、市全体(0.13本)の約3倍です。
市全体の推移を見ると、3歳児のむし歯有病者率は2019年度6.2%、2020年度6.3%、2021年度5.8%、2022年度4.4%、2023年度3.9%、2024年度4.0%と、2022年度に大きく下がってからは4%前後で横ばいになっています。1歳6か月児健診では有病者率が0.4〜1.1%と低く、むし歯はおおむね1歳半から3歳の間に始まることがこの2つの健診の差からわかります。
年度 3歳児健診 受診児数 3歳児 むし歯有病者率 1人あたりむし歯本数 1歳6か月児 有病者率
2019年度 17,190人 6.2% 0.20本 0.6%
2020年度 15,473人 6.3% 0.18本 1.1%
2021年度 21,591人 5.8% 0.18本 0.6%
2022年度 17,338人 4.4% 0.13本 0.4%
2023年度 16,508人 3.9% 0.12本 0.4%
2024年度 16,281人 4.0% 0.13本 0.4%
全国の数値と比べると、
厚生労働省 の地域保健・健康増進事業報告では3歳児のむし歯有病者率は全国で10%前後(2021年度)とされており、名古屋市の4.0%はそれを大きく下回っています。名古屋市は乳幼児期のフッ化物塗布(1歳6か月児健診・3歳児健診・むし歯予防教室などで2024年度に12,575件)や、保育園でのフッ化物洗口を長く続けており、その積み重ねが数字に表れていると考えられます。
お子さんのむし歯の進み方や、初期のむし歯を削らずに管理する考え方については、
子どもの虫歯治療 と
乳歯の虫歯のサイン で解説しています。3歳児健診で「要治療」と言われたときの受診先や費用の考え方は、
名古屋市の子ども医療費助成で歯科はどこまで無料になるか にまとめました。
妊婦の歯科診査|受診者の3人に2人が「要精密検査」
名古屋市では、妊娠中と産後1年以内の方が無料で歯科診査を受けられます。2024年度は妊婦7,446人が受診し、そのうち64.3%にあたる4,785人が「要精密検査」、16.5%が「要指導」と判定され、「異状なし」は19.3%にとどまりました。
区 受診者数 要精密検査 要指導 異状なし
中川区 676人 72.0% 10.4% 17.6%
港区 277人 69.0% 11.6% 19.5%
緑区 969人 68.7% 13.7% 17.5%
守山区 529人 68.6% 13.6% 17.8%
名東区 383人 68.4% 15.4% 16.2%
中村区 506人 68.2% 12.5% 19.4%
南区 367人 65.4% 17.4% 17.2%
中区 373人 64.6% 15.5% 19.8%
天白区 496人 63.7% 21.8% 14.5%
熱田区 250人 63.2% 16.4% 20.4%
千種区 415人 63.1% 15.4% 21.4%
東区 341人 59.5% 15.8% 24.6%
昭和区 412人 58.3% 17.7% 24.0%
北区 524人 57.6% 23.1% 19.3%
西区 536人 55.8% 24.8% 19.4%
瑞穂区 392人 53.6% 20.7% 25.8%
市全体 7,446人 64.3% 16.5% 19.3%
「要精密検査」が6割を超えるのは驚かれるかもしれませんが、これは診査の基準が厳しめに設定されているためです。歯ぐきから出血がある、歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)が深い箇所が1か所でもある、といった所見があれば、精密検査をすすめる仕組みになっています。妊娠中は女性ホルモンの影響で歯ぐきの炎症が起きやすく、つわりで歯みがきが難しくなることも重なるため、この時期に一度専門的な確認を受ける意味は大きいといえます。
区別では中川区72.0%、港区69.0%が高く、瑞穂区53.6%、西区55.8%が低い結果でした。3歳児のむし歯有病者率と同じ区が上位と下位に並んでいる点は注目に値します。母親の口の中の状態とお子さんのむし歯には関連があることが知られており、妊娠期の歯科受診を厚くすることが、その後の乳幼児のむし歯予防にもつながる可能性があります。
妊産婦歯科診査の受け方や受診票の使い方、産後の期限については
名古屋市の妊産婦歯科健康診査|無料で2回受けられる対象・受診票・時期 で詳しく解説しています。妊娠中の歯ぐきの腫れや出血そのものについては、
歯周病治療 の解説もあわせてご覧ください。
歯周疾患検診|20歳で半数が要精密検査、失った歯は40歳から急に増える
名古屋市の歯周疾患検診は、20歳から80歳まで5歳刻みの節目年齢の市民が無料で受けられる検診です。2024年度は全年齢で31,163人が受診しました。年齢別の結果を並べると、歯の失われ方と歯周病の進み方が数字として見えてきます。
年齢 受診者数 失った歯がある人 要精密検査 異常なし
20歳 1,759人 0.8% 53.1% 6.3%
25歳 1,226人 2.7% 61.7% 7.0%
30歳 1,885人 3.6% 62.5% 7.6%
35歳 2,086人 4.8% 61.8% 7.0%
40歳 2,007人 9.8% 62.3% 6.0%
45歳 2,288人 14.2% 63.3% 5.9%
50歳 2,996人 19.5% 66.7% 4.8%
55歳 2,870人 27.6% 66.8% 5.7%
60歳 3,060人 38.5% 71.1% 4.9%
65歳 2,819人 49.2% 70.9% 5.3%
70歳 2,770人 61.2% 72.3% 5.3%
75歳 3,339人 70.4% 75.1% 5.5%
80歳 2,058人 76.6% 77.2% 6.0%
見ていただきたいのは3つの点です。
1つ目は、20歳の時点で53.1%が要精密検査と判定されていることです。歯周病は中高年の病気と思われがちですが、歯ぐきの出血や浅い歯周ポケットは20代から珍しくありません。この段階なら歯みがきの改善と歯石除去で元に戻せることが多く、早く気づく価値が最も大きい年代です。
2つ目は、失った歯がある人の割合が、40歳9.8%から45歳14.2%、50歳19.5%、55歳27.6%、60歳38.5%と、40代以降ほぼ5年ごとに5〜10ポイントずつ増えていくことです。歯を失う主な原因は歯周病とむし歯の再発(二次う蝕)で、どちらも定期的な管理で進行を遅らせることができます。
3つ目は、「異常なし」と判定される人がどの年齢でも5〜8%しかいないことです。検診を受けに来る人には何らかの不安がある人が多いという偏りを差し引いても、成人の大半は歯ぐきか歯に何らかの所見を持っているということです。
区別に全年齢を合計すると、要精密検査の割合は港区78.9%、中川区77.2%、熱田区76.2%が高く、昭和区54.1%、北区60.1%、西区61.3%が低い結果でした。
区 受診者数(全年齢) 要精密検査の割合
港区 1,452人 78.9%
中川区 2,747人 77.2%
熱田区 1,109人 76.2%
南区 1,650人 72.5%
東区 1,180人 71.4%
千種区 2,318人 68.3%
中村区 1,746人 67.9%
名東区 2,136人 67.5%
緑区 4,202人 67.2%
守山区 2,129人 66.5%
天白区 2,056人 66.1%
中区 1,221人 63.7%
瑞穂区 1,551人 63.0%
西区 2,061人 61.3%
北区 1,906人 60.1%
昭和区 1,699人 54.1%
歯周疾患検診の対象年齢、予約から当日までの流れ、結果が出た後にどうするかは
名古屋市の歯周疾患検診は無料|対象年齢・受け方・当日の流れ にまとめています。70歳以降の無料検診とオーラルフレイル(口の機能の衰え)の相談窓口は
名古屋市の高齢者向け歯科健診とオーラルフレイル対策 をご覧ください。歯周病そのものの症状と治療の流れは
歯周病治療 、失った歯をどう補うかは
歯を失ったときの選択肢|入れ歯・ブリッジ・インプラント比較 で解説しています。
保育園・幼稚園でのフッ化物洗口|区による取り組みの差
名古屋市は4歳児・5歳児を対象に、保育園や幼稚園でのフッ化物洗口(フッ素入りの液で1分ほどうがいをする予防法)を推進しています。2024年度は市内209園・7,614人が実施しており、歯科医師や歯科衛生士による健康教育は490園で行われました。
区 フッ化物洗口 実施園数 実施人員 歯科の健康教育 実施園数
緑区 35園 1,114人 56園
守山区 32園 1,582人 38園
港区 21園 922人 33園
名東区 15園 467人 43園
西区 14園 327人 36園
北区 13園 359人 30園
中村区 13園 523人 27園
南区 12園 564人 44園
天白区 10園 266人 31園
千種区 9園 278人 26園
瑞穂区 9園 311人 9園
中川区 9園 385人 40園
中区 5園 134人 16園
昭和区 5園 144人 20園
熱田区 4園 131人 19園
東区 3園 107人 22園
市全体 209園 7,614人 490園
実施園数は緑区35園、守山区32園、港区21園が多く、東区3園、熱田区4園、中区5園、昭和区5園が少ない結果でした。園の数そのものが区によって違うため単純比較はできませんが、3歳児のむし歯有病者率が高い港区で実施が厚いことは、市が重点的に支援している表れと読めます。一方、中区は3歳児のむし歯有病者率が4.6%と市平均をやや上回りながら実施園が5園にとどまっており、名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)で保育園を選ぶ保護者の方は、園でのフッ化物洗口の有無を確認項目の一つにしてもよいでしょう。
フッ化物洗口の効果と安全性、家庭でできるフッ素の使い方については
フッ素塗布 と
シーラント で解説しています。
歯科医師としての読み解き|この数字から言えること、言えないこと
ここまでの数字を診療の立場から整理すると、名古屋市の歯科保健は「乳幼児は全国水準よりかなり良い、成人は全国と同様に課題が大きい」という姿になります。3歳児のむし歯有病者率4.0%は、市の健診体制とフッ化物の利用が長年続いてきた成果として素直に評価できる数字です。
その一方で、区の差が6年間ほとんど順位を変えずに残っていることは、医療機関の努力だけでは埋まらない要因があることを示しています。港区・中川区は市内でも外国籍の住民の割合が高い地域で、生活時間の違いや情報の届きにくさが背景の一つにあると考えられます。こうした地域では、健診で「むし歯がある」と分かった後に治療へつながる導線を太くすることが、有病者率を下げる近道になります。
成人については、20歳で半数が要精密検査という結果を重く受け止める必要があります。20代・30代の歯周病は自覚症状がほとんどなく、検診で指摘されて初めて気づく人が大半です。節目年齢の無料検診は5年に1度しか回ってきませんが、その間も年1〜2回の定期検診を続けることが、40代以降の歯の喪失を防ぐ最も確実な方法です。
言えないこともあります。この統計から「どの区の歯科医院が良いか」は分かりません。区の数字は住民の生活環境を反映したものであり、医院の技術を反映したものではないからです。医院を選ぶ際は、この統計ではなく、ご自身の症状に合った診療内容と通いやすさで判断してください。
よくある質問
名古屋市の3歳児のむし歯の割合はどのくらいですか
2024年度の3歳児健診では、受診した16,281人のうち4.0%にむし歯がありました。2019年度は6.2%だったため、6年間で3分の2に減っています。全国の3歳児のむし歯有病者率は10%前後とされており、名古屋市はそれを大きく下回る水準です。区によって2.3%から9.5%まで差があります。
区によってむし歯の割合が違うのはなぜですか
区の差は、医療機関の数や質ではなく、保護者の生活時間、間食や飲み物の習慣、保育の環境、フッ化物の利用状況といった生活要因の違いを反映していると考えられます。港区・南区・中川区は2019年度から一貫して高く、市全体が改善する中でも順位が入れ替わっていません。地域として支援を厚くする材料として読むのが適切です。
名古屋市の妊婦歯科診査で「要精密検査」と言われました。深刻ですか
2024年度は受診した妊婦の64.3%が要精密検査と判定されており、あなただけが特別というわけではありません。歯ぐきからの出血や歯周ポケットが1か所でもあれば精密検査をすすめる基準のため、多くは初期の歯肉炎です。妊娠中は炎症が起きやすい時期なので、産科の許可を得たうえで早めに歯科で確認を受けることをおすすめします。
歯周疾患検診を20歳で受ける意味はありますか
あります。2024年度の名古屋市の検診では、20歳の受診者の53.1%が要精密検査と判定されました。この年代の所見は歯ぐきの出血や浅い歯周ポケットが中心で、歯みがきの改善と歯石除去で元に戻せることがほとんどです。40歳以降に歯を失う人が急に増えることを考えると、20歳での確認は最も費用対効果の高い受診といえます。
歯を失う人はどの年齢から増えますか
名古屋市の歯周疾患検診の結果では、失った歯がある人の割合は35歳で4.8%、40歳で9.8%、50歳で19.5%、60歳で38.5%、70歳で61.2%、80歳で76.6%です。40代から5年ごとに5〜10ポイントずつ増えていく形で、この時期に歯周病とむし歯の再発を管理できるかどうかが、その後の歯の本数を左右します。
保育園でのフッ化物洗口は受けたほうがよいですか
フッ化物洗口は、日本口腔衛生学会や厚生労働省のガイドラインで4歳以降に推奨されている予防法で、名古屋市では2024年度に209園・7,614人が実施しています。むし歯の予防効果は複数の研究で示されており、家庭でのフッ素入り歯みがき剤と併用しても安全とされています。園で実施していない場合は、歯科医院でのフッ素塗布で補うことができます。
このデータはどこで確認できますか
名古屋市オープンデータカタログで公開されている「名古屋市健康福祉年報〈事業編〉」の第7章「歯科保健」がもとになっています。CC BY 4.0 ライセンスのため、出典を明記すれば誰でも利用できます。このページの数値はその表から集計したもので、区別の受診者数や判定区分の内訳も同じファイルで確認できます。
この統計から通う歯科医院を選べますか
選べません。区ごとの数字は住民の生活環境や受診行動を反映したもので、その区にある歯科医院の技術や設備を示すものではありません。医院を選ぶときは、ご自身の症状に対応した診療を行っているか、説明が納得できるか、継続して通える距離かで判断してください。市内の区ごとの通いやすさは別の記事で整理しています。
まとめ
名古屋市の公開統計からは、3歳児のむし歯有病者率が6年間で6.2%から4.0%へ下がった一方、区による約4倍の差が固定的に残っていること、妊婦の3人に2人・20歳の半数が歯周の所見で要精密検査となること、失った歯がある人が40代から急に増えることが読み取れます。乳幼児期の予防は市全体として成果が出ており、これからの課題は、支援が届きにくい地域の子どもと、自覚症状のない20〜40代の歯周病にどう早く気づいてもらうかにあります。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海にお住まいの方は、まず市の無料の健診・検診を使い、その結果を出発点にかかりつけの歯科で定期的な管理を続けてください。
名古屋市の歯科に関する公的な制度の全体像は
名古屋市の歯科事情|無料の検診・休日診療・子ども医療費助成の使い方 に、治療費が高いと感じたときに使える制度は
名古屋で歯科治療費が高いと感じたときに使える制度の全体像 にまとめています。区ごとの通いやすさは
名古屋市の区ごとの歯科事情 をご覧ください。
参考・出典
名古屋市「名古屋市健康福祉年報〈事業編〉 第7章 歯科保健」名古屋市オープンデータカタログ(CC BY 4.0) https://data.bodik.jp/dataset/231002_1300050000_01 名古屋市「名古屋市におけるオープンデータの取り組み」 https://www.city.nagoya.jp/shisei/keikaku/1031739/1034964.html 厚生労働省「地域保健・健康増進事業報告」(3歳児歯科健康診査の全国集計) 厚生労働省「歯科疾患実態調査」 日本口腔衛生学会「フッ化物応用の科学」 厚生労働省「フッ化物洗口ガイドライン」 日本歯周病学会 「歯周病の検査・診断・治療計画の指針」