対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。
名古屋市には、節目の年齢の市民が無料で受けられる歯周疾患検診があります。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)にお住まいでも、制度そのものを知らないまま対象年齢を過ぎてしまう方は少なくありません。歯周病は痛みが出にくく、自分では気づけない病気です。無料で歯ぐきの状態を確かめられる機会は、年に一度あるかどうかの貴重なものです。このページでは、令和8年度の対象年齢、受けられる内容、予約から当日までの流れ、そして結果が出た後どうするかを、名古屋市が公表している内容にもとづいて整理します。市の歯科制度の全体像は<a href="/cost/nagoya-local/">名古屋市の歯科制度ガイド|無料の歯周疾患検診・妊産婦歯科診査・休日の応急処置</a>をご覧ください。

先に結論
- 対象は令和8年4月1日時点で20歳から80歳までの5歳きざみの節目年齢の名古屋市民
- 検診そのものは無料。期間内に1回受けられる
- 受けられるのは市内の協力歯科医療機関のみで、予約が必要
- 内容は歯の状況の確認、歯周ポケットの測定、保健指導
- 現在すでに歯周病で治療管理中の方は対象外
| 項目 | 内容 | 注意したい点 |
|---|---|---|
| 対象 | 令和8年4月1日時点で20・25・30・35・40・45・50・55・60・65・70・75・80歳の市民 | 年度内に迎える年齢ではなく、基準日時点の年齢 |
| 費用 | 検診は無料 | 治療や詳しい検査に進めば保険診療の負担が発生 |
| 期間 | 令和8年4月1日から令和9年3月31日まで | 期間内に1回のみ。年度をまたいで持ち越せない |
| 場所 | 市内の協力歯科医療機関 | 協力機関以外では受診できない。予約制 |
| 内容 | 歯の状況の視診、歯周ポケット測定、保健指導 | 75歳・80歳は口腔機能の検査も追加される |
どんな検診なのか
歯周疾患検診は、症状のない段階で歯ぐきの状態を確かめ、必要なら早めに治療につなげることを目的とした制度です。治療を行う場ではなく、あくまで現状を調べる場だという点が出発点になります。 行われるのは三つです。一つ目は口の中の視診で、歯の本数、虫歯の有無、詰め物や被せ物の状態、歯ぐきの色や腫れを確認します。二つ目が歯周ポケットの測定です。細い目盛り付きの器具を歯と歯ぐきのすき間に差し入れ、深さをミリ単位で測ります。三つ目が保健指導で、結果をもとに磨き方や生活習慣について説明を受けます。 このうち中心になるのが歯周ポケットの測定です。歯周病がどこまで進んでいるかは、この深さと出血の有無でおおよそ判断できます。数値の読み方は歯周病検査の数値の見方|ポケット4mm・6mmと出血が示すもので詳しく解説しています。 一方、この検診に含まれないものもあります。歯石の除去、レントゲン撮影、詰め物の治療などは検診の範囲外です。必要と判断された場合は、あらためて保険診療として受けることになります。この線引きを知らずに「無料で歯石も取ってもらえる」と思って行くと、当日に戸惑うことになります。対象になる人、ならない人
対象は、令和8年4月1日の時点で20歳、25歳、30歳、35歳、40歳、45歳、50歳、55歳、60歳、65歳、70歳、75歳、80歳になっている名古屋市民です。5歳きざみの節目の年齢に限られます。 注意したいのは、基準日が年度のはじめであることです。たとえば令和8年5月に30歳になる方は、4月1日時点では29歳のため、その年度の対象にはなりません。翌年度に30歳として対象になるわけでもありませんので、自分の生まれ年で確認してください。 対象となる方には無料クーポン券が届きますが、手元にない場合でも受診できます。マイナンバーカードを健康保険証として利用するなどして、生年月日と住所を確認できれば無料の扱いになります。転居直後などでクーポンが届いていない方は、この点を覚えておくと安心です。 一方、現在すでに歯周病で治療管理中の方は対象外です。これは制度の目的が「まだ受診していない人を見つけること」にあるためで、通院中の方はその医院での検査が継続されているという考え方によります。定期的な管理を受けている方も、その延長線上にあります。管理の内容は歯周病メンテナンス(SPT)とは|通う頻度と内容・やめるとどうなるをご覧ください。なぜ節目の年齢で区切られているのか
5歳きざみという区切りに、疑問を感じる方もいるかもしれません。この設計にはいくつかの背景があります。 一つは、歯周病がゆっくり進む病気だからです。1年で急に状態が変わることは多くありませんが、5年という単位で見ると、骨の高さや歯ぐきの位置は確実に変化します。節目ごとに記録を残しておけば、その間にどれだけ進んだかという進行の速さが分かります。これは1回の検査だけでは決して得られない情報です。 もう一つは、年代ごとに注意すべき点が違うことです。20代・30代では、歯肉炎の段階で気づいて習慣を整えることに意味があります。40代・50代では、すでに始まっている骨の吸収を食い止める段階です。60代以降では、残っている歯を保ちながら噛む機能を維持することが主題になります。同じ検査でも、伝えるべき内容は年代で変わります。 若い世代が対象に含まれている点も特徴です。歯周病は高齢者の病気と思われがちですが、20代でも歯肉炎は珍しくなく、進行の速い型もあります。詳しくは20代・30代でも歯周病?若くても進行する原因と対策をご覧ください。予約から当日までの流れ

当日の持ち物と気をつけること
持参するものは多くありません。クーポン券が届いていればそれを、なければ本人確認と住所確認ができるもの、そしてマイナンバーカードや健康保険証を持参してください。検診に続いて保険での治療に進む可能性もあるため、保険証は持っていくほうが確実です。 服用中の薬がある方は、お薬手帳を持参してください。血液をさらさらにする薬を飲んでいる場合、ポケットの測定で出血が長引くことがあります。骨に関わる薬を使っている場合も、その後の処置の判断に関わります。 検診の直前に念入りに磨き込む必要はありません。むしろ普段どおりの状態を見てもらったほうが、どこが磨けていないかという有用な情報が得られます。出血を隠すために強く磨くと、本来必要な指摘を受けられなくなります。 測定のときに歯ぐきがチクチクすることはありますが、麻酔が必要になるほどの処置ではありません。炎症の強い部位では痛みを感じやすくなりますので、つらい場合は遠慮なく伝えてください。歯ぐきからの出血が気になっている方は歯茎から血が出る原因と対処|歯周病のサインもあわせてご覧ください。結果が出た後にどうするか

75歳・80歳で追加される検査
75歳と80歳が対象となる年度では、歯ぐきの検査に加えて口の機能を調べる検査が行われます。名古屋市ではこれをオーラルフレイルチェックと呼んでいます。 内容は、噛む力、舌や唇の動き、飲み込みの状態、口の乾き具合などの確認です。これらは加齢とともに少しずつ低下しますが、本人にはほとんど自覚がありません。硬いものを避けるようになった、むせることが増えた、滑舌が変わったといった変化が積み重なると、食べられるものが減り、栄養状態や全身の健康にも影響します。 早い段階で気づけば、噛む力を保つ工夫や、口周りの運動で維持できる部分があります。歯そのものが健康であっても、機能は別に評価する必要があるという考え方です。詳しくはオーラルフレイルとは|高齢の親の口の衰えチェックと予防をご覧ください。 なお、口腔機能低下症で治療管理中の方は、この検査の対象外となります。すでに評価と管理が行われているためです。受ける前に自分で確かめておきたいこと
検診の場で伝えられることを整理しておくと、限られた時間を有効に使えます。難しい準備は要りません。 まず、鏡で歯ぐきの色と形を見てください。健康な歯ぐきは薄いピンク色で、歯と歯の間が三角形に引き締まっています。赤みが強い、ぷっくり丸みを帯びている、歯との境目がぶよぶよしているといった変化があれば、その部位を覚えておきます。 次に、歯みがきのときの出血です。毎回出るのか、特定の場所だけか、いつ頃から気づいたか。この情報は測定の結果と合わせると意味を持ちます。出血が続く場所は、炎症が続いている場所です。 朝起きたときの口のネバつき、口臭が気になる、歯と歯の間に食べ物がはさまるようになった、歯が長く見えるようになったといった変化も伝える価値があります。これらは歯ぐきが下がったり、歯を支える組織が減ったりしたときに現れやすい変化です。 喫煙の習慣、糖尿病などの持病、服用中の薬も重要です。歯ぐきの治り方や出血の出方に直接影響します。歯ぎしりや食いしばりの自覚があれば、それも伝えてください。特定の歯だけ深いポケットになっている場合、力の集中が関係していることがあります。歯ぐきの下がりが気になる方は歯茎が下がる原因と治療|歯肉退縮のセルフケアもご覧ください。治療が必要と言われたあとの流れ
検診で「歯周病があります」と言われた場合、その後どう進むのかを知っておくと、受診のハードルが下がります。 保険診療に切り替わったあと、まず行われるのはあらためての検査です。検診では簡略な測定だったものを、全ての歯について4〜6か所ずつ測り直します。レントゲンを撮って、歯を支える骨がどれだけ残っているかも確認します。この段階で、治療にどのくらいの回数がかかるかの見通しが立ちます。 続いて、歯ぐきの上に見えている歯石を取ります。1〜2回で終わることが多く、麻酔は通常使いません。深いポケットが見つかった場合は、麻酔をして歯ぐきの中を清掃する処置に進みます。区画ごとに分けて数回かかります。処置の内容は歯周ポケットの奥の歯石取り(SRP)は麻酔をする?痛みと処置後の過ごし方で解説しています。 ここまでを終えて4〜6週間あけ、もう一度測り直します。この検査の結果で、定期的な管理に移るのか、追加の処置が必要かが決まります。判断の内容は歯周病の再評価検査とは|基本治療のあと何を見て次を決めるのかにまとめました。 全体でかかる費用は、3割負担で軽度なら5,000〜8,000円、中等度で1万〜2万円程度が目安です。詳しくは歯周病治療の費用はいくら?保険での検査・SRP・再評価の目安をご覧ください。 途中で通院が止まると、数か月で元の状態に戻ってしまいます。無料の検診を入口にした以上、一区切りとなる再評価までは進めておくことをおすすめします。中断した場合に何が起きるかは歯周病の治療を途中でやめたらどうなる?中断のリスクと再開の流れで解説しています。対象年齢に当てはまらない場合
自分が節目の年齢でない年は、この検診を利用できません。ただし歯ぐきの状態を確認する方法がなくなるわけではありません。 保険診療のなかで歯周組織検査を受けられます。歯ぐきの腫れや出血といった症状があれば、初診で検査が行われるのが一般的です。窓口負担は3割の場合で数百円程度と、大きな額ではありません。 職場の健康診断に歯科の項目が含まれている場合もあります。加入している健康保険組合によっては、歯科健診の補助を設けているところもありますので、確認してみる価値があります。 妊娠中の方には別の制度があります。名古屋市では妊産婦を対象とした歯科の診査が用意されており、こちらは年齢による制限がありません。制度の一覧は名古屋市の歯科制度ガイド|無料の歯周疾患検診・妊産婦歯科診査・休日の応急処置で確認できます。子どもの受診については名古屋市の子ども医療費助成と歯科治療|対象年齢・使い方・対象外の費用にまとめました。よくある質問
名古屋市の歯周疾患検診は本当に無料ですか
検診そのものは無料です。歯の状況の確認、歯周ポケットの測定、保健指導までが対象に含まれます。ただし結果を受けて歯石の除去やレントゲン撮影、虫歯の治療に進む場合は、通常の保険診療となり窓口負担が発生します。この線引きは受付の際に確認しておくと安心です。検診の範囲を超える処置に進むかどうかは、その場で決められます。クーポン券が届いていなくても受けられますか
受けられます。対象の年齢であれば、マイナンバーカードを健康保険証として利用するなどして生年月日と住所を確認できれば、無料の扱いになります。転居や郵便の行き違いでクーポンが手元にない場合も、予約の電話でその旨を伝えておけば当日の手続きがスムーズです。対象年齢かどうかは、市の窓口でも確認できます。どこの歯医者でも受けられますか
市内の協力歯科医療機関に限られます。協力機関でない医院では、この検診として受けることはできません。名古屋市の案内や健診の総合サイトで一覧を確認するか、かかりつけの医院に協力機関かどうかを電話で尋ねてください。予約制のため、飛び込みでの受診はできません。予約の際に、歯周疾患検診を受けたい旨を伝えてください。すでに歯医者に通っている場合はどうなりますか
現在歯周病で治療管理中の方は対象外です。通院先で継続的に検査と管理が行われているという前提によるものです。虫歯の治療だけで通っている場合など、判断が難しいときは予約の電話で状況を伝えて確認してください。定期的な管理を受けている方も同様に対象外の扱いとなります。検診にはどのくらい時間がかかりますか
受付から結果の説明まで、おおむね30分程度をみておけば足ります。歯の本数が多い方や、測定する部位が多い場合はやや長くなることがあります。予約の際に所要時間を確認しておくと、仕事の合間や買い物のついでに組み込みやすくなります。当日は問診票の記入から始まります。待ち時間も含めて、余裕をもって予約するのが安心です。検診で歯石も取ってもらえますか
歯石の除去は検診の範囲に含まれません。必要と判断された場合は、あらためて保険診療として別の日に受けることになり、窓口負担が発生します。同じ日に続けて行えるかどうかは医院の予約状況によりますので、希望があれば予約の段階で伝えておいてください。同じ日に続けて処置できるかは、医院の予約状況によります。痛みはありますか
歯周ポケットを測る際に、炎症のある部位ではチクチクした感覚があります。健康な歯ぐきではほとんど痛みを感じません。麻酔が必要になるような処置ではありませんが、つらいときは遠慮なく伝えてください。測定する範囲を分ける、力を加減するといった対応ができます。痛みが不安な場合は、事前に伝えておけば配慮してもらえます。年度をまたいで受けることはできますか
期間内に1回のみで、翌年度への持ち越しはできません。令和8年度であれば令和9年3月31日までに受診する必要があります。年度末は予約が混み合いやすいため、余裕をもって早めに予約することをおすすめします。次に対象となるのは5年後の節目の年齢です。年度末は混み合うため、早めの予約をおすすめします。まとめ
名古屋市の歯周疾患検診は、令和8年4月1日時点で20歳から80歳までの5歳きざみの節目年齢にあたる市民が、無料で受けられる制度です。期間は令和8年4月1日から令和9年3月31日までで、この間に1回受けられます。受診できるのは市内の協力歯科医療機関に限られ、予約が必要です。内容は歯の状況の視診、歯周ポケットの測定、そして保健指導で、75歳と80歳ではこれに口の機能を調べる検査が加わります。一方で、歯石の除去やレントゲン撮影、虫歯の治療は検診の範囲外です。必要と判断されれば、あらためて保険診療として受けることになります。現在すでに歯周病で治療管理中の方は対象外となります。クーポン券が手元になくても、対象の年齢であれば生年月日と住所を確認できれば無料で受診できますので、届いていないことを理由に見送る必要はありません。歯周病は痛みが出にくく、自覚したときには進んでいることの多い病気です。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海にお住まいで対象の年齢に当たる方は、この機会を使って一度ご自身の歯ぐきの状態を確かめてみてください。結果を受けて治療に進む場合は、歯周病の検査と基本治療(スケーリング・SRP)で内容を確認し、歯周病は治る?「完治」と「管理」の正しい理解もあわせてご覧ください。参考・出典
- 名古屋市「歯周疾患検診」
- 名古屋市健診(検診)総合サイト「歯周疾患検診」
- 厚生労働省「歯周疾患検診マニュアル」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周病」