対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。
歯石取りの後に歯がしみる、歯ぐきから血が出る、歯と歯の間がすいた気がする。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)の歯科でも、クリーニングを受けた翌日にこうしたご相談をいただくことがあります。結論から言えば、その多くは処置に伴う一時的な反応で、数日から2週間ほどで落ち着きます。ただし、痛みが強くなっていく場合や、1か月経っても変わらない場合は別の原因を考えます。このページでは、なぜしみるのか、出血がいつまで続くのか、家庭での対処と避けるべきこと、受診したほうがよい目安を順に整理します。歯石除去そのものの内容は<a href="/treatment/shiseki-tori/">歯石取りは痛い?頻度・費用</a>をご覧ください。

- 冷たいものがしみる:数日〜2週間程度で軽くなることが多い
- 歯ぐきからの出血:処置当日から2〜3日でおさまるのが一般的
- 歯ぐきが下がった・すいた感じ:腫れが引いた結果で、多くは元の状態が見えただけ
- 歯が浮いた感じ・鈍い違和感:2〜3日で落ち着くことが多い
- 強い痛みが数日たっても増していく場合は、別の原因を確認する
| 症状 | 主な理由 | 目安の期間 | 受診の要否 |
|---|---|---|---|
| 冷たさでしみる | 覆われていた根の面が露出した | 数日〜2週間 | 経過をみる |
| 歯ぐきの出血 | 炎症のあった部位が反応している | 2〜3日 | 経過をみる |
| すき間が開いた | 腫れが引いて本来の形が見えた | 戻らない | 相談する |
| 噛むと痛い | 歯ぐきの一時的な過敏 | 2〜3日 | 続けば受診 |
| ズキズキする痛み | 神経や根の先の問題の可能性 | — | 早めに受診 |
なぜ歯石を取るとしみるのか
理由は単純です。歯石が付いていた場所が、そのまま露出するからです。 歯石は、歯と歯ぐきの境目や、歯ぐきの内側の根の面に沈着します。長く付いていると、その部分は歯石という「ふた」で覆われた状態になります。外からの刺激は届きません。 この歯石を取り除くと、覆われていた面がむき出しになります。そこは歯の根の部分で、エナメル質という硬い層に守られていません。象牙質(ぞうげしつ:エナメル質の内側にある層)が露出しており、細かい管が神経に向かって伸びています。冷たい水がその管の中の液体を動かすと、神経が刺激されて「しみる」と感じます。これが知覚過敏の仕組みです。 たとえるなら、長く絆創膏を貼っていた皮膚が、はがした直後は外気に敏感になるのと似ています。覆いがなくなったことで、それまで届かなかった刺激が届くようになる。歯の場合も同じで、露出した面がやがて刺激に慣れていきます。 つまり、しみるのは処置の失敗ではなく、歯石が付いていたことの結果です。むしろ歯石が多かった方ほど、取った後にしみやすい傾向があります。歯石が長期間付いていた方では、その下の根の面がすでに荒れていることもあり、より敏感になりやすくなります。知覚過敏そのものの詳しい説明は知覚過敏の治し方をご覧ください。しみるのはいつまで続くか
露出した象牙質は、時間とともに刺激が伝わりにくい状態へ変化します。唾液に含まれるカルシウムやリン酸が管の入り口をふさぎ、歯の内側でも神経を守る層が作られます。この変化には数日から数週間かかります。 多くの方は、1週間ほどで「気にならなくなった」とおっしゃいます。範囲が広い場合や、もともと歯ぐきが下がっていた方では、2〜4週間かかることもあります。 反対に、時間が経っても改善しない、あるいは悪化していく場合は、別の要因を考えます。歯ぎしりや食いしばりで歯に力がかかり続けている、詰め物の縁に段差がある、虫歯が隠れている、といった可能性です。噛みしめの影響は歯ぎしり・食いしばりの原因と歯への影響で解説しています。
歯ぐきの内側の歯石を取った後は反応が大きい
同じ「歯石取り」でも、二つの段階があります。 一つは、歯ぐきから上に見えている歯石を取る処置(スケーリング)です。器具の届く範囲が浅く、痛みも比較的少なく済みます。 もう一つは、歯ぐきの内側、根の面に付いた歯石を取る処置です。ポケットが深い場合に行うもので、麻酔を使うことがあります。この処置の後は、歯ぐきが引き締まる過程で位置が変わり、しみる範囲も広くなりやすい傾向があります。処置の内容は歯周病の検査と基本治療(スケーリング・SRP)で説明しています。 深い部分の処置を受けた後は、数日から1週間ほど、噛んだときの違和感や鈍い痛みが残ることがあります。麻酔が切れた後にじんわり痛む場合、市販の鎮痛薬を使っていただいて構いません。処方を受けている場合は、指示どおりに服用してください。処置後の食事と生活
当日の食事に制限はほとんどありません。麻酔を使った場合は、感覚が戻るまで熱いものを避け、頬や舌を噛まないよう注意してください。麻酔は2〜3時間で切れるのが一般的です。 飲酒と激しい運動は、当日は控えめにしてください。血流が増えると出血が長引くことがあります。喫煙は、傷の治りを遅らせるため、処置後の数日はとくに避けたいところです。 食事でしみる場合は、常温のものを選ぶだけで違います。硬いものを無理に噛む必要もありません。数日の工夫で済む話です。出血が続くのはどういうときか
歯石除去の後に出血するのは、そこに炎症があったからです。健康な歯ぐきは、器具が触れても簡単には出血しません。出血した部位は、細菌によって血管がもろくなっていた場所ということになります。 処置当日から翌日にかけて、うがいのときに血が混じることはよくあります。2〜3日でおさまるのが一般的です。 数日たっても出血が続く場合、多くは磨けていないことが原因です。出血する場所を避けて磨くと、汚れが残り、炎症が続きます。結果としてまた出血する、という循環に入ります。痛くない範囲で構いませんので、その部位こそ丁寧に磨いてください。数日続けると出血は減っていきます。出血の見方は歯茎から血が出る原因と対処にまとめました。 血をさらさらにする薬を服用している方は、止まるまでに時間がかかることがあります。処置の前に申し出ていただければ、範囲や方法を調整します。自己判断で薬を中断しないでください。中断による危険のほうが大きく、歯科の処置は薬を続けたまま行えるのが一般的です。 出血が止まらないときの家庭での対処は、清潔なガーゼを丸めて、出血している部位に10分ほど圧をかけることです。何度もうがいをすると、固まりかけたものが流れてしまいます。それでも止まらない場合は連絡してください。歯ぐきが下がった・すき間が開いたと感じるとき
これは処置後によくいただくご相談です。「歯石を取ったら歯ぐきが下がった」「歯と歯の間に穴が開いた」という感覚です。 実際には、歯石によって押し広げられ、腫れていた歯ぐきが、炎症が引いて本来の位置に戻った状態です。歯石が「詰め物」のようにすき間を埋めていた場合、それがなくなれば空間が見えます。歯ぐきを下げたのではなく、下がっていた事実が見えるようになった、という順序です。 失われた歯ぐきや骨は自然には戻りません。ただし、炎症が収まればそれ以上の後退は止められます。すき間が気になる場合は、歯間ブラシのサイズを合わせることで清掃もしやすくなり、食べ物が挟まりにくくなります。サイズ選びは歯間ブラシとデンタルフロス、どっちを使うべきかを参考にしてください。歯肉退縮そのものについては歯茎が下がる原因と治療で詳しく扱っています。処置後の数日にやってはいけないこと
回復を遅らせる行動があります。 強い力で磨くこと。しみる場所を「汚れているから」と力を入れてこすると、露出した根の面がさらに削れます。歯ブラシは軽く当てるだけで十分です。力加減は歯磨きの力が強すぎるサインで確認できます。 研磨剤の多い歯磨き粉を使うこと。着色を落とす目的の製品は粒子が粗いものがあります。しみている間は、知覚過敏用の製品に切り替えてください。硝酸カリウムや乳酸アルミニウムを含むものが該当します。 熱いものと冷たいものを交互にとること。刺激が繰り返されると過敏な状態が長引きます。数日は極端な温度を避けるだけで楽になります。 つまようじで歯ぐきの中をつつくこと。歯石を自分で取ろうとするのも同じです。歯ぐきを傷つけ、細菌を押し込むことになります。 酸性の強い飲食物を頻繁にとること。炭酸飲料、柑橘類、酢の物などは、露出した象牙質にしみやすく、表面を溶かします。飲食の影響は歯にいい食べ物・悪い食べ物にまとめています。家庭でできる対処
まず、知覚過敏用の歯磨き粉を使ってください。硝酸カリウムは神経の興奮を抑える方向に働き、乳酸アルミニウムは象牙質の細かい管をふさぐ方向に働きます。しみる部位に指で少量塗り、そのまま数分置いてから軽くゆすぐ使い方が効果的です。すぐに効くものではなく、効果が出るまでに1〜2週間かかります。途中でやめると振り出しに戻りますので、症状が落ち着くまでは続けてください。 次に、フッ素を活用してください。高い濃度のフッ素は歯の表面を強くし、刺激の伝わりを抑える働きがあります。就寝前の使用が効果的です。詳しくはフッ素は本当に安全かをご覧ください。 そして、ぬるま湯でうがいをしてください。冷たい水は刺激になります。歯ブラシを使うときも、水を少し温めるだけで楽になります。冬場の水道水は想像以上に冷たく、それだけで痛みの引き金になります。 痛みが強いときは、市販の鎮痛薬を使っていただいて構いません。ただし、薬でしのぎ続けるべき症状ではありませんので、数日たっても必要な状態が続くなら受診してください。 刺激の強い洗口剤は、しみている間は避けたほうが無難です。アルコールを含むものは粘膜を乾かします。選び方は洗口剤・うがい薬の選び方を参考にしてください。 歯ブラシは、毛の硬さを一段やわらかいものに変えるのも有効です。しみている間だけの一時的な措置で構いません。毛先が開いているものは力が入りやすくなるので、この機会に交換してください。目安は歯ブラシはいつ交換するかにまとめています。処置を受ける前にできること
しみるのが心配な方は、処置の前から準備できることがあります。 知覚過敏用の歯磨き粉を、処置の1〜2週間前から使い始めておく方法です。有効成分が歯の表面に作用するまでには時間がかかるため、あらかじめ使っておくと処置後の症状が軽く済むことがあります。 もう一つは、処置の範囲を分けてもらうことです。「今日は右側だけ」と決めておけば、反対側で食事ができます。仕事や予定の都合を先に伝えておくとよいでしょう。 麻酔を使うかどうかも相談できます。歯ぐきの内側の歯石を取る場合、麻酔があるほうが楽に受けられます。麻酔が苦手な方には表面麻酔を併用する方法もあります。 そして、前回からの間隔が長い方ほど反応は大きくなります。次からは短い間隔で通うほうが、1回あたりの負担は軽くなります。間隔の決め方は歯のクリーニングの頻度はどれくらいかで説明しています。