対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。
障害があって歯科を受診しにくい、通院そのものが難しい。名古屋市には、こうした場合の相談窓口が用意されています。市内には北区と南区に歯科保健医療センターがあり、地域の歯科医院での受診が難しい方の相談と診療を受け付けています。このページでは、名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海にお住まいの方に向けて、障害者歯科の窓口、在宅で受けられる歯科の診査、区の保健センターの役割を整理し、どこに何を聞けばよいかを順にまとめます。内容は2026年9月時点の公開情報にもとづきます。

先に押さえておくこと
- 障害があって地域の歯科医院での受診が難しい場合、北区・南区の歯科保健医療センターが相談先になる
- 対象は身体障害者手帳(1〜3級)または愛護手帳(1〜3度)をお持ちの方などで、いずれも予約制
- 障害のある方に対応できる歯科医院の一覧は、名古屋市の健康増進課が案内している
- 在宅でねたきりの状態にある40歳以上の市民には、訪問による歯科の診査がある
- どこに聞けばよいか分からないときは、お住まいの区の保健センターが入口になる
| 窓口 | 対象 | できること | 方法 |
|---|---|---|---|
| 歯科保健医療センター(北・南) | 手帳をお持ちで地域での受診が困難な方 | 相談と診療。必要に応じて大学病院と連携 | 電話予約 |
| 健康増進課 | 障害のある方全般 | 対応できる歯科医院の一覧の案内 | 電話 |
| 区の保健センター | 市民全般 | 歯と口の健康相談。窓口の振り分け | 予約制 |
| 訪問による歯科診査 | 在宅でねたきりの40歳以上の市民 | 自宅での口の状態の確認 | 申込 |
歯科保健医療センターという選択肢
名古屋市には、北区と南区の2か所に歯科保健医療センターがあります。名古屋市歯科医師会が運営しており、心身に障害があって日ごろ地域で歯科診療を受けることが難しい方の相談と診療を行っています。 北センターは北区平手町、南センターは南区弥次ヱ町にあります。いずれも火曜日から土曜日、9時から17時の受付で、予約制です。診療の内容や受け入れの条件は状態によって異なるため、まず電話で相談する形になります。 対象として案内されているのは、身体障害者手帳(1級から3級)または愛護手帳(1度から3度)の交付を受けている方などで、地域での歯科診療が困難な障害児・者です。手帳の等級が該当するかどうかで迷う場合も、電話で状況を伝えて確認してください。 大きな処置が必要になった場合には、各大学病院との連携があります。全身麻酔での対応が必要な場合など、センターだけで完結しないケースでも、次の受診先につながる仕組みです。大学病院を受診する場合の流れは名古屋で大学病院の歯科口腔外科を受診するには|紹介状の要否と予約の流れをご覧ください。 なお、この2か所のセンターは、休日の応急処置の窓口でもあります。急な痛みで困ったときの使い方は名古屋で休日に歯が痛いとき|北・南歯科保健医療センターの使い方と受診の判断にまとめました。
近くの歯科医院で診てもらいたい場合
センターまで通うのが遠い、日常的なかかりつけを近所に持ちたい、という希望もあります。 名古屋市では、障害のある方の歯科診療に対応できる市内の歯科医院の一覧を案内しています。問い合わせ先は健康福祉局 健康部 健康増進課で、電話は052-972-2637です。市の公式サイトでも一覧が公開されています。 ただし、この一覧に掲載されている医院であっても、対応できる内容は医院ごとに異なります。車いすのまま診療できるか、待合での待機が難しい場合に配慮があるか、押さえての処置を行わない方針か、静脈内鎮静法の設備があるか。求めるものは人によって違います。 そのため、受診の前に必ず電話で確認してください。具体的には、障害の内容と困っている点、過去の歯科受診でうまくいかなかった場面、必要な配慮を伝えます。この情報があれば、医院側も受け入れの可否を判断しやすくなります。 歯科受診そのものへの不安が強い場合の医院選びは歯医者が怖い・苦手を乗り越える|名古屋で通いやすい歯科の選び方で扱っています。定期的な管理を保険の枠で受けられる医院の条件についてはか強診とは|毎月のクリーニングが保険でできる歯科医院の条件をご覧ください。通院できない場合の訪問という方法
通院そのものが難しい場合、自宅で受ける方法があります。 名古屋市には、在宅でねたきりの状態にある40歳以上の市民を対象とした、訪問による歯科の診査があります。歯科医師が自宅を訪れ、口の状態を確認し、必要な指導を行うものです。 この診査で治療やケアが必要と判断されれば、訪問による歯科診療につながります。訪問歯科診療は保険が使える医療で、通院と同じように治療や口腔ケアを受けられます。内容と費用の考え方は訪問歯科診療とは|通院できない家族が自宅で受けられる治療と費用にまとめています。 訪問を検討する目安として、家族が気づきやすい変化があります。食事中にむせる、食べこぼしが増えた、入れ歯を使わなくなった、口臭が強くなった、といった点です。こうした変化の意味はオーラルフレイルとは|高齢の親の口の衰えチェックと予防で解説しています。 特に、飲み込む力の低下は肺炎のリスクと関わります。口の中の細菌が気管に入って起こる肺炎について、歯周病と誤嚥性肺炎の関係|高齢者・介護で気をつけたい口腔ケアを歯科医が解説をご覧ください。高齢期に受けられる無料の検診は名古屋市の高齢者向け歯科健診とオーラルフレイル対策|70・75・80歳の無料検診と相談窓口にまとめました。
どこに聞けばよいか分からないとき
窓口が複数あると、どこから始めればよいか迷います。整理すると、次のようになります。 手帳をお持ちで、地域の歯科医院での受診が難しいと感じている場合は、北または南の歯科保健医療センターに電話してください。ここが最も直接的な入口です。 手帳の有無にかかわらず、近くで対応してくれる歯科医院を探したい場合は、健康増進課に問い合わせるか、市の公式サイトの一覧を確認してください。 通院ができない状態で、自宅で診てもらいたい場合は、お住まいの区の保健センターに相談してください。訪問の制度につながります。 そして、そもそも何をどう相談すればよいか分からない場合も、区の保健センターが入口になります。各区では歯と口の健康相談が予約制で実施されており、短時間の健診と相談を受けられます。実施日は区と年度によって異なります。 介護保険を利用している場合は、担当のケアマネジャーに相談するという道もあります。歯科の訪問を含めたサービスの調整を行ってもらえます。 相談するときに準備しておくとよいのが、次の情報です。手帳の種類と等級、服用中の薬、過去の歯科受診でうまくいかなかった場面、現在困っている症状。これらを伝えられれば、窓口での振り分けが早くなります。 当院でも、受診が難しい事情をお持ちの方から相談を受けることがあります。そのとき大切にしているのは、無理に通院を続けさせないことです。合わない環境で我慢して通うより、対応できる体制のある窓口につないだほうが、結果的に口の状態は保たれます。窓口を知っていること自体が、選択肢を増やします。 転入したばかりで市内の事情が分からないという場合は、名古屋・愛知に転入したときの歯科の探し方|かかりつけの引き継ぎと保険証の手続きもあわせてご覧ください。お子さんの受診については子ども医療費助成は歯医者でも使える?無料になる範囲と自己負担が出るケース【名古屋市】で費用の扱いを扱っています。受診しやすくするための工夫
窓口につながった後も、受診を続けられるかどうかは別の問題です。負担を減らすための工夫があります。 一つ目が、初回に治療をしないという進め方です。いきなり器具を使わず、診療室に入って椅子に座るところまでで終える。次は口を開けて見てもらうところまで。段階を分けることで、恐怖の記憶を作らずに慣れていけます。時間はかかりますが、結果的に続きます。 二つ目が、同じ時間帯に予約を取ることです。待合が静かな時間、他の患者が少ない時間を選べれば、音や人の気配による刺激を減らせます。予約の際に相談してみてください。 三つ目が、持ち物の準備です。慣れたタオルやぬいぐるみ、イヤーマフ、サングラス。落ち着ける道具があれば持参してかまいません。ライトがまぶしい場合、目を覆うだけで負担が減ることがあります。 四つ目が、伝え方の記録です。どの場面で難しくなるか、どう声をかけると落ち着くか、過去に何がうまくいったか。これを紙にまとめて渡すと、担当が替わっても引き継がれます。 五つ目が、家庭でのケアです。通院の間隔が空きがちな場合、日々の清掃が状態を左右します。仕上げみがきの姿勢、道具の選び方、無理のない頻度を、受診時に相談してください。歯ブラシの選び方は歯ブラシの選び方|硬さ・大きさ・毛先の形の違いと交換の目安が参考になります。 そして、虫歯を作りにくくする処置も検討できます。フッ素の塗布や、奥歯の溝を埋める処置は、治療の回数そのものを減らします。フッ素塗布の頻度はどれくらい?年齢別の目安と効果が続く期間とシーラントとは|奥歯の溝を埋める虫歯予防の効果と費用をご覧ください。予防に重点を置くほど、負担の大きい治療を避けられます。家族が最初に確認しておくこと
相談を始める前に、家族の側で整理しておくと話が早く進む項目があります。 一つ目が、今どの程度の受診ができるかです。まったく口を開けられないのか、短時間なら座っていられるのか、器具が入ると難しいのか。段階によって、案内される窓口が変わります。 二つ目が、これまでの受診歴です。どこで、いつ、何をして、どうだったか。うまくいかなかった経験があれば、その場面を具体的に書き出しておいてください。 三つ目が、現在の口の状態です。痛みがあるのか、腫れているのか、食べにくいのか、あるいは症状はないが定期的に見てほしいのか。緊急性の判断に関わります。 四つ目が、通院の手段です。付き添える人がいるか、車いすでの移動が必要か、公共交通機関を使えるか。これによって、通える範囲が決まります。 五つ目が、生活の場です。自宅か、施設か。施設に入所している場合、協力歯科医療機関がすでに関わっていることがあります。施設の職員に確認してみてください。 これらを紙にまとめておけば、電話でも短時間で伝えられます。窓口の担当者は、限られた情報から適切な受診先を判断しなければなりません。情報が具体的なほど、振り分けの精度が上がります。 そして、一度で決めきる必要はありません。まず相談し、状況を見ながら方針を変えていくことができます。急な痛みが出たときの受診先は名古屋で休日に歯が痛いとき|北・南歯科保健医療センターの使い方と受診の判断で確認できます。 口唇口蓋裂や顎変形症に伴う矯正・手術では、自己負担を軽くする自立支援医療(更生医療・育成医療)が使えることがあります。申請窓口と対象は自立支援医療(更生医療・育成医療)は歯科で使える?名古屋市の申請窓口・対象になる治療・自己負担の上限【名古屋市】を参照してください。生活保護を受けている方の歯科受診の手続きは生活保護を受けているときの歯科受診|名古屋市の医療扶助・医療券の流れと保険で受けられる治療の範囲【名古屋市】にまとめています。よくある質問
名古屋市で障害者の歯科診療はどこで相談できますか
北区と南区にある歯科保健医療センターが相談先です。名古屋市歯科医師会が運営しており、心身に障害があって地域で歯科診療を受けることが難しい方の相談と診療を行っています。北センターは052-915-8844、南センターは052-611-8044で、火曜日から土曜日の9時から17時、予約制です。歯科保健医療センターの対象になるのはどんな方ですか
身体障害者手帳(1級から3級)または愛護手帳(1度から3度)の交付を受けている方などで、地域での歯科診療が困難な障害児・者と案内されています。等級が該当するか迷う場合も、まず電話で状況を伝えて確認してください。受け入れの可否は状態をふまえて判断されます。近所で障害のある人に対応できる歯科医院を探せますか
名古屋市が市内の対応可能な歯科医院の一覧を案内しています。問い合わせ先は健康福祉局 健康部 健康増進課で、電話は052-972-2637です。ただし掲載されている医院でも対応できる内容は異なるため、受診前に必ず電話で困っている点と必要な配慮を伝えてください。通院できない場合はどうすればよいですか
名古屋市には、在宅でねたきりの状態にある40歳以上の市民を対象とした訪問による歯科の診査があります。歯科医師が自宅を訪れて口の状態を確認し、必要と判断されれば訪問による歯科診療につながります。まずはお住まいの区の保健センターに相談してください。費用はかかりません。どこに相談すればよいか分からないときはどうしますか
お住まいの区の保健センターが入口になります。各区では歯と口の健康相談が予約制で実施されており、短時間の健診と相談を受けられます。実施日は区と年度によって異なります。介護保険を利用している場合は、担当のケアマネジャーに相談してサービスを調整してもらう道もあります。相談のときに何を伝えればよいですか
手帳の種類と等級、服用中の薬、過去の歯科受診でうまくいかなかった場面、現在困っている症状の4点です。特に、どの場面で受診が難しくなるのかが分かると、窓口での振り分けが早くなります。診療情報提供書やお薬手帳があれば持参してください。判断の材料になります。センターで大がかりな治療も受けられますか
内容によります。大きな処置が必要になった場合には、各大学病院との連携があり、次の受診先につながる仕組みになっています。全身麻酔での対応が必要な場合などが該当します。まずセンターで相談し、そこで診てもらったうえで判断してもらう流れになります。費用はどれくらいかかりますか
診療は保険の範囲で行われるため、通常の歯科受診と同じ考え方になります。障害のある方や子どもについては、医療費の助成制度が使える場合があり、その分の自己負担が軽くなります。適用の条件は制度ごとに異なるため、予約の際に受給者証の有無を伝えて確認してください。まとめ
障害があって歯科の受診が難しい、あるいは通院そのものができないという場合、名古屋市には複数の窓口があります。中心になるのが、北区と南区にある歯科保健医療センターです。名古屋市歯科医師会が運営し、心身に障害があって地域で歯科診療を受けることが難しい方の相談と診療を行っています。北センターは北区平手町、南センターは南区弥次ヱ町にあり、いずれも火曜日から土曜日の9時から17時、予約制です。対象として案内されているのは、身体障害者手帳(1級から3級)または愛護手帳(1度から3度)をお持ちの方などです。大きな処置が必要になった場合は各大学病院との連携があり、そこで完結しないケースも次の受診先につながります。近くにかかりつけを持ちたい場合は、市が案内している対応可能な歯科医院の一覧が使えます。問い合わせ先は健康増進課です。ただし掲載されている医院でも対応できる内容は異なるため、受診前に困っている点と必要な配慮を電話で伝えてください。通院ができない場合には、在宅でねたきりの状態にある40歳以上の市民を対象とした訪問による歯科の診査があり、必要と判断されれば訪問診療につながります。どこに聞けばよいか分からないときは、お住まいの区の保健センターが入口です。歯と口の健康相談が予約制で実施されており、短時間の健診と相談を受けられます。介護保険を利用中であれば、ケアマネジャーへの相談も有効です。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海にお住まいで迷っている方は、無理に通院を続けるより、まず名古屋市の歯科制度ガイド|無料の歯周疾患検診・妊産婦歯科診査・休日の応急処置で全体像を確認し、適した窓口につないでください。参考・出典
- 名古屋市「障害者歯科診療が可能な歯科医院のご案内」 https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/kenkoinfo/1009487/1009497.html
- 名古屋市 介護・障害情報提供システム「歯科保健医療センター」 https://www.kaigo-wel.city.nagoya.jp/view/wel/shiori/medical/shika.html
- 名古屋市「歯と口の健康づくり」 https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/kenkoinfo/1009487/index.html
- 名古屋市歯科医師会「各種診療・検診」 https://nagoya-d.com/treat/
- 名古屋市「歯と口の健康相談(予約制)」 https://www.city.nagoya.jp/meito/kenko/1025320/1045775.html