名古屋で大学病院の歯科口腔外科を受診するには|紹介状の要否と予約の流れ

対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。

更新日:2026年8月26日監修:村井亮介(歯科医師・DDS, MSD/日本補綴歯科学会 会員)

かかりつけの歯科医院で「大学病院を紹介します」と言われると、身構えてしまう方が多いようです。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)と愛知には、歯科口腔外科をもつ大学病院が複数あり、紹介の受け方には共通した手順があります。このページでは、紹介状が必要な理由、紹介状なしで行った場合にかかる費用、予約の取り方、当日の持ち物、そして治療後にかかりつけへ戻る流れまでを整理します。制度の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。

歯科医院から大学病院へ紹介状を持って向かう流れを表したイラスト

先に押さえておくこと

  • 大学病院の初診は原則として紹介状が必要になる
  • 紹介状なしの受診では、通常の窓口負担に加えて特別な料金がかかる
  • 予約は、かかりつけの医院から病院へ申し込むのが基本の流れ
  • 名古屋・愛知には歯科口腔外科をもつ大学病院が複数ある
  • 当日は保険証・紹介状・画像データ・お薬手帳を持参する
  • 処置が終わったらかかりつけへ戻る。役割分担の制度である
どんなときに紹介されるのかは親知らず抜歯で大学病院・口腔外科を紹介されるのはどんなとき?にまとめています。ここでは、名古屋・愛知で実際に受診するまでの手続きに絞ります。 名古屋・愛知の主な受け入れ先を並べます。
病院所在特徴
愛知学院大学歯学部附属病院名古屋市千種区歯科の総合病院。口腔外科の診療部が複数ある
名古屋大学医学部附属病院 歯科口腔外科名古屋市昭和区特定機能病院。全身管理を要する治療に対応
名古屋市立大学病院 歯科口腔外科名古屋市瑞穂区医科との連携が必要な症例に対応
その他の総合病院の歯科口腔外科市内・愛知県内入院を伴わない処置の受け皿になる
※どこに紹介されるかは、症状と通いやすさ、病院側の受け入れ状況で決まります。

なぜ紹介状が必要なのか

大学病院は、地域の医院では対応が難しい治療を担う施設として位置づけられています。日本の医療制度では、この役割分担を保つ仕組みが定められています。 そのため、紹介状のない初診では、通常の窓口負担に加えて特別な料金を支払うことになります。国の制度としての下限額が定められており、金額は病院ごとに設定されています。 たとえば名古屋大学医学部附属病院では、初診の診察は原則として紹介状が必要であり、紹介状をお持ちでない場合は選定療養費として7,700円がかかると案内されています(2026年8月時点)。 愛知学院大学歯学部附属病院についても、紹介を中心とする医療機関として、紹介状がない場合には通常の負担に加えて特別な料金が必要になると案内されています。 つまり、紹介状は「あったほうがよい書類」ではなく、費用と受診の可否に直接関わる書類です。かかりつけで作成してもらってから向かうのが確実です。 金額や運用は改定されることがあります。受診前に、その病院の案内で最新の内容を確認してください。

紹介状に書かれていること

紹介状は、正式には診療情報提供書といいます。封をされているため中を見ることはありませんが、何が書かれているかを知っておくと安心です。 記載されるのは、患者さんの基本情報、これまでの経過、現在の症状と診断、これまでに行った処置、持病と服用中の薬、そして紹介の目的です。 紹介の目的が重要です。「抜歯を依頼したい」のか、「診断を仰ぎたい」のか、「処置後は当院で継続する」のか。ここが明確であるほど、病院側の対応がスムーズになります。 多くの場合、レントゲンやCTの画像データも一緒に渡されます。同じ検査を繰り返さずに済むため、費用と被ばくの両方を減らせます。データはCDやDVDに焼かれて渡されることが多く、これも忘れずに持参してください。 なお、紹介状には有効期限のような明確な決まりはありませんが、内容が古くなると意味が薄れます。受け取ったら、早めに予約を取ってください。
紹介状と画像データのCDを封筒に入れて持参する様子のイラスト

予約はどう取るのか

ここが、思い込みで動くと空振りしやすいところです。 多くの大学病院では、患者さん個人からの電話では初診の予約を取れません。かかりつけの医療機関が、病院の窓口へ所定の書式を送ることで予約が確定します。 名古屋大学医学部附属病院の場合、かかりつけの医療機関から診療申込書をファクスで送ることによって初診予約を取る仕組みになっており、患者さん個人からの申し込みでは予約が取れないと案内されています。 そのため、紹介を受けた際は「予約はどちらで取りますか」と確認してください。医院側で予約まで取ってくれる場合と、書類を受け取ってご自身で連絡する場合があります。 一方、以前その病院にかかったことがある場合は、扱いが変わります。再診の予約は、電話や窓口で直接受け付けられていることがあります。 いずれの場合も、初診の受付には締切時刻があります。名古屋大学医学部附属病院では、初診の受付は午前8時30分から午前11時までと案内されています(2026年8月時点)。午後に行っても受け付けてもらえないことがあるため、時刻の確認は必須です。

当日に持っていくもの

忘れると、当日中に処置まで進めないことがあります。 必要になるのは、健康保険証(マイナ保険証または資格確認書)、医療証をお持ちの方はその医療証、紹介状、画像データ、そしてお薬手帳です。 お薬手帳が特に重要になるのが、口腔外科の処置です。血をさらさらにする薬を服用している場合、抜歯の方法や休薬の判断が変わります。骨に関わる薬を長く使っている場合も、処置後の治り方に影響することがあります。 持病がある方は、主治医の連絡先も控えておいてください。病院側から確認が入ることがあります。 また、当日は所要時間が読みにくくなります。検査や説明が加わるため、初診では半日程度をみておくのが無難です。処置の内容によっては、当日は診察と説明のみで、実際の処置は後日という流れになることもあります。 抜歯を伴う場合、当日の処置になるかどうかは事前に確認してください。麻酔の内容によっては車の運転を避ける必要があります。親知らず抜歯の麻酔|局所麻酔・静脈内鎮静法の違いと選び方をご覧ください。

どんな症状で紹介されるか

歯科口腔外科は、歯だけでなく口とあご、顔の領域を扱う診療科です。紹介の理由は幅広くあります。 多いのが、難しい位置にある親知らずの抜歯です。あごの中に完全に埋まっている、神経に近いといった条件では、設備の整った環境での処置が選ばれます。横向き・埋まっている親知らず(埋伏智歯)の抜歯|難易度と流れ親知らず抜歯と神経麻痺のリスク|下歯槽神経・CT検査の意味を参考にしてください。 次に、粘膜や骨の病変です。治らない口内炎、腫れ、しこりなど、診断のために組織を調べる必要がある場合に紹介されます。長引く粘膜の症状は口内炎が治らない原因と受診の目安|種類別の見分け方で扱っています。 三つ目が、全身の状態への配慮が必要な場合です。持病があり、処置中の管理が必要な方や、入院を伴う処置が必要な方が該当します。 四つ目が、あごの骨格や関節に関わる治療です。かみ合わせと骨格のずれを外科的に治す治療などが含まれます。 いずれも、地域の医院で「対応できない」から送られるというより、設備と体制が整った場所で行うほうが安全だという判断によるものです。
かかりつけ医院と大学病院が役割を分担して連携する流れの図

終わったらかかりつけへ戻る

紹介は、片道の移動ではありません。 大学病院で行うのは、依頼された処置とその経過観察までです。それが終われば、日常の管理はかかりつけの医院に戻ります。この往復があって、はじめて役割分担が成り立ちます。 多くの場合、病院からかかりつけ宛てに返事の書類が発行されます。行った処置の内容、経過、今後の注意点が記載されています。この書類が渡された場合は、かかりつけへ持参してください。 戻るタイミングは、処置によって違います。抜歯であれば傷が落ち着いた時点、病変の処置であれば経過観察が終わった時点が目安です。 そして、戻った後の管理が実は重要です。抜歯後の欠損をどうするか、残った歯をどう守るかは、日常的に通える医院でこそ続けられます。抜歯後の経過は抜歯後の生活|食事・痛み・腫れ・運動・お風呂はいつから?をご覧ください。 かかりつけを持たないまま大学病院だけを頼ると、処置が終わった後の管理が途切れます。名古屋市には無料で受けられる検診の制度もあるため、日常の受診先を持っておくことをおすすめします。制度は名古屋市の歯科制度ガイド|無料の歯周疾患検診・妊産婦歯科診査・休日の応急処置名古屋市の歯周疾患検診は無料|対象年齢・受け方・当日の流れにまとめました。

費用と通院の負担を見積もる

大学病院での治療は、地域の医院とは費用と時間の構造が違います。先に把握しておくと計画が立てやすくなります。 治療そのものは保険診療で行われることがほとんどです。抜歯や病変の処置は、保険の範囲で受けられます。紹介状があれば、初診の特別な料金もかかりません。 ただし、検査が加わることで初回の窓口負担は大きくなりがちです。CTや血液検査が必要になれば、その分が上乗せされます。入院を伴う処置では、さらに費用が変わります。 高額になった場合には、月ごとの自己負担に上限を設ける制度があります。あらかじめ手続きをしておくと、窓口での支払いを抑えられます。制度の内容は高額療養費制度は歯科治療に使える?対象と申請方法をご覧ください。医療費控除の考え方は歯科の医療費控除の対象と申請方法|計算例まで解説にまとめました。 通院の負担も見ておいてください。大学病院は予約が取りにくく、待ち時間も長くなりがちです。仕事や介護の予定と合わせて、何回通う必要があるかを初回の説明時に確認しておくと安心です。

紹介に納得できないとき

紹介を受けたものの、判断そのものに疑問がある場合もあると思います。 その場合は、まず紹介する側に理由を尋ねてください。なぜ大学病院なのか、地域の医院では何ができないのか。説明を受けたうえで判断するのが順序です。 それでも迷う場合、別の歯科医院で意見を聞くという方法があります。考え方は歯科治療のセカンドオピニオン|取り方・費用・伝え方・断り方にまとめています。 逆に、こちらから大学病院での治療を希望する場合もあります。この場合も、まずかかりつけに相談してください。紹介状を作成してもらえれば、費用の面でも受診の手続きの面でも有利になります。 なお、緊急の場合は事情が変わります。強い腫れや息苦しさがあるときは、手順を踏むより先に医療機関へ連絡してください。休日の対応は休日・夜間に歯が痛い時の応急処置と救急受診の判断、名古屋市内の受診先は名古屋で休日に歯が痛いとき|北・南歯科保健医療センターの使い方と受診の判断を参考にしてください。

よくある質問

大学病院の歯科を受診するのに紹介状は必要ですか

原則として必要です。大学病院は地域の医院で対応が難しい治療を担う施設と位置づけられており、この役割分担を保つ仕組みが制度として定められています。紹介状がない初診では、通常の窓口負担に加えて特別な料金がかかります。かかりつけで作成してもらってから向かうのが確実です。

紹介状なしで行くとどれくらい費用がかかりますか

病院ごとに設定されています。名古屋大学医学部附属病院では、紹介状をお持ちでない場合、選定療養費として7,700円がかかると案内されています(2026年8月時点)。これは通常の窓口負担とは別にかかる金額です。運用は改定されることがあるため、受診前にその病院の案内で確認してください。

大学病院の予約は自分で電話すればよいですか

多くの場合、患者さん個人からの電話では初診の予約が取れません。かかりつけの医療機関が所定の書式を病院へ送ることで予約が確定する仕組みになっています。紹介を受けた際は「予約はどちらで取りますか」と必ず確認してください。以前かかったことがある場合は扱いが変わります。

名古屋で歯科口腔外科がある大学病院はどこですか

愛知学院大学歯学部附属病院(千種区)、名古屋大学医学部附属病院の歯科口腔外科(昭和区)、名古屋市立大学病院の歯科口腔外科(瑞穂区)などがあります。どこに紹介されるかは、症状の内容、通いやすさ、病院側の受け入れ状況によって決まります。希望がある場合は、紹介を受ける段階で伝えてください。

初診のとき何を持っていけばよいですか

健康保険証、医療証をお持ちの方はその医療証、紹介状、画像データ、そしてお薬手帳です。特に口腔外科の処置では、血をさらさらにする薬や骨に関わる薬の服用が処置の方法を左右します。持病がある方は主治医の連絡先も控えておくと、確認が必要になったときに役立ちます。

初診の日に処置までしてもらえますか

診察と説明のみで、処置は後日という流れになることが多くあります。検査や全身状態の確認が必要なためです。また初診の受付には締切時刻があり、午前中で終了する病院もあります。所要時間も読みにくいため、初診では半日程度をみておくと安心です。抜歯を伴う場合は、当日の処置になるかどうかを事前に確認してください。麻酔の内容によっては、車の運転を避ける必要があります。

治療が終わったあとはどうなりますか

かかりつけの医院に戻り、日常の管理を続けます。病院からかかりつけ宛てに、行った処置の内容や今後の注意点を記載した書類が発行されることが多く、渡された場合は持参してください。戻る時期は、抜歯なら傷が落ち着いた頃、病変の処置なら経過観察が終わった頃が目安です。

自分から大学病院を希望することはできますか

まずかかりつけに相談してください。希望を伝えたうえで紹介状を作成してもらえれば、費用の面でも受診手続きの面でも有利になります。紹介の判断に疑問がある場合は、なぜ大学病院が必要なのかを尋ね、説明を受けたうえで判断するのが順序です。別の医院で意見を聞く方法もあります。

まとめ

名古屋・愛知で大学病院の歯科口腔外科を受診する場合、押さえておくべき点は3つあります。第一に、初診は原則として紹介状が必要だということです。大学病院は地域の医院で対応が難しい治療を担う施設と位置づけられており、紹介状がない初診では通常の窓口負担に加えて特別な料金がかかります。名古屋大学医学部附属病院では選定療養費7,700円と案内されています(2026年8月時点)。第二に、予約は多くの場合、患者さん個人ではなく、かかりつけの医療機関から病院へ申し込む仕組みだということです。自分で電話しても初診の予約が取れないことがあるため、紹介を受けたときに「予約はどちらで取りますか」と確認してください。また、初診の受付には締切時刻が設けられており、午前中で終了する病院もあります。第三に、紹介は片道ではないということです。大学病院で行うのは依頼された処置とその経過観察までで、それが終われば日常の管理はかかりつけに戻ります。この往復があって、はじめて役割分担が成り立ちます。当日の持ち物は、保険証、医療証、紹介状、画像データ、お薬手帳です。特に血をさらさらにする薬や骨に関わる薬の服用は、処置の方法と休薬の判断に直結します。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海にお住まいで紹介を受けた方は、親知らず抜歯で大学病院・口腔外科を紹介されるのはどんなとき?もあわせてご覧いただき、受診前に病院の案内で最新の運用を確認してください。

参考・出典

  • 名古屋大学医学部附属病院「初診の患者さんへ」 https://www.med.nagoya-u.ac.jp/hospital/guide/outpatient/first/
  • 名古屋大学医学部附属病院「名大病院へのご紹介方法」 https://www.med.nagoya-u.ac.jp/hospital/medical/introduce/
  • 名古屋大学医学部附属病院「歯科口腔外科」 https://www.med.nagoya-u.ac.jp/hospital/departments/oral_m-s/
  • 愛知学院大学歯学部附属病院「口腔外科」 https://hospital.dent.agu.ac.jp/dental/oral-surgery
  • 名古屋市立大学病院「歯科口腔外科」 https://w3hosp.med.nagoya-cu.ac.jp/section/department/shika/
  • 厚生労働省「紹介状なしで受診する場合等の定額負担」

監修:村井 亮介(DDS, MSD/米国インディアナ大学大学院 補綴科修了)
Indiana University 大学院 補綴科修了/ACP・ITI・AO・日本補綴歯科学会 会員。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)を拠点に、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ向けて情報を発信しています。理念は「10年後も削り直さない治療」。

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