対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。
横向きに生えた親知らずや歯ぐきに埋まったままの親知らずは、抜歯費用がまっすぐな歯より高くなります。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海の方から「同じ親知らずなのに、なぜ友人と金額がこれほど違うのか」というご相談をいただきます。答えは単純で、保険の抜歯手術が生え方によって3つの区分に分かれているためです。このページでは、区分ごとの自己負担額、横向きの場合に上乗せされやすい検査や処置、そして事前に総額を確かめる手順を整理します。金額は2026年9月時点の保険診療(3割負担)を前提とした目安です。
先に結論
- 保険の抜歯手術は「普通抜歯」「難抜歯」「埋伏歯」の3区分。金額の差はここで決まる
- まっすぐな歯の抜歯料は3割負担で約1,000〜2,000円、横向きに埋まった歯は約3,000〜5,000円
- 差額は抜歯料だけで見ると2,000〜4,000円程度。ここにCT代が加わることが多い
- 横向きの下の親知らずでは、神経との位置関係を見るためのCTが必要になりやすい
- 金額を決めるのは本数でも医院でもなく、レントゲンに写った歯の向きと深さ
親知らず全般の費用の考え方は
親知らず抜歯の費用と保険適用の目安|難易度で変わる相場を解説にまとめています。このページでは、そのなかでも金額が高くなる横向き・埋伏のケースだけを取り出して扱います。
生え方によって抜歯料がどう変わるかを並べます。
| 区分 | どんな生え方か | 抜歯料(3割負担) | 所要時間の目安 |
| 普通抜歯 | 頭が完全に出ていて、器具で普通につかめる | 約1,000〜2,000円 | 5〜15分 |
| 難抜歯 | 頭は見えているが根が曲がる、骨と癒着している | 約1,500〜3,000円 | 15〜30分 |
| 埋伏歯 | 歯ぐきや骨に埋まっている、横向きに倒れている | 約3,000〜5,000円 | 20〜60分 |
※抜歯料(処置部分)のみの目安です。初診料・検査料・薬代・再診料は別に加わります。医院や症例によって前後します。
費用の差は抜歯手術の区分から生まれる
保険診療の料金は、処置ごとに点数が決められています。親知らずの抜歯も例外ではなく、抜歯手術という項目のなかがさらに区分され、それぞれ違う点数が設定されています。
一つ目が普通抜歯です。歯の頭がしっかり口の中に出ていて、器具でつかんで抜ける状態を指します。上の親知らずでまっすぐ生えているものは、多くがこれにあたります。
二つ目が難抜歯です。頭は見えているものの、根の形が複雑だったり、骨とくっついていたりして、そのままでは抜けない場合です。歯ぐきを少し開いたり、歯を分割したりする作業が加わります。
三つ目が埋伏歯です。歯ぐきや骨のなかに埋まっている、あるいは横向きに倒れて隣の歯に頭がぶつかっている場合を指します。歯ぐきを開き、必要なら骨の一部を削り、歯を分割して取り出します。作業の工程が最も多く、点数も最も高くなります。
つまり、費用の差は医院が決めているものではなく、歯の状態に対して国が定めた区分の違いです。同じ横向きの親知らずであれば、名古屋市内のどの歯科医院で抜いても、抜歯料そのものは変わりません。横向きの歯がどう抜かれるのかという処置の中身は
横向き・埋まっている親知らず(埋伏智歯)の抜歯|難易度と流れで詳しく扱っています。
生え方別に見た自己負担の目安
抜歯料だけを取り出すと、次のようになります。
上の親知らずでまっすぐ生えている場合、3割負担で約1,000〜2,000円です。歯ぐきを開く必要がなく、縫合もしないことが多いため、通院は基本的に抜歯当日の1回で済みます。
下の親知らずで斜めに傾いている場合、難抜歯または埋伏歯の扱いになります。3割負担で約1,500〜4,000円が目安です。歯ぐきを開いて縫合するため、1週間後の抜糸で1回の通院が加わります。
下の親知らずが完全に横向きで、骨のなかに埋まっている場合は埋伏歯です。3割負担で約3,000〜5,000円が目安になります。処置時間も長く、術後の腫れも出やすいため、通院回数が増えることがあります。
まっすぐな歯と横向きの歯の差額は、抜歯料だけを比べると2,000〜4,000円程度です。上下でどう違うかは
上の親知らずと下の親知らずの違い|抜歯の難易度・腫れ・痛みにまとめています。
横向きの抜歯で上乗せされやすい費用
抜歯料の差だけを見ていると、実際の会計との間にずれが生まれます。横向きのケースでは、次の費用が加わりやすくなります。
最も大きいのがCT撮影です。下の親知らずの根の先には、下唇やあごの感覚を担う太い神経が走っています。横向きに埋まっている歯ほど、この神経と根が近い位置関係になりやすく、平面のレントゲンだけでは前後の重なりが判断できません。CTを撮ると3割負担で約1,000〜3,500円が加わります。検査費用の内訳は
親知らず抜歯前のCT・レントゲン費用|検査代の内訳と必要になるケースをご覧ください。なぜ神経の確認が必要になるのかは
親知らず抜歯と神経麻痺のリスク|下歯槽神経・CT検査の意味で解説しています。
次に、抜糸のための再診です。歯ぐきを開いた場合は縫合するため、1週間後の来院が必要になります。3割負担で1回あたり数百円です。
そして薬代です。横向きの抜歯では腫れが出やすいため、痛み止めと抗菌薬が処方されます。院外処方であれば処方せん料と薬局での支払いが加わり、合わせて数百円から1,000円弱です。詳しい内訳は
親知らず抜歯の薬代・再診料はいくら?抜歯当日以外にかかる費用にまとめました。
これらを合計すると、横向きの下の親知らず1本を抜き終えるまでの総額は、CTを撮る場合で3割負担でおおむね5,000〜10,000円の範囲に収まることが多くなります。まっすぐな上の歯であれば2,000〜3,500円程度です。
同じ横向きでも金額が違うのはなぜか
横向きと言われた人同士で金額が違うことがあります。理由は主に4つです。
一つ目は、埋まっている深さです。歯の頭が半分見えている状態と、骨のなかに完全に埋没している状態では、同じ「横向き」でも区分が変わることがあります。頭が見えていれば難抜歯、完全に埋まっていれば埋伏歯という判断になりやすくなります。
二つ目は、CTを撮ったかどうかです。約1,000〜3,500円の差が出ます。神経から十分離れていることがパノラマレントゲンで明らかなら、CTを省略することもあります。
三つ目は、抜歯の場所です。大学病院や口腔外科では、紹介状を持たずに受診すると選定療養費が保険外でかかります。歯科では数千円程度に設定されていることが一般的です。金額の考え方は
大学病院で親知らずを抜くと費用は高い?歯科医院との違いと紹介状の料金で扱っています。
四つ目は、麻酔の方法です。局所麻酔であれば保険の範囲ですが、点滴で行う静脈内鎮静法を選ぶと自費になることがあります。選択肢と金額は
静脈内鎮静法・全身麻酔で親知らずを抜く費用|保険が使える条件と
親知らず抜歯の麻酔|局所麻酔・静脈内鎮静法の違いと選び方をご覧ください。
費用を事前に確かめる手順
見通しを立てるには、抜く前の相談の場で4点を確認してください。
一つ目は、自分の親知らずが3区分のどれにあたるかです。レントゲンを見ながら「これは埋伏歯の扱いになりますか」と尋ねれば、明確な答えが返ってきます。
二つ目は、CTを撮る予定があるかどうかです。撮る場合、その日に撮るのか別日かで会計が分かれます。
三つ目は、縫合と抜糸があるかどうかです。あるなら通院が1回増えます。
四つ目は、その医院で抜けるのか、紹介になるのかです。紹介であれば、紹介状の作成料が3割負担でおおよそ750円前後かかり、紹介先の初診料も新たに発生します。
4本まとめて抜く計画がある方は、本数ごとの考え方を
親知らず4本を抜く費用はいくら?まとめて抜く場合と1本ずつの違いにまとめています。
高い見積もりを見たときの考え方
横向きの親知らずで数万円という案内を受けた場合、その内訳を確認してください。保険診療の範囲であれば、抜歯料が数万円になることはありません。金額が跳ね上がるのは、次のいずれかが含まれているときです。
静脈内鎮静法を自費で行う場合、3万円から10万円ほどが一般的な案内です。全身麻酔で入院する場合は、麻酔料と入院料、術前検査が加わって3割負担で数万円の範囲になり、こちらは保険診療のため高額療養費制度の対象になります。制度の使い方は
高額療養費制度は歯科治療に使える?対象と申請方法をご覧ください。
保険と自費の線引きが分かりにくいときは、
歯科の保険診療と自費診療の違いをわかりやすく解説もあわせてご覧ください。
当院では、横向きの親知らずについて、抜く前に必ずCT画像を患者さんと一緒に見るようにしています。神経との距離が数ミリ単位で分かるため、なぜこの歯の抜歯に時間がかかるのか、なぜ費用の区分が上がるのかが画像で伝わるからです。金額だけを先に聞くと高く感じますが、何にお金がかかっているのかが見えると、判断がしやすくなります。
なお、横向きの親知らずをそのままにしておくと、手前の歯との間に汚れがたまり、隣の歯が虫歯になることがあります。手前の歯を治療する費用のほうが、結果的に高くつく場合もあります。抜くかどうかの判断基準は
親知らずは抜くべき?抜かなくてよいケースの基準を参考にしてください。
難易度は画像のどこを見て決まるのか
「埋伏歯にあたります」と言われても、何を見てそう判断したのかが分からないと納得しにくいものです。歯科医師がレントゲンやCTで確認しているのは、主に4点です。
一つ目が、歯の傾きです。手前の歯に対して何度傾いているかで、取り出す方向が変わります。真横に近いほど、そのままでは出せません。
二つ目が、埋まっている深さです。歯の頭が歯ぐきから出ているか、歯ぐきに覆われているか、骨のなかに完全に入っているかで工程が変わります。骨に覆われていれば、その部分を削る作業が加わります。
三つ目が、根の形です。根が2本、3本に分かれていて、それぞれが違う方向へ曲がっている場合、まとめて引き抜くことができません。歯を分割して、根ごとに取り出します。
四つ目が、根の先と神経の距離です。ここが近いほど慎重な操作が必要になり、CTでの確認が前提になります。神経との関係は
親知らず抜歯と神経麻痺のリスク|下歯槽神経・CT検査の意味で扱っています。
この4点は、患者さんが画面を見ながら説明を受ければ理解できる内容です。区分に納得がいかない場合は、どこを見てそう判断したのかを尋ねてください。
通院回数と時間の負担も含めて考える
費用の話は金額だけで終わりがちですが、横向きの抜歯では時間の負担も生じます。
まっすぐな上の親知らずであれば、相談の日と抜歯の日の2回で終わることがあります。処置は5分から15分です。
横向きに埋まった下の親知らずでは、相談と検査の日、抜歯の日、抜糸の日で最低3回になります。処置時間は20分から60分、術後は2〜3日腫れます。予定の調整が必要になる点で、まっすぐな歯とは負担が違います。
このため、複数本を抜く場合は、まっすぐな歯と横向きの歯を分けて考えることになります。上のまっすぐな2本を先に済ませ、下の横向きを別日にするという組み方が一般的です。腫れの経過は
親知らず抜歯後の腫れはいつまで続く?ピークの時期と引かないときの受診目安を参考にしてください。
見積もりが医院で違うときに確認すること
同じ横向きの親知らずでも、複数の医院で相談すると金額の案内が違うことがあります。保険診療である以上、抜歯料そのものは変わらないはずですから、違いは別のところにあります。
まず、区分の判断が違う場合です。境界にある歯では、難抜歯と埋伏歯のどちらで見るかが分かれることがあります。この場合、金額の差は数千円です。
次に、CTを撮るかどうかの方針が違う場合です。撮る医院と撮らない医院では、約1,000〜3,500円の差が出ます。
そして、その医院で抜くのか、紹介するのかという方針の違いです。紹介になれば、紹介状の作成料と紹介先の初診料が加わります。ただし、難しい症例を無理に対応するより、設備の整った施設で受けるほうが安全な場合もあります。
金額だけで比べるのではなく、なぜその方針なのかを聞いてください。判断の根拠が説明されるなら、その内容を持って考えれば十分です。
抜く前に用意しておくとよいもの
抜歯の日を決めたら、前日までに次の準備をしておくと当日が楽になります。
保険証と医療費受給者証、診察券。抜歯の日に保険証を忘れると、いったん全額の支払いになります。
噛まずに食べられる食品。おかゆ、スープ、ヨーグルト、ゼリーなど、2〜3日分を買っておいてください。
そして、翌日の予定を軽くしておくことです。横向きの抜歯では腫れが出ます。通院1回ごとの支払いの目安は
親知らず抜歯の当日はいくら持っていけばよい?会計の内訳と支払い方法にまとめました。
よくある質問
横向きの親知らずの抜歯費用はいくらですか
抜歯料だけであれば3割負担で約3,000〜5,000円が目安です。ここに初診料、パノラマレントゲンで約1,000〜1,500円、必要に応じたCTで約1,000〜3,500円、薬代と抜糸の再診が加わります。CTを撮る場合、抜き終えるまでの総額はおおむね5,000〜10,000円の範囲に収まることが多くなります。
まっすぐな歯との差額はどのくらいですか
抜歯料だけを比べると2,000〜4,000円程度の差です。まっすぐな上の親知らずが約1,000〜2,000円、横向きに埋まった下の親知らずが約3,000〜5,000円という目安になります。ただし横向きではCTを撮ることが多く、抜糸の通院も加わるため、総額での差は5,000円前後に広がることがあります。
埋まっている親知らずでも保険は使えますか
使えます。横向きや埋伏の抜歯は保険の抜歯手術のなかに区分が設けられており、自費になるものではありません。自費になるのは、点滴で行う静脈内鎮静法を選んだ場合など、保険の範囲外の方法を追加したときです。抜歯そのものは保険で受けられます。検査のレントゲンやCT、抜歯後に処方される痛み止めと抗菌薬も同じく保険の範囲です。
なぜ横向きだとCTが必要になるのですか
下の親知らずの根の先には、下唇やあごの感覚を担う神経が走っているためです。横向きに埋まっているほど根と神経が近づきやすく、平面のレントゲンでは前後の重なりが判断できません。CTで立体的に位置を確認することで、抜き方の計画を立て、しびれが残る危険を減らせます。撮るかどうかは画像を見た時点で判断され、神経から十分離れていれば省くこともあります。
抜歯の区分は誰が決めるのですか
レントゲンやCTの画像をもとに、歯科医師が歯の位置と深さを見て判断します。国が定めた基準に沿った区分であり、医院が任意に決めているものではありません。自分がどの区分にあたるかは、相談の場でレントゲンを見ながら尋ねれば答えてもらえます。境界にあたる歯では医院によって判断が分かれることがあり、その場合の差は数千円です。
大学病院を紹介されると高くなりますか
抜歯料そのものは全国一律なので変わりません。差が出るのは、紹介状を持たずに受診したときにかかる選定療養費で、歯科では数千円程度に設定されていることが一般的です。紹介状の作成料は3割負担でおおよそ750円前後ですから、紹介状を用意したほうが結果的に安く済みます。
横向きの親知らずは抜かないとどうなりますか
手前の歯との間に汚れがたまりやすく、隣の歯が虫歯になることがあります。歯ぐきの腫れを繰り返す場合もあります。手前の歯を治療する費用のほうが高くつくこともあるため、症状がなくても一度レントゲンで位置を確認しておくことをおすすめします。手前の歯の治療費のほうが高くつくこともあるため、費用の面でも早めの確認に意味があります。
費用を抑える方法はありますか
保険の範囲で受けるかぎり、抜歯料に値引きはありません。抑えられるのは通院回数にかかる部分で、紹介状を用意して選定療養費を避ける、必要な検査を1日にまとめる、複数本を計画的に抜いて再診と処方の回数を減らすといった工夫が現実的です。医療費控除の対象にもなります。支払った分は医療費控除の対象になるため、領収書は薬局の分もあわせて保管してください。
まとめ
横向きや埋伏の親知らずの抜歯費用が高くなるのは、保険の抜歯手術が「普通抜歯」「難抜歯」「埋伏歯」の3区分に分かれているためです。抜歯料だけを比べると、まっすぐな上の親知らずが3割負担で約1,000〜2,000円、横向きに埋まった下の親知らずが約3,000〜5,000円で、差額は2,000〜4,000円程度になります。ここに費用が上乗せされる要因が3つあります。一つ目がCT撮影で、約1,000〜3,500円。下の親知らずの根の先には下唇やあごの感覚を担う神経が走っており、横向きに埋まっているほど根と神経が近づきやすいため、立体的な確認が必要になります。二つ目が抜糸のための再診で、歯ぐきを開いた場合は1週間後の来院が加わります。三つ目が薬代です。これらを合わせると、横向きの下の親知らず1本を抜き終えるまでの総額は、CTを撮る場合で3割負担でおおむね5,000〜10,000円の範囲に収まることが多くなります。同じ横向きでも金額が違うのは、埋まっている深さ、CTの有無、抜歯の場所、麻酔の方法の4点によります。数万円という案内を受けた場合は、静脈内鎮静法などの自費の方法が含まれていないかを確認してください。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海で抜歯を検討している方は、相談の場で自分がどの区分にあたるかをレントゲンを見ながら確認し、
親知らず抜歯の費用と保険適用の目安|難易度で変わる相場を解説とあわせて総額の見通しを立ててください。
参考・出典
- 厚生労働省「診療報酬の算定方法」(歯科点数表・抜歯手術の区分)
- 日本口腔外科学会「親知らず(智歯)」
- 日本歯科放射線学会「歯科用コーンビームCTの適正使用に関する指針」
- 厚生労働省「選定療養(紹介状なしで受診した場合等の定額負担)」