歯のクリーニング(PMTC)と歯石除去の効果

歯のクリーニング(PMTC)と歯石除去で落とすもの(歯面のバイオフィルム・歯石・歯ぐきの内側の沈着物)と、できること・期待しすぎないことをまとめた解説図

対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。

更新日:2026年5月27日監修:村井亮介(DDS, MSD(米国インディアナ大学大学院 補綴科修了)/日本補綴歯科学会 会員)

歯のクリーニング(PMTC)と歯石除去は、毎日の歯磨きでは届かない部分を受け持ちます。名古屋市の歯周疾患検診をきっかけに通い始める方も少なくありません。

「歯のクリーニングって、結局どんな効果があるの?」「歯石除去やPMTCは、歯磨きをきちんとしていれば受けなくてもいいのでは?」そんな疑問を持つ方は少なくありません。このページでは、歯科医院で受ける専門的な歯のクリーニング(PMTC)と歯石除去が、お口の中で実際に何をしているのか、どんな効果が科学的に確かめられていて、どこからは過大評価なのかまでを、国内外のガイドラインや系統的レビューをもとにわかりやすく解説します。クリーニングの効果は「誰が受けるか」によって意味が変わります。その違いも含めて整理していきます。なお、お口の状態や必要な処置には個人差があり、最終的な判断には歯科医院での診査が必要です。あくまで一般的な目安としてお読みください。
歯のクリーニング(PMTC)と歯石除去で落とすもの(歯面のバイオフィルム・歯石・歯ぐきの内側の沈着物)と、できること・期待しすぎないことをまとめた解説図

先に結論:歯のクリーニングで「できること」と「期待しすぎないこと」

歯のクリーニングや歯石除去の効果を正しく理解するうえで、先に要点をお伝えします。
  • 歯石や歯ぐきの内側(縁下)にたまった細菌のかたまりは、歯ブラシやフロスでは取り除けません。専門的な器具による機械的な除去が必要です
  • 歯周病がある人や治療した人にとって、定期的な専門的クリーニング(メンテナンス)は、歯を失うリスクを抑える強力な手段とされています
  • 一方で、歯周病のない健康な人が受ける「ルーチンの歯石取り・研磨」は、歯ぐきの炎症をほとんど減らさないという質の高い研究結果もあります。効果の意味は対象によって変わります
  • クリーニングは「漂白(ホワイトニング)」ではありません。着色(ステイン)を落として本来の歯の色に戻す処置で、薬剤で歯を白くする処置とは目的が異なります
つまり、歯のクリーニングは「万人に同じだけの予防効果がある魔法の処置」ではなく、お口の状態に応じて価値が大きく変わる処置です。臨床の現場では、その人のリスク(歯周病の有無や進行度、むし歯のなりやすさなど)を見極めたうえで、必要な内容と間隔を考えることが重視されます。

歯のクリーニング(PMTC)・歯石除去とは何か

まず、よく似た言葉を整理しておきます。日常では「歯のクリーニング」とひとくくりに呼ばれますが、内容にはいくつかの種類があります。 PMTC(ピーエムティーシー)は、Professional Mechanical Tooth Cleaning(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)の略で、歯科医師や歯科衛生士が、ホームケアでは届きにくいすべての歯の面の歯垢(プラーク)や歯石を、専用の器具とフッ化物(フッ素)配合の研磨ペーストを使って除去・研磨する専門的な清掃を指します。本来は歯ぐきの中(縁下)3mm程度までを含む処置とされています(出典:厚生労働省 e-ヘルスネット)。 歯石除去(スケーリング)は、スケーラーという器具で、石灰化して硬くなった歯石や沈着物を取り除く処置です。歯周病の検査・治療の一環として行われることが多く、PMTCと重なる部分もあります。 このほか、海外のガイドラインではPMPR(Professional Mechanical Plaque Removal=専門的機械的プラーク除去)という用語も使われます。 ここで大切なのは、これらの専門的な清掃と、毎日のセルフケア(歯磨き・フロス)は「どちらかでよい」という代替の関係ではなく、役割を分担する両輪だということです。セルフケアは日々のプラークコントロール、プロのケアは取り残しや歯ぐきの中、歯石、着色の専門的な除去を担います。臨床の現場でも、一方だけでお口の健康を保つのは難しいと考えられています。

なぜ歯磨きでは取れないのか(メカニズム)

歯科衛生士が患者に対し専門的な器具で歯のクリーニング・歯石除去を行う様子の図
「毎日ていねいに磨いているのに、なぜクリーニングが必要なの?」という疑問は当然です。理由は、歯垢が歯石へと変化していく仕組みと、歯ぐきの構造にあります。 歯の表面につく歯垢(プラーク)は、食べかすではなく細菌のかたまりです。歯に付着すると、おおよそ2〜3日でバイオフィルムと呼ばれる膜状の構造に成長するとされています(出典:厚生労働省 e-ヘルスネット)。バイオフィルムは、台所の排水口の「ぬめり」をイメージするとわかりやすく、細菌が膜で覆われた状態です。この膜があるため、うがい薬や抗菌薬などの薬液が内部まで浸透しにくく、薬で流すよりも、器具で物理的に壊して取り除くほうが効果的とされています。 このバイオフィルムが、唾液や歯ぐきからしみ出る液に含まれるカルシウムなどで石灰化すると、歯石になります。歯石の表面はざらざらしているため、そこにさらにプラークが付きやすくなり、汚れがたまる悪循環が生まれます。 歯石には、歯ぐきより上に見える縁上歯石(白〜黄色っぽい)と、歯ぐきの内側のポケットの中につく縁下歯石(黒っぽく硬い)があります。とくに縁下歯石は歯周組織の破壊に直結しやすいとされ、注意が必要です。 歯磨きで歯石が取れないのは、歯ブラシの毛先では石灰化した硬い歯石を削り取れず、歯ぐきの中(ポケットの中)にも毛先が物理的に届かないためです。だからこそ、専門的な器具による機械的な除去が必要になります。

歯のクリーニング・歯石除去で実際に得られる効果

歯のクリーニング後に手鏡で歯を確認し満足する患者と説明する歯科スタッフの図
ここが本題です。歯のクリーニングや歯石除去には、どんな効果が科学的に確かめられているのでしょうか。重要なのは「誰が受けるか」で効果の意味が変わる点です。

歯周病がある人・治療した人へのメンテナンス効果

歯周病になったことがある人にとって、定期的な専門的クリーニング(メンテナンス、専門的には支持療法やSPTと呼ばれます)は、歯を残すうえで大きな価値があるとされています。リスクに応じて個別化したメンテナンスを長期間続けた古典的な長期研究では、約30年にわたる追跡で、歯の喪失・歯周病の進行・むし歯が非常に低く抑えられたと報告されています(出典:Axelsson & Lindheらの長期メンテナンス研究、Journal of Clinical Periodontology。具体的な数値は監修者確認)。歯周病の治療を受けた人では、メンテナンスをきちんと続けることが、再発を抑え歯を保つことにつながるとされています。

歯周病のない健康な人への「ルーチンの歯石取り・研磨」の効果

一方で、これは意外に思われるかもしれませんが、重度の歯周病がない健康な成人を対象に、定期的な「スケール&ポリッシュ(歯石取り+研磨)」を行っても、歯ぐきの炎症(歯肉炎)や歯周病はほとんど、あるいはまったく減らさないという質の高い研究結果があります。約1,700名を含む系統的レビューでは、この点が「高い確実性」で示されています(出典:Cochrane系統的レビュー、Lamont T ら 2018年、CD004625)。同じ研究では、6か月ごとのクリーニングは12か月ごとより歯石の量を多く減らすものの、その差が臨床的にどれだけ重要かは不確実とされ、患者さんは「きれいになった感覚」を報告したと示されています(この満足感の評価は確実性が低いとされています)。 この二つの結果は矛盾しているわけではありません。歯周病がある(あった)人ではメンテナンスの価値は揺るがず、議論があるのは主に健康・低リスクの人に対する「一律で頻回な」クリーニングの費用対効果という点です。臨床の現場では、健康な人には歯石・着色の除去とセルフケアの動機づけという価値を、歯周病リスクのある人には再発を防ぐメンテナンスという価値を、目的を分けて考えます。

着色(ステイン)除去と、ホワイトニングとの違い

歯のクリーニングには、コーヒーやお茶、タバコなどによる着色(ステイン)を落とし、本来の歯の色に戻す効果も期待できます。ただし、これは薬剤で歯そのものを白くするホワイトニング(漂白)とは目的も原理も異なります。クリーニングはあくまで表面の汚れや着色を取り除く処置であり、もともとの歯の色より白くするものではありません。この点を取り違えると「クリーニングしたのに思ったほど白くならない」という誤解につながります。

クリーニングの方法・器具の比較

歯科衛生士が超音波スケーラーや手用スケーラーなど複数の器具を使い分けてクリーニングする様子の図
歯のクリーニングや歯石除去では、状態に応じて複数の器具を使い分けます。それぞれの特徴と注意点を整理します(適応や効果には個人差があり、組み合わせて使うのが一般的です)。
  • 超音波スケーラー:細かな振動と注水で歯石を効率よく砕いて除去します。広い範囲や歯ぐきより上の歯石に高効率です。注意点として、ペースメーカーなどを使用している方への配慮、細かな水しぶき(エアロゾル)、知覚過敏が一時的に強まることがあります
  • ハンドスケーラー(手用キュレットなど):手の感触を頼りに、歯ぐきの内側や根の表面を繊細に処置します。仕上げや部位を限定した処置に向きます。注意点は、術者の技術に左右されやすく、時間がかかることです
  • エアフロー(パウダー噴射):細かなパウダーと水・空気を吹きつけ、バイオフィルムや着色を低い侵襲で除去します。グリシンやエリスリトールといった粒の細かい低研磨のパウダーは、歯ぐきの中への応用も研究されています。従来の研磨より歯面にやさしいとされます
  • ラバーカップと研磨ペースト:仕上げの研磨や着色の除去に使います。フッ化物配合のペーストは、むし歯や根面のむし歯の予防に役立つとされます。注意点として、過度な研磨は歯の表面をすり減らすおそれがあります
歯ぐきの中に使うエアポリッシング(エアフロー)については、近年研究が進んでいます。非外科的な歯周治療の補助として用いた比較試験をまとめたメタアナリシス(9件・462名、2025年)では、エリスリトール・グリシン・トレハロースといったパウダーの間で、歯周ポケットの深さや出血などの改善に有意な差はなく、重大な有害事象もなかったと報告されています(出典:縁下エアポリッシングに関する系統的レビュー・メタアナリシス、Frontiers in Physiology 2025)。低侵襲で快適性が高い一方、歯ぐきの中の用途で従来器具に対する明確な優越性までは示されておらず、補助的な手段とするのが妥当とされています。

最近の知見と今後の論点

近年の大きな流れは、「全員に一律・頻回」から「リスクに応じて個別に最適化する」方向への転換です。 歯周病治療後のメンテナンスでは、ヨーロッパ歯周病連盟(EFP)のS3レベル臨床ガイドライン(2020年、2024年更新)で、超音波器具と手用器具を併用しても、あるいはレーザーを用いても、骨や歯ぐきの付着の喪失を防ぐ効果は同等に有効とされ、器具の選択肢が広がりつつあります。 受診の間隔についても、英国のNICEガイドラインなどでは、全員一律ではなく、リスクに応じておよそ3〜24か月の範囲で個別に決める「リスクベース」の考え方が定着してきています。健康で低リスクの人に頻回な受診がどれだけ追加の利益をもたらすかは、6か月ごとと24か月ごとを比較した臨床試験などをふまえ、議論が続いています。 一方で、合意が得られている点もはっきりしています。歯周病になったことがある人ではメンテナンスの価値は揺るがない、というのが大きなコンセンサスです。論争は主に健康・低リスクの人に限られます。確立した内容(縁下の歯石やバイオフィルムは専門的に除去するしかない、歯周病既往者のメンテナンスは有効、など)と、これから定まっていく論点(健康な人へのルーチンクリーニングの最適な間隔や費用対効果など)を分けて理解しておくとよいでしょう。 予防全体の考え方や検診の頻度をもっと知りたい方は、予防歯科と定期検診|頻度とクリーニングの効果 もあわせてご覧ください。

日本の保険診療と自費の違い・費用の目安

日本では、歯のクリーニングや歯石除去が保険で受けられるかどうかは、「病気の治療の一環かどうか」で分かれます。 歯周病などと診断された場合に行うスケーリング(歯石除去)、SRP(歯ぐきの内側の歯石除去と根面の処置)、SPT(歯周病安定期治療)、歯周病重症化予防治療などは、保険が適用されます。これらは病気を治す・進行を防ぐための処置という位置づけです。 一方、むし歯や歯周病のない健康な人が、予防や審美(見た目)を目的に受ける純粋なPMTCは、原則として自費(自由診療)になります。この場合は費用が自己負担となり、医院や内容によって料金が異なります。自費のPMTCの相場はおおむね5,000〜15,000円程度とされますが、これは目安であり、地域や医院、処置内容によって変わります(具体的な金額・保険点数は監修者確認)。自由診療を選ぶ場合は、費用と主なリスク(処置による知覚過敏の一時的な悪化など)の説明を受けたうえで判断することが大切です。 通院の頻度は、一般的に3〜6か月ごとと案内されることが多いものの、国際的にはリスクに応じて個別に決めることが推奨されています。保険か自費か、どのくらいの間隔で受けるかは、お口の状態によって変わるため、診査診断にもとづいて相談することをおすすめします。

クリーニングを受けるときに知っておきたいこと

クリーニングを効果的にし、誤解を避けるために、知っておくとよいことを整理します。
  • クリーニングは毎日のセルフケアの「代わり」ではなく「補完」です。プロのケアと家でのケアの両輪で予防効果が高まると考えられています
  • 歯石は一度取っても、プラークが再び石灰化すれば付き直します。定期的なケアと日々のセルフケアの両方が大切です
  • クリーニング後に一時的にしみる(知覚過敏)ことがありますが、多くは数日で落ち着くとされています
一方で、避けたい考え方もあります。
  • 「クリーニングを受けていれば歯磨きは適当でよい」と考えること。日々のセルフケアがおろそかになると、専門的清掃の効果も十分に活きません
  • 「歯石取りだけで歯周病が治りきる」と考えること。進行した歯周病には、検査にもとづく段階的な治療が必要です
  • 症状がないからと、リスクがあるのに長期間ケアを中断してしまうこと
正しい歯磨きやセルフケアグッズの選び方については、別ページで詳しく扱っています。クリーニングの効果を最大限に活かすためにも、日々のケアとあわせて考えてみてください。

クリーニングを受けないでそのままにするとどうなる?

歯石やバイオフィルムを専門的に除去せず放置すると、歯石の表面にさらにプラークがたまり、歯ぐきの炎症が進みやすくなります。とくに歯ぐきの内側の縁下歯石は、歯を支える組織の破壊に直結しやすいとされ、進行すると歯周病として歯を失う原因になり得ます。 また、着色が蓄積して見た目が気になったり、口臭の一因になったりすることもあります。リスクが高い人ほど、専門的なケアを受けない期間が長いと気づかないうちに状態が進むおそれがあります。痛みなどの自覚症状が出てから対応するより、リスクに応じて定期的にチェックとケアを受けるほうが、結果的に歯を長く残せる可能性が高いと考えられています。

どんなときに、どこで受ければよいか

歯のクリーニングや歯石除去は、歯科医院(一般歯科)で受けられます。次のような場合は、一度歯科で相談することをおすすめします。
  • 歯石が付いている自覚がある、歯ぐきから出血しやすい、歯ぐきが腫れぼったい
  • コーヒー・お茶・タバコなどによる着色が気になる
  • 過去に歯周病の治療を受け、その後のメンテナンスが途切れている
  • むし歯や歯周病になりやすく、予防的にケアを続けたい
歯ぐきからの出血や腫れがある場合は、歯周病が背景にあることもあり、クリーニングだけでなく検査を含めた診査が必要になることがあります。どの処置が必要か、保険で受けられるか自費になるかは、お口の状態によって変わります。自己判断で「クリーニングだけでよい」と決めず、現在の状態を歯科で確認してもらうとよいでしょう。

よくある質問

Q

歯のクリーニングはどのくらいの頻度で受ければよいですか

A

一般的には3〜6か月ごとと案内されることが多いですが、国際的にはリスクに応じておよそ3〜24か月の範囲で個別に決めることが推奨されています。歯周病のリスクが高い人ほど短い間隔、低い人は長めの間隔が検討されます。適切な間隔は診査診断によります。

Q

歯磨きをしっかりすれば、歯石除去は受けなくてよいですか

A

歯磨きでは石灰化した歯石は取り除けず、歯ぐきの中(ポケット内)にも毛先が届きません。歯石や縁下のバイオフィルムは専門的な器具による機械的な除去が必要とされています。セルフケアとプロのケアは役割が異なり、両方が大切です。

Q

PMTCと歯石除去、ホワイトニングは何が違いますか

A

PMTCは専用器具と研磨ペーストで全歯面を専門的に清掃する処置、歯石除去(スケーリング)は歯石を取り除く処置です。どちらも着色を落とすことはできますが、本来の歯の色に戻すものです。ホワイトニングは薬剤で歯そのものを白くする漂白で、目的も原理も異なります。

Q

健康な人がクリーニングを受けても意味はありますか

A

質の高い研究では、歯周病のない健康な成人への定期的な歯石取り・研磨は、歯肉炎をほとんど減らさないとされています。ただし歯石や着色の除去、セルフケアの動機づけという価値はあります。一律に頻回である必要があるかは議論があり、リスクに応じた間隔が推奨されます。

Q

クリーニングは痛いですか。しみることはありますか

A

多くは強い痛みを伴いませんが、歯ぐきの炎症が強い場合や歯石が多い場合は、処置中や処置後に一時的にしみる(知覚過敏)ことがあります。多くは数日で落ち着くとされています。気になる場合は歯科で相談してください。

Q

エアフロー(パウダーで落とす方法)は従来の歯石取りより優れていますか

A

低侵襲で快適性が高い方法とされますが、歯ぐきの中の用途で従来器具に対する明確な優越性は示されていません。複数の比較試験をまとめた解析でも、パウダーの種類による改善効果に有意な差はなかったと報告されています。補助的な手段として位置づけるのが妥当とされています。

Q

歯石を取ると歯と歯のすき間が広がった気がするのはなぜですか

A

歯石が歯ぐきを圧迫していた場合、歯石を除去すると炎症が引いて歯ぐきが引き締まり、もともとあったすき間が見えるようになることがあります。歯が削れたわけではなく、歯ぐきの状態が変化したためと考えられます。気になる場合は歯科で確認してもらうとよいでしょう。

まとめ

歯のクリーニング(PMTC)や歯石除去は、歯ブラシやフロスでは取り除けない歯石や歯ぐきの中のバイオフィルムを、専門的な器具で機械的に除去する処置です。歯周病になったことがある人にとっては、定期的なメンテナンスが歯を残すうえで大きな価値を持つ一方、歯周病のない健康な人へのルーチンの歯石取り・研磨は歯肉炎をほとんど減らさないという研究もあり、効果の意味は「誰が受けるか」によって変わります。また、クリーニングはホワイトニング(漂白)ではなく、本来の歯の色に戻す処置です。近年は「全員一律・頻回」から「リスクに応じた個別最適化」へと考え方が移っています。日本では治療目的なら保険、純粋な予防目的なら原則自費と分かれます。ご自身に必要な内容と間隔は、お口の状態によって変わるため、歯科で診査を受けたうえで相談することをおすすめします。 このテーマをさらに詳しく知りたい方は、歯石取りは痛い?頻度・費用・自分で取ってはいけない理由バイオフィルム歯の黄ばみ・着色の原因と自分でできる対策歯が黄ばむ原因と対策で詳しく解説しています。 保険で受けられる条件と自費との違いは歯のクリーニングは保険でできる?適用される条件と自費との違い、通う間隔の決め方は歯のクリーニングの頻度はどれくらい?にまとめました。症状がないときに受診してよいか迷う方はクリーニングだけで歯医者に行ってもいい?、処置の後にしみる・血が出る場合は歯石取りの後にしみる・血が出るのはなぜ?をご覧ください。 取らずに放置した場合に口臭・歯ぐきの腫れから骨の吸収へ進む流れは歯石を放置するとどうなるにまとめました。パウダーを吹き付けて着色やバイオフィルムを落とす方法の内容・費用・受けられない条件はエアフロー(パウダークリーニング)とはで扱っています。

参考・出典

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「PMTC(歯面清掃)」「バイオフィルム」「プラーク/歯垢」
  • Cochrane系統的レビュー:Lamont T, et al. “Routine scale and polish for periodontal health in adults.” Cochrane Database of Systematic Reviews. 2018(CD004625)
  • Axelsson & Lindhe らの長期メンテナンス研究(Journal of Clinical Periodontology。具体的数値は監修者が確認・更新)
  • ヨーロッパ歯周病連盟(EFP)S3レベル臨床ガイドライン(Stage I–III periodontitis、2020/2024更新。支持療法・PMPR)
  • 縁下エアポリッシング(エリスリトール/グリシン/トレハロース)に関する系統的レビュー・メタアナリシス(9 RCT・462名、Frontiers in Physiology 2025)
  • NICE ガイドライン「Dental checks: intervals between oral health reviews」(リスクベース、3〜24か月)
  • 歯周病安定期治療(SPT)の有効性に関する系統的レビュー
(注:本文の数値は範囲・追跡期間つきの一般的な目安です。自費の費用相場・保険点数・長期研究の具体的な喪失歯数など「監修者確認」とした数値は、最新版ガイドライン・原著にもとづき監修者が確認・更新します。)

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監修:村井 亮介(DDS, MSD/米国インディアナ大学大学院 補綴科修了)
Indiana University 大学院 補綴科修了/ACP・ITI・AO・日本補綴歯科学会 会員。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)を拠点に、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ向けて情報を発信しています。理念は「10年後も削り直さない治療」。

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