対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。
入れ歯の金属と金属アレルギーについて、名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)で部分入れ歯や総入れ歯を使っている方から、「バネが当たる歯ぐきがただれる」「入れ歯を入れてから口の中が荒れる」「金属アレルギーがあるが入れ歯は作れるのか」といった相談を受けることがあります。入れ歯には歯にかけるバネ(クラスプ)や、上あごを覆う金属のプレート(金属床)に、被せ物とは種類の異なる合金が使われています。このページでは、入れ歯に使われる金属の種類とアレルギーとの関係、入れ歯が原因の症状と、単なる入れ歯の当たりとの見分け方、金属を使わないノンクラスプデンチャーやチタン床という選択肢、保険と自費の扱い、そしてすでに使っている入れ歯で症状が出たときの対応を順に整理します。
歯科金属アレルギーの症状と検査の全体像は歯科金属アレルギーの症状と検査|銀歯が原因かもしれない不調にまとめています。
先に押さえておきたい6つのこと
- 保険の部分入れ歯のバネはコバルトクロム合金が主流で、ニッケルを含む製品もある。被せ物の金銀パラジウム合金とは別の金属に反応する可能性がある
- 入れ歯が原因の症状は、バネが触れる歯ぐきや、金属床が当たる上あごの粘膜の赤み・ただれ・ヒリヒリ感として出やすい
- 入れ歯の「当たり」による傷と、アレルギーによる粘膜炎は経過が違う。調整で治るなら当たり、金属に触れる範囲全体が赤いならアレルギーを疑う
- 金属アレルギーと診断されると、保険でバネを金属以外にした部分入れ歯や、条件によっては金属床を避ける設計が選べる場合がある
- 自費ではバネのないノンクラスプデンチャーや、アレルギーの報告が少ないチタン床が選択肢になる
- 入れ歯の樹脂(レジン)そのものに反応する例もあり、金属を外しても症状が続くときは材料全体を見直す
入れ歯に使われる金属の種類
部分入れ歯は、人工の歯と歯ぐき色の樹脂(レジン)でできた本体を、残っている歯に金属のバネで固定する構造が基本です。このバネと、バネから本体へつながる金属の骨組みには、コバルトクロム合金が最も広く使われています。コバルトクロム合金は硬くて薄く作れる利点があり、保険でも自費でも用いられます。製品によってはニッケルを含むものがあり、また金銀パラジウム合金や、ごく一部で純度の高い金合金のバネを使うこともあります。 総入れ歯や大きな部分入れ歯では、上あごを覆う部分を樹脂ではなく金属のプレートにした「金属床」という設計があります。金属床の材料はコバルトクロム合金、チタン、金合金などで、薄く作れるため装着感がよく、熱が伝わりやすいのが特徴です。金属床の全体像や費用は金属床義歯とは|レジン床との違い・費用・向いている人で解説しています。 ここで押さえておきたいのは、入れ歯の金属と被せ物の金属では、主に使われる合金が異なるという点です。保険の銀歯に使われる金銀パラジウム合金の成分は銀歯は何でできている?金銀パラジウム合金の成分・保険で使われる理由・体への影響と気になるときの選択肢で詳しく解説していますが、入れ歯のバネに多いコバルトクロム合金は、名前のとおりコバルトとクロムを主成分とし、アクセサリーのかぶれで陽性になりやすい金属を含みます。「銀歯は問題なかったのに入れ歯で症状が出た」という例が起こりうるのは、この違いが理由です。| 入れ歯の部位 | 主な材料 | アレルギーとの関係 |
|---|---|---|
| バネ(クラスプ) | コバルトクロム合金、金銀パラジウム合金、ステンレス鋼線 | コバルト・クロム・ニッケルに反応する人は注意。歯ぐきに直接触れる |
| 金属の骨組み | コバルトクロム合金 | バネと同じ合金。粘膜に触れる面積が大きい |
| 金属床 | コバルトクロム合金、チタン、金合金 | 上あご全体に触れる。チタンは反応の報告が少ない |
| 本体・人工歯 | アクリル系レジン | 金属ではないが、レジンの残留成分に反応する例がまれにある |
| ノンクラスプデンチャー | ポリアミド系などの熱可塑性樹脂 | バネが樹脂のため金属を減らせる。設計によっては金属の補強を入れる |
入れ歯が原因の症状はどのように出るか

入れ歯の「当たり」との見分け方
入れ歯による粘膜の赤みやただれの多くは、アレルギーではなく入れ歯が物理的に当たって起こる傷です。特に新しく作った入れ歯や、歯ぐきがやせて合わなくなった入れ歯では、特定の場所に強く当たって痛みや傷ができます。この場合、傷は入れ歯の縁や特定のバネの位置に一致した限られた範囲に出て、歯科で当たる部分を削って調整すると数日で治ります。 一方、アレルギーによる粘膜炎は、金属が触れている範囲全体に広がる赤みとして出ることが多く、当たりの調整をしても改善しません。入れ歯を数日外していると軽くなり、入れ直すと再び悪化するという経過も特徴です。ただし、入れ歯の下の粘膜が全体に赤くなる原因には、入れ歯の清掃不足によるカビ(カンジダ)の繁殖や、入れ歯を外さずに寝ることで粘膜が休まらない状態もあり、これらは金属アレルギーと見た目が似ています。まず入れ歯の清掃と夜間の取り外しを徹底し、それでも改善しない場合にアレルギーを疑うという順序が現実的です。入れ歯が合わないと感じるときの原因の整理は入れ歯が合わない・痛い|原因と調整・我慢しないための知識も参考になります。金属アレルギーと診断されたあとの入れ歯の選び方
皮膚科のパッチテストでコバルト、クロム、ニッケルなどに陽性が出た場合、その金属を含まない材料で入れ歯を設計します。パッチテストの受け方や判定の流れは歯科金属アレルギーのパッチテスト|受け方・判定までの日数・費用と、陽性が出たあとに歯科で行うことを参照してください。診断がついていることは、保険の適用範囲にも関わります。 保険の範囲では、金属アレルギーの診断書がある場合に、バネや骨組みを金属以外の材料で作る部分入れ歯が認められる仕組みがあります。具体的にどの設計が保険で選べるかは診療報酬の規定に基づき、時期によって改定されるため、担当医に最新の条件を確認してください。保険で対応できる範囲の全体像は金属アレルギーと診断されたら保険でどこまでメタルフリーにできる?対象になる被せ物・詰め物・入れ歯と必要な書類・費用の目安にまとめています。 自費では、バネを歯ぐき色の弾力のある樹脂で作るノンクラスプデンチャーが代表的な選択肢です。バネが見えないため見た目の利点で選ばれることが多い入れ歯ですが、金属を減らせる点で金属アレルギーの方にも向いています。ただし、設計によっては強度を出すために内部に金属の補強を入れることがあるため、「金属をまったく使わない設計にできるか」を事前に確認する必要があります。ノンクラスプデンチャーの利点と欠点はノンクラスプデンチャーとは|バネの見えない部分入れ歯の利点と欠点で詳しく解説しています。 総入れ歯や大きな入れ歯で金属床を希望する場合は、チタン床が選択肢になります。チタンは生体との相性がよいとされ、アレルギーの報告が非常に少ない金属で、軽くて薄く作れる利点もあります。費用はコバルトクロム床より高くなる傾向があり、自費で数十万円の幅があります。総入れ歯の種類と費用の全体像は総入れ歯の種類と費用|よく噛める入れ歯の条件、部分入れ歯の選択肢は部分入れ歯の種類と費用|バネが見えない選択肢までで整理しています。 一次情報として、当院で金属アレルギーのある方の入れ歯を設計するときの考え方を書いておきます。まず陽性金属を確認し、それを含まない材料で作れる設計を保険・自費の両方で提示します。バネのない設計は見た目の利点も大きい一方、残っている歯の本数や位置によっては固定力が不足することがあるため、アレルギー対応と機能の両方を満たす設計を、模型上で検討してから提案するようにしています。金属を減らすことだけを優先して、噛めない入れ歯になっては意味がないためです。金属を外しても症状が続くとき

被せ物と入れ歯の両方に金属がある場合の考え方
部分入れ歯を使っている方の多くは、残っている歯にも銀歯や金属の土台が入っています。症状が出たときに「入れ歯の金属」と「被せ物の金属」のどちらが原因かは、パッチテストの陽性金属と、口の中のそれぞれの金属の成分を照合して判断します。コバルトやクロムに陽性なら入れ歯のバネや骨組みが、パラジウムや銅に陽性なら被せ物が疑わしいという具合に、金属の種類で切り分けられることが多いためです。両方に陽性が出た場合は、粘膜に触れる面積が大きく、取り外して試せる入れ歯から先に作り替え、症状の変化を見ながら被せ物の交換を検討する順序が一般的です。入れ歯は外して様子を見られる分、原因の切り分けがしやすいという利点があります。今使っている入れ歯で症状が出たときの対応
現在使っている入れ歯で歯ぐきや上あごの粘膜に赤みやただれが出た場合、まず歯科で入れ歯の当たりと清掃状態を確認してもらいます。当たりの調整と清掃指導で改善すれば、アレルギーの可能性は低くなります。改善しない、金属が触れる範囲全体が赤い、皮膚にも症状が出ているといった場合は、皮膚科でのパッチテストを検討します。歯科から皮膚科へ、入れ歯に使われている金属の種類を記した紹介状を出してもらうと、検査する金属を絞り込めます。 陽性が出た場合、入れ歯を作り替えるまでの間の対応として、入れ歯を使う時間を短くする、夜間は必ず外す、粘膜の炎症を抑える塗り薬を使うといった方法があります。作り替えは保険・自費のどちらで行うかによって費用が変わるため、診断書を用意したうえで担当医と相談してください。名古屋・愛知での相談の流れ
名古屋市内で入れ歯の金属アレルギーを相談する場合も、流れは全国と同じです。通っている歯科医院で入れ歯の当たりと清掃状態を確認したうえで、必要なら皮膚科への紹介を受けます。名古屋市内にはパッチテストに対応する皮膚科が各区にあり、愛知県内の大学病院には補綴科(入れ歯や被せ物を専門に扱う診療科)と皮膚科が連携する体制もあります。入れ歯は毎日使うものなので、症状を我慢して使い続けるより、早めに原因を切り分けて設計を見直すほうが、結果的に負担が少なくなります。よくある質問
入れ歯のバネで金属アレルギーになることはありますか
あります。保険の部分入れ歯のバネや骨組みに使われるコバルトクロム合金は、コバルトとクロムを主成分とし、製品によってはニッケルを含みます。これらはアクセサリーのかぶれで陽性になりやすい金属で、感作されている方ではバネが触れる歯ぐきの赤みやただれとして症状が出ることがあります。被せ物の金銀パラジウム合金とは別の合金なので、銀歯で問題がなくても入れ歯で反応する場合があります。入れ歯で歯ぐきが赤いのは金属アレルギーですか
多くは入れ歯の当たりや清掃不足による炎症です。当たりによる傷は入れ歯の縁やバネの位置に一致した限られた範囲に出て、調整すると数日で治ります。アレルギーによる炎症は金属が触れる範囲全体に広がり、調整しても改善せず、入れ歯を外していると軽くなる傾向があります。清掃不足によるカンジダも似た見た目になるため、まず清掃と夜間の取り外しを徹底してから判断します。金属アレルギーでも保険で入れ歯は作れますか
作れます。金属アレルギーの診断書がある場合、バネや骨組みを金属以外の材料で作る部分入れ歯が保険で認められる仕組みがあります。適用される設計や条件は診療報酬の規定に基づき改定されることがあるため、担当医に最新の条件を確認してください。診断書がない段階では通常の金属のバネの入れ歯になるため、先に皮膚科でパッチテストを受けて陽性金属を確認する順序が一般的です。ノンクラスプデンチャーなら金属を使いませんか
バネを樹脂で作るため、金属を大きく減らせます。ただし設計によっては強度を出すために内部に金属の補強を入れることがあり、金属をまったく使わない設計にできるかは残っている歯の本数や位置によります。金属アレルギーを理由に選ぶ場合は「補強金属を入れない設計にできるか」を事前に確認してください。ノンクラスプデンチャーは自費で、費用は医院や範囲によって幅があります。チタン床の入れ歯は金属アレルギーでも大丈夫ですか
チタンは生体との相性がよいとされ、アレルギーの報告が非常に少ない金属です。総入れ歯や大きな部分入れ歯で薄く軽い金属床を希望する方には、コバルトクロム床の代わりにチタン床が選択肢になります。ただし、まれにチタンに反応する方の報告もあるため、パッチテストでチタンを含めて調べておくとより安心です。費用はコバルトクロム床より高くなる傾向があり、自費で数十万円の幅があります。入れ歯の金属を外しても症状が治りません。なぜですか
入れ歯の本体に使われるアクリル系レジンに反応している可能性があります。レジンは固まりきらなかった成分がごく微量残ることがあり、粘膜を刺激したりまれにアレルギーの原因になったりします。十分に硬化処理をした入れ歯や種類の異なる樹脂への作り替えが検討されます。また、口の中に他の銀歯や金属の土台がある場合はそちらが原因のこともあり、清掃不足やカンジダの可能性も含めて全体を見直す必要があります。入れ歯を作る前に金属アレルギーの検査を受けたほうがよいですか
アクセサリーでかぶれた経験があり、これから金属のバネや金属床の入れ歯を作る場合は、事前に受けておく意味があります。入れ歯は毎日長時間粘膜に触れ、作り替えには費用と期間がかかるためです。皮膚科でのパッチテストは判定まで3〜4回の通院が必要ですが、陽性金属がわかっていれば最初からそれを含まない設計にでき、保険の適用範囲を判断する材料にもなります。名古屋で入れ歯の金属アレルギーはどこに相談すればよいですか
まず通っている歯科医院で入れ歯の当たりと清掃状態を確認してもらい、アレルギーが疑われる場合に皮膚科への紹介を受ける流れが一般的です。名古屋市内にはパッチテストに対応する皮膚科が各区にあり、愛知県内の大学病院には入れ歯を専門に扱う補綴科と皮膚科が連携する体制もあります。歯科から皮膚科へ、入れ歯の金属の種類を記した紹介状を出してもらうと検査がスムーズです。まとめ
入れ歯のバネや骨組みに使われるコバルトクロム合金は、被せ物の金銀パラジウム合金とは異なり、コバルト・クロム・製品によってはニッケルを含むため、銀歯で問題がなかった方でも入れ歯で反応することがあります。症状は金属が触れる歯ぐきや上あごの粘膜の赤み・ただれとして出やすく、入れ歯の当たりや清掃不足による炎症と見分けるには、調整や清掃で改善するか、金属が触れる範囲全体に広がっているかを見ます。診断がつけば、保険で金属以外のバネを使う部分入れ歯が選べる場合があり、自費ではノンクラスプデンチャーやチタン床が選択肢になります。金属を外しても症状が続くときは、入れ歯のレジンや口の中の他の金属、清掃状態まで含めて全体を見直します。歯科金属アレルギー全般の症状と検査は歯科金属アレルギーの症状と検査|銀歯が原因かもしれない不調、入れ歯の種類ごとの違いは保険の入れ歯と自費の入れ歯の違い|後悔しない選び方で整理しています。参考・出典
- 日本補綴歯科学会「金属アレルギー患者への補綴歯科治療に関する指針」 https://www.hotetsu.com/
- 日本補綴歯科学会「有床義歯の設計と材料に関する一般向け解説」 https://www.hotetsu.com/
- 日本皮膚科学会「接触皮膚炎診療ガイドライン」 https://www.dermatol.or.jp/
- 日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会「金属アレルギーに関する解説」 https://www.jsdacd.org/
- 厚生労働省「歯科診療報酬点数表」(金属アレルギー患者に対する有床義歯の取り扱い) https://www.mhlw.go.jp/
- 日本歯科理工学会「歯科用合金・義歯用レジンの生体安全性に関する解説」 https://www.jsdmd.jp/