唾液検査(サリバテスト)でわかること|虫歯リスクの調べ方と費用

対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。

更新日:2026年8月18日監修:村井亮介(歯科医師・DDS, MSD/日本補綴歯科学会 会員)

唾液検査(サリバテスト)は、虫歯のなりやすさを数値で確認するための検査です。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)でも導入している歯科医院があり、5分から10分ほど唾液を採るだけで、細菌の数、唾液の量、酸を中和する力といった項目が分かります。「同じように磨いているのに自分だけ虫歯になる」「子どもの虫歯を何とか防ぎたい」という方にとって、原因の当たりをつける手がかりになります。ただし検査を受けただけでは何も変わりません。結果をどう使うかが本題です。このページでは、分かること・分からないこと、費用、結果の活かし方を整理します。予防の全体像は<a href="/treatment/prevention/">予防歯科と定期検診|頻度とクリーニングの効果</a>もあわせてご覧ください。

歯科医院のトレーに置かれた唾液採取用の小さな容器と器具のイラスト

検査の要点

  • 調べるのは主に「細菌の数」「唾液の量」「中和する力」「潜血・白血球」
  • 採取は5分から10分程度。ガムを噛んで唾液を出す方法が一般的
  • 費用は自費で2000円から5000円程度が目安
  • 結果が出るまで数分から数日(方法によって異なる)
  • 分かるのは「なりやすさの傾向」で、虫歯の有無を診断するものではない
  • 結果に応じてフッ素の使い方や検診の間隔を調整するのが本来の目的
主な検査項目と意味を整理します。
項目何を見ているか結果が悪いときの対策
虫歯菌の数酸をつくる細菌がどれだけいるか清掃の見直しと専門的清掃の間隔短縮
唾液の量一定時間に出る唾液の分泌量薬の確認、水分、就寝前のフッ素
中和する力酸性に傾いた口を戻す能力間食の回数を減らす、フッ素の強化
潜血・白血球歯ぐきの炎症の有無歯周病の検査と基本治療につなげる
※採用している検査方法によって項目は異なります。

何を調べているのか

虫歯は、細菌・糖・歯の質・時間という要素が重なって進みます。唾液検査は、このうち本人の体質に関わる部分を数値にして見えるようにするものです。 細菌の数は、酸をつくる代表的な菌がどれだけいるかを見ます。数が多ければ、同じ量の糖を口にしても、つくられる酸は多くなります。ただし数だけで虫歯が決まるわけではなく、清掃の状態や食習慣と合わせて解釈します。 唾液の量は、一定時間に出る量を測ります。唾液には酸を洗い流し、中和し、ミネラルを供給する働きがあります。量が少なければ、これらの防御がすべて弱まります。服用中の薬の影響が出ていることも多く、この項目で気づくことがあります。 中和する力(緩衝能)は、酸性に傾いた口の中がどれだけ早く戻るかを見る項目です。同じ回数の間食をしても、この力が強い方と弱い方では、歯が酸にさらされる時間が変わります。 潜血や白血球の項目がある検査では、歯ぐきの炎症の有無も推測できます。数値が高ければ、歯周病の検査へ進む判断材料になります。歯周病側の検査の見方は歯周病検査の数値の見方|ポケット4mm・6mmと出血が示すものをご覧ください。
検査用の試験紙に並んだ色の濃淡でリスクの程度を表した抽象的なイラスト

検査の受け方と当日の流れ

負担の少ない検査です。採血のような痛みはありません。 方法はいくつかありますが、代表的なのは、味のないガムを5分ほど噛んで、出てきた唾液を容器に採る形です。量を測り、その唾液を試験紙や培養用の器材にかけます。 短時間で結果が出る方式では、その場で数値を確認できます。細菌を培養する方式では、結果が出るまでに2日から数日かかり、後日の来院か、電話や書面での説明になります。 注意点として、検査前の飲食や歯みがきは控えるよう指示されることがあります。直前に歯を磨いたり、抗菌成分の入った洗口液を使ったりすると、細菌の数が実際より少なく出ることがあるためです。予約の際に確認してください。 また、風邪をひいている、口内炎がある、抗菌薬を服用中といった状況では、結果が普段の状態を反映しないことがあります。時期をずらすほうが正確です。 洗口液の使い方については洗口剤・うがい薬の選び方|CPC・クロルヘキシジン・フッ素配合は本当に効く?で解説しています。

費用と保険の扱い

唾液検査は、原則として自費の扱いです。 費用は2000円から5000円程度が目安で、検査の方式と項目数によって変わります。細菌の培養を含む方式は高めになる傾向があります。医院によってはクリーニングとセットの料金に含まれていることもあります。 保険が適用される検査もありますが、これは主に歯周病の管理に関わるもので、虫歯のリスク評価を目的とした唾液検査とは別のものです。窓口で目的を伝えて確認してください。 同じ歯の一連の治療の中で保険と自費を組み合わせることはできない点にも注意が必要です。その日の診療内容によって、同時に受けられるかどうかが変わります。 保険でのクリーニングの条件は歯のクリーニングは保険でできる?適用される条件と自費との違い・費用の目安にまとめました。子どもの場合の自己負担については子ども医療費助成は歯医者でも使える?無料になる範囲と自己負担が出るケース【名古屋市】もご確認ください。
歯ブラシとフッ素ジェルとカレンダーを組み合わせた個別の予防計画を示したイラスト

結果をどう使うか——ここが本題

検査を受けること自体には、あまり意味がありません。数値をもとに何を変えるかが本題です。 細菌の数が多いという結果であれば、まず清掃の質を見直します。同じ場所が磨き残しになっていないか、歯と歯の間の清掃が抜けていないかを確認します。あわせて、専門的な清掃の間隔を詰める判断をします。清掃の間隔は歯のクリーニングの頻度はどれくらい?3か月ごとの根拠と人によって変わる理由をご覧ください。 唾液の量が少ないという結果であれば、原因を探ります。服用中の薬、口呼吸、水分の摂り方などです。そのうえで、就寝前のフッ素の応用を追加します。乾きへの対策は口が乾く原因とドライマウスの対策|唾液を増やす方法にまとめました。 中和する力が弱いという結果であれば、酸にさらされる回数を減らすことが中心になります。間食や飲み物の回数を見直します。考え方は歯にいい食べ物・悪い食べ物|間食の回数が虫歯を左右する理由で扱っています。 いずれの場合も、フッ素の使い方を厚くする方向が基本になります。家庭での使い方はフッ素入り歯磨き粉の選び方と使い方|1450ppmと年齢別の量・うがいの回数、医院での塗布との使い分けは歯科医院のフッ素と市販のフッ素は何が違う?濃度・効果・使い分け、間隔の決め方はフッ素塗布は何か月ごと?頻度・費用・効果が続く期間の目安をご覧ください。フッ素の基本はフッ素は本当に安全?効果と濃度・使い方を歯科医が解説にまとめてあります。 補助的な手段として、細菌が酸をつくれない甘味料や、ミネラルを補うペーストを組み合わせる選択もあります。それぞれキシリトールは虫歯予防に効果ある?含有率とガムの選び方MIペースト(CPP-ACP)とは|フッ素との違いと使い分けをご覧ください。

検査の値は変えられる

結果が悪かったときに落ち込まれる方がいますが、これらの数値は固定されたものではありません。変えられる部分が多くあります。 細菌の数は、清掃の質と頻度によって変わります。汚れの塊が長く留まる環境では細菌は増え、除去が行き届けば減ります。専門的な清掃を受けた後に再検査すると、数値が下がることは珍しくありません。 唾液の量も、要因によっては改善します。服用中の薬が原因であれば、処方した医師と相談して変更を検討できる場合があります。口呼吸が背景にあれば、鼻の治療や就寝時の工夫で変わることがあります。水分の摂り方や、よく噛む食事も分泌を助けます。 中和する力については、体質による部分が大きいものの、口にする回数を減らすことで、その力が追いつく条件をつくれます。力そのものを鍛えるというより、負荷を減らす発想になります。 歯ぐきの炎症を示す項目は、清掃と専門的な処置によって明確に改善します。数値が高かった方が、数か月後に大きく下がることはよくあります。 つまり検査は、現状を責めるためのものではなく、どこに手を入れれば効率がよいかを示すものです。数値が悪い項目こそ、改善の余地が大きい部分ということになります。歯周病側の管理は歯周病の検査と基本治療(スケーリング・SRP)で解説しています。

家族単位で考えると見えること

虫歯のなりやすさは、個人の問題として語られがちですが、家庭の環境が関わる部分もあります。 虫歯の原因菌は、生まれたときの口の中にはいません。多くは、身近な大人との接触を通じて移ります。保護者の口の中の細菌が多いほど、お子さんに移る量も増えることになります。 食習慣も家庭単位で共有されます。間食の回数、飲み物の種類、食事の時間帯。これらは家族で似通うため、一人だけ変えるのは難しく、逆に家族で変えれば全員に効果が及びます。 そのため、お子さんの虫歯が続く場合、保護者もあわせて検査を受けると原因が見えてくることがあります。清掃の指導も、家族単位で受けたほうが定着しやすくなります。 小さなお子さんの予防では、フッ素の応用と奥歯の溝を埋める処置が中心になります。それぞれ子どものフッ素塗布|頻度・効果・家庭でのフッ素との違い赤ちゃんの歯のケア|歯が生え始めたらすること・ガーゼ磨きをご覧ください。

期待しすぎないほうがよい点

有用な検査ですが、限界も知っておいてください。 まず、虫歯があるかどうかを診断する検査ではありません。あくまで「なりやすさの傾向」を見るものです。実際に虫歯があるかは、視診・レントゲン・器具による確認で判断します。 次に、結果は変動します。その日の体調、直前の飲食、服用中の薬によって数値は動きます。一度の結果だけで判断せず、傾向として受け取るのが適切です。 そして、結果が良好でも虫歯にならないわけではありません。清掃が届かない場所があれば、そこから進みます。歯と歯の間の虫歯は歯と歯の間の虫歯(隣接面う蝕)の見つけ方・治療・予防、詰め物の下からの再発は銀歯の下で進む虫歯|気づきにくい二次カリエスの発見と再治療の判断をご覧ください。 逆に、結果が悪くても悲観する必要はありません。細菌の数も唾液の状態も、対策によって変えられる部分があります。数値が悪かったことをきっかけに清掃と食習慣を変え、その後の虫歯が止まる方は珍しくありません。 予防を続けていても虫歯ができる場合の原因の切り分けはフッ素を使っているのに虫歯になるのはなぜ?見落としやすい5つの原因、大人特有のリスクは大人にフッ素は効果ある?年齢とともに変わる虫歯リスクへの使い方で解説しています。奥歯の溝を埋める処置はシーラントとは|子どもの奥歯の虫歯予防・費用と注意点、初期の白濁の扱いは初期虫歯(C0)は削らずに治せる?再石灰化と経過観察の考え方をご覧ください。

受けるかどうかの判断材料

すべての方に必要な検査ではありません。受ける意味が大きい場面を挙げます。 同じように清掃しているのに虫歯が繰り返す方は、最も向いています。清掃以外の要因がどこにあるのかを絞り込めるためです。原因が分からないまま対策を増やすより、当たりをつけたほうが効率的です。 矯正を始める前、あるいは自費の被せ物を入れる前も、受ける価値があります。装置が入る期間や、費用をかけた修復物を長く保つために、どこを補強すべきかが分かります。 妊娠を考えている方、出産後の方も対象になります。生活の変化で口の環境が変わりやすく、また将来お子さんへ細菌が移る量にも関わるためです。妊娠中の口の変化は妊娠中の歯周病(妊娠性歯肉炎)|赤ちゃんへの影響と予防で扱っています。 一方、これまで虫歯がほとんどなく、定期検診も続けている方が、あえて受ける必要性は高くありません。その場合は通常の検診と清掃を続けるほうが確実です。 費用も自費のため、優先順位を考えて選んでください。迷う場合は、検診の際に「受ける意味があるか」を尋ねるのが早道です。

検査結果の見方でつまずきやすい点

数値を受け取ったときに、誤解が生じやすい部分があります。 一つは、項目ごとの重みが同じではないことです。細菌の数が多くても、清掃が行き届き間食が少なければ、実際の虫歯の発生は抑えられます。逆に、細菌の数が少なくても、唾液が極端に少なければ条件は厳しくなります。単独の項目ではなく、組み合わせで読むものです。 もう一つは、基準値との比較です。示される基準は目安であり、これを下回れば安全という線ではありません。同じ数値でも、詰め物の多い口と、治療した歯のない口とでは意味が変わります。 そして、他の人との比較にはあまり意味がありません。比べるべきは、対策を行う前と後の自分の数値です。半年後、1年後に再検査して変化を見ることで、行った対策が効いているかが分かります。 結果の説明を受けるときは、「この数値だと具体的に何を変えればよいか」を尋ねてください。数値の説明だけで終わると、行動につながりません。

検査を受けない場合の代わりになるもの

費用や時間の都合で受けない場合でも、傾向をつかむ手がかりはあります。 これまでの治療の履歴は、それ自体が有力な情報です。何本の歯を治療しているか、何年おきに新しい虫歯ができているか。この記録があれば、リスクの高さはおおよそ推測できます。 染め出しの液で磨き残しを確認する方法も、その場でできる評価です。毎回同じ場所が染まるなら、そこが弱点だと分かります。 朝起きたときの口の乾き具合、一日に何回何かを口にしているか。この二つを1週間記録するだけでも、原因の当たりはつきます。 検査はこれらを数値で裏づけるものであって、代わりになる情報がまったくないわけではありません。

よくある質問

唾液検査では何がわかりますか

酸をつくる細菌の数、唾液の量、酸性に傾いた口を戻す中和する力、方式によっては歯ぐきの炎症を示す潜血や白血球の項目が分かります。虫歯のなりやすさの傾向を数値で確認できるため、清掃やフッ素の使い方を調整する材料になります。

唾液検査は痛いですか、どのくらい時間がかかりますか

痛みはありません。味のないガムを5分ほど噛んで唾液を採る方法が一般的で、採取自体は5分から10分程度です。その場で結果が出る方式と、細菌を培養して2日から数日かかる方式があります。方式は医院によって異なります。

唾液検査の費用はいくらですか

自費の扱いで、2000円から5000円程度が目安です。検査の方式と項目数によって変わり、細菌の培養を含むものは高くなる傾向があります。クリーニングとセットの料金に含まれている場合もあるため、予約の際に確認してください。

検査の前に気をつけることはありますか

直前の飲食や歯みがき、抗菌成分の入った洗口液の使用は控えるよう指示されることがあります。細菌の数が実際より少なく出る可能性があるためです。抗菌薬の服用中や口内炎があるときは、時期をずらしたほうが普段の状態を反映します。

子どもも受けられますか

受けられます。ガムを噛める年齢であれば同じ方法で採取でき、難しい場合は綿を含ませて採る方式もあります。虫歯の原因菌は周囲の大人から移るため、ご家族で一緒に受けると対策を立てやすくなります。医院に方法を確認してください。

結果が悪かったら虫歯になりますか

なりやすい傾向があるという意味で、必ず虫歯になるわけではありません。細菌の数も唾液の状態も対策によって変えられる部分があります。清掃の質を上げ、間食の回数を見直し、フッ素の使い方を厚くすることで、その後の経過は変わります。

結果が良ければ検診に行かなくてよいですか

そうではありません。唾液検査は体質の傾向を見るもので、実際に虫歯があるかどうかは視診やレントゲンで判断します。清掃が届かない場所があれば、結果が良好でも虫歯は進みます。また数値は体調や服薬によって変動するため、一度の結果が続くとは限りません。定期的な確認は続けてください。

名古屋で唾液検査を受けられる歯科はありますか

導入している医院があります。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海の医院で、予防に力を入れているところでは検診とあわせて受けられることが多くなっています。方式や費用は医院ごとに異なるため、予約時に確認してください。

まとめ

唾液検査は、虫歯のなりやすさを数値で確認するための検査です。調べるのは、酸をつくる細菌の数、一定時間に出る唾液の量、酸性に傾いた口の中を戻す中和する力、そして方式によっては歯ぐきの炎症を示す項目です。虫歯は細菌・糖・歯の質・時間という要素が重なって進みますが、このうち本人の体質に関わる部分を見えるようにするものだとお考えください。採取は味のないガムを5分ほど噛んで唾液を採る形が一般的で、痛みはありません。費用は自費で2000円から5000円程度、結果はその場で出る方式と数日かかる方式があります。ただし、検査を受けること自体には意味がなく、数値をもとに何を変えるかが本題です。細菌の数が多ければ清掃の質を見直し専門的な清掃の間隔を詰める、唾液の量が少なければ服用中の薬を確認して就寝前のフッ素を追加する、中和する力が弱ければ間食や飲み物の回数を減らす。こうした具体的な調整につながってはじめて、受けた価値が出ます。一方で限界もあります。虫歯があるかどうかを診断する検査ではなく、結果は体調や直前の飲食によって変動します。結果が良好でも清掃の届かない場所からは虫歯が進みますし、逆に結果が悪くても、対策によって数値も経過も変えられます。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海にお住まいの方は、フッ素は本当に安全?効果と濃度・使い方を歯科医が解説で予防の中心を確認し、フッ素入り歯磨き粉の選び方と使い方|1450ppmと年齢別の量・うがいの回数歯の定期検診では何をする?内容・費用・所要時間もあわせてご覧ください。

参考・出典

  • 日本口腔衛生学会「う蝕リスク評価に関する見解」
  • 日本歯科医学会「う蝕治療ガイドライン」
  • 厚生労働省e-ヘルスネット 歯・口の健康」
  • 名古屋市「歯と口の健康づくり」

監修:村井 亮介(DDS, MSD/米国インディアナ大学大学院 補綴科修了)
Indiana University 大学院 補綴科修了/ACP・ITI・AO・日本補綴歯科学会 会員。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)を拠点に、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ向けて情報を発信しています。理念は「10年後も削り直さない治療」。

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