親知らず抜歯前のCT・レントゲン費用|検査代の内訳と必要になるケース

対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。

更新日:2026年9月2日監修:村井亮介(歯科医師・DDS, MSD/日本補綴歯科学会 会員)

親知らずの抜歯前に撮るCTやレントゲンの費用は、3割負担でおおむね1,000円から3,500円ほどが目安です。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海の歯科医院でも、下の埋伏歯ではCTを求められることが少なくありません。このページでは、パノラマレントゲンとデンタルレントゲン、そして歯科用CTのそれぞれにいくらかかるのか、どういう場合にCTまで必要になるのか、そして「撮らずに済ませられないか」という疑問について整理します。金額は2026年9月時点の保険診療を前提とした目安です。

歯科用CTとパノラマレントゲンの装置が並ぶ撮影室のイラスト

先に押さえておくこと

  • パノラマレントゲンは3割負担でおおよそ1,000〜1,500円。ほぼすべての抜歯前に撮る
  • 歯科用CTは3割負担でおおよそ1,000〜3,500円。下の埋伏歯で必要になることが多い
  • CTは「念のため」ではなく、神経との位置関係を確かめる目的で撮る
  • 検査は保険が使える。自費でCTを求められた場合は理由を確認してよい
  • 他院で撮った画像を持参できれば、撮り直しを省ける場合がある
抜歯全体の費用の組み立ては親知らず抜歯の費用と保険適用の目安|難易度で変わる相場を解説にまとめています。ここでは検査費用だけを取り出して見ていきます。 3種類の撮影と、それぞれの費用の目安を並べます。
種類写る範囲と分かること3割負担の目安撮影時間
デンタル数本分のみ。虫歯や根の状態を細かく見る約200〜500円数十秒
パノラマ上下の歯列全体。親知らずの向きと本数が分かる約1,000〜1,500円15秒前後
歯科用CT立体的に把握。神経や骨との位置関係が分かる約1,000〜3,500円10〜30秒
※医院の設備や撮影範囲、診断料の算定によって幅があります。初診料や再診料は別に加算されます。

パノラマレントゲンはほぼ必ず撮る

親知らずの相談で受診すると、まず撮られるのがパノラマレントゲンです。上下の歯列全体が1枚に写る撮影で、装置の周りを機械が回りながら撮影します。 このとき見ているのは、親知らずが何本あるか、どの向きに生えているか、どの程度骨に埋まっているか、手前の歯に接触して虫歯を作っていないか、といった点です。口の中を見ただけでは、歯ぐきの下に埋まっている歯の姿は分かりません。 歯が見えていないのに親知らずがある、あるいは見えているのに実は横向きに倒れている、ということは頻繁にあります。この確認をせずに抜歯の計画は立てられないため、パノラマは事実上必須の検査です。 費用は3割負担でおおよそ1,000〜1,500円です。撮影そのものの料金に、画像を診断する料金が加わった金額になります。抜歯当日ではなく、相談の初診時に撮ることがほとんどです。 なお、パノラマは親知らず以外の情報も同時に写ります。埋まったままの過剰歯や、顎の骨の中の病変が偶然見つかることもあり、この段階で他の治療が必要と分かる場合もあります。歯ぐきの中の膿については歯茎から膿が出る・根の先に膿|根尖病変の原因と治療をご覧ください。
モニターに映る顎の立体画像と神経の走行を歯科医師が説明している場面のイラスト

CTが必要になるのはどんなときか

CTは、すべての親知らずに必要な検査ではありません。撮る理由がある場合に撮ります。 最も多い理由が、下の親知らずと下歯槽神経(かしそうしんけい:下顎の骨の中を通り、下唇や顎の感覚をつかさどる神経)との位置関係の確認です。パノラマは立体を平面に写した画像のため、根と神経が重なって見えても、実際には離れていることもあれば、接していることもあります。この区別が平面では付きません。 CTでは、どの方向にどれだけ離れているかが分かります。近接していると判断されれば、抜き方を変える、分割の仕方を工夫する、あるいは根の一部をあえて残す方法を検討する、といった選択につながります。神経に関わるリスクの詳細は親知らず抜歯と神経麻痺のリスク|下歯槽神経・CT検査の意味にまとめました。 もう一つの理由が、上の親知らずと上顎洞(じょうがくどう:頬の奥にある空洞)との位置関係です。上の親知らずの根が上顎洞に突き出していると、抜歯の際に穴が開く可能性があります。事前に分かっていれば、対応を準備できます。 このほか、根が大きく曲がっている、複数の根が開いている、骨に癒着しているような像が見える、という場合にもCTが選ばれます。いずれも「難しくなりそうだと分かっている」ケースです。 逆に、上のまっすぐ生えた親知らずで、パノラマ上も単純な形をしていれば、CTを撮らずに抜歯に進むのが通常です。上下の違いは上の親知らずと下の親知らずの違い|抜歯の難易度・腫れ・痛みで解説しています。

CTの費用と保険の扱い

歯科用CTは保険が使えます。3割負担でおおよそ1,000〜3,500円が目安です。幅があるのは、撮影範囲の広さと、画像の診断料の算定方法によって金額が変わるためです。 保険で撮れるのは、診断上の必要がある場合です。埋伏した親知らずの位置確認は、この必要性が認められる代表的な場面にあたります。 一方で、CTを自費として案内されることもあります。この場合は理由を確認してかまいません。保険で算定できる条件を満たさない検査、たとえば治療の必要がない状態での希望による撮影などは自費になります。保険と自費の考え方は歯科の保険診療と自費診療の違いをわかりやすく解説をご覧ください。 会計後に金額が想定と違うと感じたら、診療明細書を見てください。撮影料と診断料が別の項目として記載されています。歯科の診療明細書の見方|点数のしくみと会計が高く感じる理由で読み方を説明しています。 なお、CTと同じ日にパノラマも撮る場合、両方の費用がかかります。ただし、多くの医院では初診時にパノラマ、抜歯の計画段階でCT、というように日を分けて撮ります。

被ばくについて心配な方へ

検査の話になると、放射線の量を気にされる方がいます。当然の疑問です。 歯科用CTは、医科で使われる全身用のCTとは別の装置です。撮影範囲を顎に限定しているため、線量は医科CTより大幅に少なくなります。パノラマレントゲンはさらに少なく、いずれも日常生活で自然に受ける放射線と比べられる程度の量とされています。 とはいえ、少ないから何度でもよいというものではありません。診断に必要な場合に必要な範囲で撮る、というのが原則です。当院でも、他院で最近撮影した画像がある場合は、まずそれを見せていただき、撮り直さずに済むかを検討します。 妊娠中の方は、腹部から離れた部位の撮影であり防護具も使用しますが、時期によっては抜歯自体を先送りする判断もあります。この点は妊娠中・妊娠前の親知らず|生えてきた・痛いときの対処と抜歯のタイミングで扱っています。
歯科医師が患者に撮影計画を説明し、机の上に費用の明細が置かれている場面のイラスト

紹介や転院で撮り直しになる場合

大学病院や口腔外科へ紹介されるとき、紹介元で撮った画像は紹介状に添えて渡されるのが一般的です。CD-Rやフィルムの形で受け取ることもあります。 これがあれば、紹介先で撮り直さずに済むことがあります。ただし、装置の規格が合わない、撮影から時間が経っている、必要な範囲が写っていないといった理由で、あらためて撮影となる場合もあります。この場合は紹介先での費用が別に発生します。 紹介の流れと費用については大学病院で親知らずを抜くと費用は高い?歯科医院との違いと紹介状の料金、どういう場合に紹介になるかは親知らず抜歯で大学病院・口腔外科を紹介されるのはどんなとき?をご覧ください。 名古屋市内では、CTを院内に備えている歯科医院が増えています。ただし、横向きに深く埋まった歯の抜歯まで院内で対応するかどうかは医院によって異なります。撮影だけ行い、抜歯は紹介先で、という進め方もあります。最初の相談の段階で、どこまで自院で行う方針かを聞いておくと、通院の計画が立てやすくなります。

検査を受けたあとに確認しておきたいこと

撮影が終わったら、画像を見ながら説明を受ける時間があります。ここで聞いておくとよい点があります。 一つ目は、抜歯の難易度です。単純に抜けるのか、歯ぐきを開いて骨を削る必要があるのか。これによって費用も、術後の腫れの程度も変わります。処置の内容は横向き・埋まっている親知らず(埋伏智歯)の抜歯|難易度と流れで解説しています。 二つ目は、神経との距離です。近いと言われた場合、どのような対策を取るのかを聞いてください。 三つ目は、麻酔の方法です。処置時間が長くなる見込みであれば、静脈内鎮静法という選択肢が出てくることもあります。費用は静脈内鎮静法・全身麻酔で親知らずを抜く費用|保険が使える条件、麻酔そのものの違いは親知らず抜歯の麻酔|局所麻酔・静脈内鎮静法の違いと選び方をご覧ください。 そして、4本すべてを抜く計画になる場合は、何回に分けるかもこの時点で決まります。総額の見通しは親知らず4本を抜く費用はいくら?まとめて抜く場合と1本ずつの違いにまとめました。

撮影の当日に知っておきたいこと

検査そのものは短時間で終わりますが、当日の流れを知っておくと戸惑いません。 パノラマレントゲンでは、装置の中央に立ち、額と顎を固定具に乗せます。前歯で小さなブロックを軽く噛み、舌を上あごにつけた状態で15秒ほど動かずにいます。この間、機械が頭の周りを回ります。舌が下がっていると上あごの部分が黒く写り、診断しにくい画像になるため、係の指示どおりの姿勢を保ってください。 歯科用CTも、立った姿勢または座った姿勢で顎を固定し、10秒から30秒ほど動かずにいます。閉所が苦手な方でも、頭全体を覆う装置ではないため、圧迫感は医科のCTより小さくなります。 撮影の前に外すものがあります。ネックレス、ピアス、眼鏡、入れ歯、矯正用の取り外し装置、ヘアピンなどです。金属が写ると、その周囲が白く飛んで診断できなくなります。取り外し式の入れ歯は、受付で預かってもらうか自分で保管してください。 服装では、金属の飾りが襟元にあるものや、厚手のマフラーは避けたほうがスムーズです。撮影のたびに外す手間が減ります。 そして、画像は撮って終わりではありません。撮影後にモニターで説明を受ける時間があります。ここで自分の親知らずがどの向きに生えているかを見ておくと、抜歯の必要性についての理解が深まります。写真を撮らせてもらえるかは医院によりますが、説明の内容をメモしておくと、家族に相談するときに役立ちます。 なお、撮影した画像は診療録の一部として医院に保存されます。転居などで別の医院に移る場合は、写しを求めることができます。手続きと費用は医院ごとに異なるため、窓口で確認してください。転居時の引き継ぎについては名古屋・愛知に転入したときの歯科の探し方|かかりつけの引き継ぎと保険証の手続きにまとめています。

検査結果をどう読むか

説明を受けるとき、いくつかの用語が出てきます。意味が分かると、判断に参加しやすくなります。 「埋伏(まいふく)」は、歯が歯ぐきや骨に埋まっている状態を指します。頭の一部だけ出ているものを半埋伏、まったく出ていないものを完全埋伏と呼びます。 「水平」「近心傾斜」「垂直」は、生えている向きです。水平は真横に倒れている状態、近心傾斜は手前の歯のほうへ斜めに傾いている状態、垂直はまっすぐ立っている状態を指します。この向きによって、抜くときにどこから力をかけるか、分割が必要かが変わります。 「歯根(しこん)の彎曲(わんきょく)」は、根が曲がっていることです。曲がった根はそのまま引き抜けないため、分割して取り出します。 「下顎管(かがくかん)」は、下歯槽神経が通っている骨の中のトンネルです。この線と歯の根が画像上でどう重なっているかが、CTを撮るかどうかの分かれ目になります。 そして「上顎洞(じょうがくどう)」は、上の奥歯の上にある空洞です。根がここに近い、あるいは突き出していると、抜歯の際に交通ができる可能性があります。 こうした言葉が出たら、遠慮なく意味を尋ねてください。専門的な話に聞こえますが、どれも「どのくらい大変か」を説明するためのものです。理解できれば、費用の内訳にも納得しやすくなります。 なお、画像で見つかるのは親知らずのことだけではありません。無症状の根の先の病変や、詰め物の下の虫歯が同時に見つかることもあります。詰め物の下の虫歯はレントゲンで分かる?写り方の限界と見つけ方をご覧ください。

よくある質問

親知らずの抜歯前にCTは必ず必要ですか

必須ではありません。上のまっすぐ生えた親知らずで、パノラマレントゲン上も単純な形であれば、CTを撮らずに抜歯へ進むのが通常です。CTが選ばれるのは、下の埋伏歯で神経との位置関係を確かめる必要がある場合、根が大きく曲がっている場合、上顎洞との近接が疑われる場合など、難しくなると分かっているときです。

歯科用CTの費用はいくらですか

3割負担でおおよそ1,000〜3,500円が目安です。撮影範囲の広さと画像診断料の算定方法によって幅が出ます。初診料や再診料、パノラマレントゲンの費用は別に加算されるため、検査だけで数千円になることもあります。内訳は診療明細書に項目ごとに記載されるので、会計後に確認できます。

パノラマレントゲンとCTの違いは何ですか

パノラマは上下の歯列全体を1枚の平面に写す撮影で、親知らずの本数と向き、手前の歯との関係を把握するために使います。CTは立体的に撮影するため、神経や骨との前後左右の位置関係まで分かります。平面では重なって見えるものが接しているのか離れているのかを区別できる点が、最も大きな違いです。

CTは保険で撮れますか

診断上の必要があれば保険で撮影できます。埋伏した親知らずの位置確認は、その必要性が認められる代表的な場面です。一方、治療の必要がない状態での希望による撮影などは自費の扱いになります。自費と案内された場合は理由を確認してかまいませんし、費用の説明を求めることもできます。

レントゲンの被ばくは心配ないですか

歯科用CTは撮影範囲を顎に限定しているため、医科の全身用CTより線量は大幅に少なく、パノラマはさらに少ない量です。ただし少ないから何度でもよいというものではなく、診断に必要な場合に必要な範囲で撮るのが原則です。最近撮った画像があれば持参してください。撮り直しを省ける場合があります。

他院で撮った画像は使えますか

使える場合があります。紹介の際は画像がCD-Rやフィルムで渡されるのが一般的です。ただし装置の規格が合わない、撮影から時間が経っている、必要な範囲が写っていないといった理由で撮り直しになることもあります。その場合は紹介先での撮影費用が別に発生するため、受付で必ず提出してください。

妊娠中でもレントゲンを撮れますか

腹部から離れた部位の撮影であり、防護具も使用します。ただし時期によっては抜歯自体を先送りする判断になるため、まず妊娠中であることを必ず伝えてください。安定期であれば応急的な対応を行い、本格的な抜歯は出産後に計画するという進め方が一般的です。授乳中かどうかも合わせてお伝えください。

検査の説明で何を聞いておけばよいですか

抜歯の難易度、神経との距離、麻酔の方法の3点です。歯ぐきを開いて骨を削る必要があるかどうかで費用と術後の腫れが変わります。神経が近いと言われた場合は、どのような対策を取るのかを確認してください。処置が長くなる見込みなら麻酔の選択肢も相談でき、日程の組み方の判断にもつながります。 CTが必要になりやすい横向きの抜歯の費用は横向き・埋まっている親知らずの抜歯費用|まっすぐな歯との差額はいくらか、抜かずに経過を見る場合にかかる費用は親知らずを抜かない場合にかかる費用|相談・経過観察・クリーニングの目安にまとめました。

まとめ

親知らずの抜歯前に行う検査の費用は、3割負担でパノラマレントゲンがおおよそ1,000〜1,500円、歯科用CTがおおよそ1,000〜3,500円が目安です。パノラマは事実上すべての抜歯前に撮ります。歯ぐきの下に埋まっている歯の本数と向き、手前の歯との関係は、口の中を見るだけでは分からないためです。一方、CTは全例に必要な検査ではありません。撮る理由があるときに撮ります。最も多いのが、下の親知らずと下歯槽神経との位置関係の確認です。パノラマは立体を平面に写した画像のため、根と神経が重なって見えても実際に接しているかどうかは判断できません。CTならどの方向にどれだけ離れているかが分かり、抜き方の工夫につながります。上の親知らずでは、上顎洞という空洞との位置関係を確かめる目的で撮ることがあります。逆に、上のまっすぐ生えた歯で形も単純であれば、CTなしで抜歯に進むのが通常です。費用は保険が使えます。自費として案内された場合は理由を確認してかまいません。被ばくについては、歯科用CTは撮影範囲を顎に限定しているため医科CTより線量が大幅に少なく、パノラマはさらに少量ですが、必要な場合に必要な範囲で撮るのが原則です。他院で最近撮った画像があれば持参してください。撮り直しを省ける場合があります。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海で相談される方は、撮影後の説明で抜歯の難易度と神経との距離、麻酔の方法を確認し、親知らず抜歯の費用と保険適用の目安|難易度で変わる相場を解説とあわせて計画を立ててください。

参考・出典

  • 厚生労働省「診療報酬の算定方法」(歯科点数表・画像診断)
  • 日本歯科放射線学会「歯科用コーンビームCTの適正使用に関する指針」
  • 日本口腔外科学会「親知らず(智歯)」
  • 公益社団法人 日本歯科医師会「歯とお口のことなら何でもわかるテーマパーク8020」

監修:村井 亮介(DDS, MSD/米国インディアナ大学大学院 補綴科修了)
Indiana University 大学院 補綴科修了/ACP・ITI・AO・日本補綴歯科学会 会員。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)を拠点に、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ向けて情報を発信しています。理念は「10年後も削り直さない治療」。

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