対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。
親知らずを抜いた後の食事は、当日と翌日をどう乗り切るかでその後の治りが変わります。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海の方から「何を食べていいのか分からず、一日水だけで過ごしてしまった」というお話をよく伺います。実際には、抜いた当日から食べられるものはあります。このページでは、抜歯からの日数ごとに食べられるもの、避けたいもの、そして食べ方の工夫を具体的に整理します。麻酔が切れるまでの待ち時間や、抜いた側で噛み始めてよい時期についても扱います。
先に結論
- 麻酔が切れるまでは食べない。目安は処置後2〜3時間
- 当日はおかゆ、スープ、ヨーグルトなど、噛まずに飲み込めるもの
- 抜いた側では噛まない。反対側の奥歯を使う
- ストロー、熱いもの、辛いもの、粒の残るものは1週間避ける
- 飲酒は当日と翌日は控える。抜糸まで待てるとより安心
- 3〜4日目から少しずつ普段の食事に近づけ、1週間で抜いた側も使い始める
抜歯後の過ごし方の全体像は
親知らず抜歯後の注意点とドライソケット予防|原因・見分け方・対処にまとめています。このページでは食事だけに絞って扱います。
まず、日数ごとの目安を並べます。
| 時期 | 食べられるもの | まだ避けたいもの |
| 当日 | おかゆ、ポタージュ、ヨーグルト、ゼリー、豆腐 | 熱いもの全般、アルコール、噛む必要のあるもの |
| 2日目 | やわらかいうどん、卵料理、煮た野菜、バナナ | ごま、玄米、ナッツなど粒の残るもの |
| 3〜4日目 | やわらかく煮た肉や魚、パン、パスタ | 硬い煎餅、フランスパン、するめ |
| 5〜7日目 | ほぼ普段どおり。抜いた側は避ける | 抜いた側で強く噛むこと、刺激の強い香辛料 |
| 抜糸後 | 抜いた側でも少しずつ噛み始める | いきなり硬いものを抜いた側で噛むこと |
※腫れや痛みの出方には個人差があります。上の親知らずやまっすぐ生えていた歯では、この目安より早く戻ることもあります。
麻酔が切れるまで食べてはいけない理由
抜歯直後は、下唇や舌、頬の内側に麻酔が効いています。この状態で食事をすると、二つの問題が起こります。
一つは、やけどです。感覚が鈍っているため、熱いものが口に入っても熱さに気づけません。飲み込んでから初めて痛みが出るということが実際に起こります。
もう一つは、頬や唇を噛んでしまうことです。感覚がないまま噛むと、自分の粘膜を挟んだことに気づきません。しばらくして麻酔が切れたとき、抜いた場所とは別に大きな傷ができていたというケースがあります。この点は
頬の内側をよく噛む原因|たまたま?それとも歯並び・疲れのサイン?でも扱っています。
麻酔が切れるまでの時間は、使った麻酔の種類と量によって変わります。通常の局所麻酔なら2〜3時間が目安です。下の奥歯の抜歯で下あご全体に効かせる方法をとった場合は、4時間以上かかることもあります。麻酔の種類については
親知らず抜歯の麻酔|局所麻酔・静脈内鎮静法の違いと選び方をご覧ください。
判断のしかたは単純です。下唇を軽くつまんでみて、はっきり感覚が戻っていれば食べ始めて構いません。
当日に食べられるもの
麻酔が切れたら、噛まずに飲み込めるものから始めてください。
向いているのは、おかゆ、ポタージュスープ、ヨーグルト、ゼリー、プリン、絹ごし豆腐、すりおろしたリンゴ、市販の栄養補助飲料などです。いずれも口のなかで大きく動かさずに済み、抜いた場所に当たりません。
温度は、人肌からぬるめにしてください。温かいものは血のめぐりを良くするため、この時期には出血が続く原因になります。スープを飲みたい場合は、いったん冷ましてください。
量は無理に増やさなくて構いません。当日は食欲が落ちる方が多く、それ自体は問題ではありません。ただし水分だけは意識してとってください。痛み止めを飲むときに胃が空だと負担がかかります。
避けたほうがよいものと、その理由
避けるものには、それぞれ理由があります。理由が分かると、判断に迷ったときに自分で応用できます。
ストローは使わないでください。吸うときに口のなかの圧が下がり、抜いた穴を覆っている血のかたまりが引き出されることがあります。このかたまりが取れると、骨がむき出しになって強い痛みが出ます。穴の治り方については
抜歯後の穴はいつふさがる?食べかすが詰まるときの正しいケアで詳しく扱っています。
熱いものは、血のめぐりを良くして出血と腫れを強めます。出血が長引くときの判断は
抜歯後の出血が止まらないときの対処|正常な範囲と受診が必要なサインにまとめました。
辛いもの、酸っぱいものは、傷にしみます。カレー、キムチ、柑橘類、炭酸飲料などがこれにあたります。痛みが増すだけでなく、粘膜の治りを妨げます。
粒の残るものは、抜いた穴に入り込みます。ごま、玄米、雑穀、ナッツ、いちごの種などです。入ってしまうと自分では取り出せず、においや炎症の原因になります。
硬いものは、噛むときにあごの筋肉を強く使います。抜歯後は口を開けにくくなっていることが多く、無理に噛むとその症状を長引かせます。開きにくさについては
親知らず抜歯後に口が開けにくい|開口障害が起きる理由と戻るまでの目安をご覧ください。
アルコールは、血のめぐりを良くするうえ、痛み止めや抗菌薬との組み合わせでも避けたいものです。当日と翌日は控えてください。腫れが強い方は、抜糸まで待つほうが安心です。
食べ方の工夫
食べるものだけでなく、食べ方でも負担は変わります。
抜いた側では噛まないでください。反対側の奥歯を使って、抜いた場所から食べ物を遠ざけます。上下どちらか一方だけを抜いた場合は、噛む側を意識するだけで済みます。
一口を小さくしてください。大きく口を開ける必要がなくなり、あごの筋肉への負担も減ります。パンやおにぎりは、手でちぎってから口に運んでください。
飲み込むときに舌で押し込むような動きは避けてください。舌先で抜いた場所を触るのも同じです。気になって舌で確かめたくなりますが、血のかたまりを動かす原因になります。
食後は、うがいではなく、コップの水を口に含んで軽く傾ける程度にしてください。強くゆすぐと血のかたまりが流れます。
数日間で足りなくなりやすい栄養
やわらかいものが中心になると、不足しやすいものがあります。数日のことなので神経質になる必要はありませんが、知っておくと選びやすくなります。
たんぱく質です。おかゆやうどんだけでは不足します。卵、豆腐、ヨーグルト、白身魚のあんかけ、ひき肉を使ったスープなどで補ってください。傷の治りにはたんぱく質が必要です。
ビタミンです。生野菜や果物を噛みにくい時期なので、野菜スープ、すりおろした果物、100パーセントの果汁飲料などが役立ちます。ただし柑橘系は酸味が強いため、傷にしみない範囲にしてください。
水分です。痛みや腫れがあると飲むこと自体がおっくうになりますが、脱水は治りにも痛み止めの効きにも影響します。一日を通してこまめにとってください。
普段の食事に戻す順番
戻し方には順番があります。急ぐ必要はありません。
2日目からは、やわらかいうどん、卵料理、煮込んだ野菜、バナナなど、少し噛むものを加えてください。ただし噛むのは抜いていない側です。
3〜4日目には、やわらかく煮た肉や魚、パン、パスタなど、普段の献立に近いものが食べられるようになります。この時期に痛みが強まる場合は、まだ早いということなので一段階戻してください。
5〜7日目で、ほぼ普段どおりの食事に戻せます。まだ抜いた側では強く噛まないでください。
抜糸を終えたころから、抜いた側でも少しずつ噛み始めます。最初はやわらかいものから試し、痛みが出なければ徐々に硬さを上げてください。抜糸の時期は
親知らず抜歯の抜糸はいつ?痛み・当日の過ごし方と糸が取れたときの対処にまとめています。
なお、腫れが強く出ている時期は、この目安より遅れます。腫れの経過は
親知らず抜歯後の腫れはいつまで続く?ピークの時期と引かないときの受診目安をご覧ください。
抜歯の予定に合わせた食事の準備
抜歯の前日までにしておくと楽なことがあります。
まず、当日と翌日に食べるものを買っておいてください。抜いた当日に買い物へ出るのは負担です。ヨーグルト、ゼリー、レトルトのおかゆ、パックのスープ、豆腐などが手軽です。
次に、抜歯の直前にしっかり食事をとっておいてください。処置後しばらく食べられないため、空腹のまま抜歯に臨むと、麻酔が切れるまでの時間がつらくなります。
そして、抜歯の日程を選べるなら、会食や外食の予定が続く時期は避けてください。1週間ほどは食事の自由度が下がります。当日の流れは
親知らず抜歯の流れと術後の痛み・腫れの経過にまとめています。
4本を順に抜く予定の方は、1回目の経験が2回目以降の準備になります。何が食べにくかったかを覚えておくと、次はもっと楽に過ごせます。
当院では、下の埋まった歯を抜く方に、当日と翌日の食事を先に決めておくようお伝えしています。麻酔が切れて痛みが出てから何を食べるか考えるのは、実際にはかなり負担です。買い置きが一つあるだけで、当日の過ごし方が変わります。実際、食べられずに水分も減った方ほど、翌日のだるさを訴える傾向があります。
抜いた本数と場所で負担は変わる
同じ抜歯でも、食事のしにくさには差があります。
上の親知らず1本だけであれば、影響は小さくて済みます。歯ぐきを開かずに抜けることが多く、腫れも軽く、口も開きます。当日こそやわらかいものにしますが、翌日には普段に近い食事へ戻せる方が多くいます。
下の親知らず1本の場合は、事情が変わります。歯ぐきを開いて骨を削ることが多く、腫れと口の開けにくさが出ます。噛む力を使いにくい期間が3〜4日続くと見ておいてください。
左右を同時に抜いた場合は、噛む側がありません。この場合、数日間は噛まずに済むものだけで組み立てる必要があります。おかゆ、スープ、ヨーグルト、ポタージュ、栄養補助飲料を組み合わせてください。左右同時に抜くかどうかは、この点も含めて事前に相談しておくと計画が立てやすくなります。
上下同じ側を同時に抜いた場合は、反対側で噛めます。ただし、その側でしか噛めないため、食事に時間がかかります。急いで食べようとすると、噛む回数が減り、消化にも影響します。
4本を順に抜いていく予定であれば、1回目の経験が次の準備になります。何が食べにくかったか、どのくらいの期間つらかったかを覚えておいてください。まとめて抜く場合と1本ずつの場合の違いは
親知らず4本を抜く費用はいくら?まとめて抜く場合と1本ずつの違いでも触れています。
仕事や外出があるときの食事
仕事や学校を休めない場合、昼食をどうするかが問題になります。
抜歯の翌日以降に外出する予定があるなら、持ち歩けるものを準備してください。パックのスープ、飲むタイプのヨーグルト、ゼリー飲料などが実際的です。
外食は、選べる店であれば可能です。うどん、茶わん蒸し、湯豆腐、雑炊、卵とじなどを扱う店なら困りません。逆に、揚げ物や硬いパンが中心の店では選択肢がなくなります。
会食や接待の予定がある場合は、日程をずらすほうが無難です。噛めないだけでなく、口を大きく開けにくく、話しづらい時期でもあります。飲酒を勧められる場面も避けたいところです。
職場で説明が必要なら、「親知らずを抜いたので数日はやわらかいものしか食べられない」と伝えれば十分です。詳しい説明は必要ありません。
なお、抜歯当日に長距離の移動や出張が入っている場合は、日程の見直しを検討してください。痛み止めが効いている時間帯と移動が重なると、判断力にも影響します。
食事中に気になる症状が出たとき
食べている最中や食後に、気になる変化が出ることがあります。
血の味がする、少しにじむ程度であれば、当日から翌日にかけては起こりうることです。清潔なガーゼを丸めて10〜15分しっかり噛んでください。
食べ物が穴に入った場合は、無理に取ろうとしないでください。爪楊枝や歯間ブラシを差し込むと、血のかたまりを傷つけます。水を含んで軽く傾ける程度にとどめ、次の受診で伝えてください。
食後に痛みが強まる場合は、まだ食べるものが硬いか、抜いた側で噛んでいる可能性があります。一段階やわらかいものに戻してください。
食後に熱が出る、飲み込むときにのどが痛む場合は、食事とは別の問題です。判断は
抜歯後に熱が出た|正常な範囲と感染を疑うサインをご覧ください。
頬の色が変わってきた場合は、内出血が皮膚に出てきたものです。食事とは関係ありません。経過は
抜歯後に頬や首があざのように紫色になった|内出血の経過と受診の目安にまとめています。
よくある質問
親知らずを抜いた当日は何を食べればよいですか
麻酔が切れてから、噛まずに飲み込めるものを選んでください。おかゆ、ポタージュ、ヨーグルト、ゼリー、絹ごし豆腐などが向いています。温度は人肌からぬるめにしてください。温かいものは血のめぐりを良くして出血や腫れを強めます。量は無理に増やさず、水分だけは意識してとってください。
抜歯後どのくらいで食事ができますか
麻酔が切れてからです。通常の局所麻酔なら処置後2〜3時間が目安で、下あご全体に効かせた場合は4時間以上かかることもあります。下唇をつまんで感覚が戻っていれば食べ始めて構いません。麻酔が残ったまま食べると、熱さに気づけずやけどをしたり、頬や唇を噛んでしまうことがあります。
ストローを使ってはいけないのはなぜですか
吸うときに口のなかの圧が下がり、抜いた穴を覆っている血のかたまりが引き出されることがあるためです。このかたまりが取れると骨がむき出しになり、数日後に強い痛みが出ます。飲み物はコップから直接、傷のない側へ流し込むように飲んでください。目安として1週間は控えてください。
抜いた側で噛んでもよいのはいつからですか
抜糸を終えたころが目安で、多くは抜歯から1週間前後になります。最初はやわらかいものから試し、痛みが出なければ少しずつ硬さを上げてください。それまでは反対側の奥歯を使ってください。抜いた側で早くから噛むと傷が刺激され、治りが遅くなることがあります。左右を同時に抜いた場合は噛む側がないため、数日間は噛まずに済むもので組み立ててください。
お酒はいつから飲めますか
当日と翌日は控えてください。アルコールは血のめぐりを良くするため、出血や腫れが強まります。痛み止めや抗菌薬を飲んでいる期間との重なりも避けたいところです。腫れが強く出ている方は、抜糸まで待つほうが安心です。飲める時期は抜歯の難しさによって変わるため、担当医に確認してください。会食の予定は日程をずらすほうが無難です。
食べ物が抜いた穴に入ったときはどうすればよいですか
無理に取ろうとしないでください。爪楊枝や歯間ブラシを差し込むと、傷を守っている血のかたまりを壊してしまいます。水を口に含んで軽く傾ける程度にとどめ、次の受診時に伝えれば、必要に応じて洗ってもらえます。穴は数週間かけて自然にふさがっていくため、その過程で入りにくくなっていきます。
やわらかいものばかりで栄養が心配ですが大丈夫ですか
数日間のことなので大きな心配はいりませんが、たんぱく質は意識してください。卵、豆腐、ヨーグルト、白身魚のあんかけ、ひき肉入りのスープなどが取り入れやすい形です。傷の治りにはたんぱく質が必要になります。あわせて、野菜スープやすりおろした果物でビタミンを補い、水分を切らさないようにしてください。
熱いものや辛いものはいつまで避けますか
目安は1週間です。熱いものは血のめぐりを良くして出血と腫れを強め、辛いものや酸味の強いものは傷にしみて治りを妨げます。カレー、キムチ、柑橘類、炭酸飲料などが該当します。痛みが引いてきたら少しずつ試し、しみるようならもう数日空けてください。無理に早く戻す利点はありません。
まとめ
親知らずを抜いた後の食事は、いくつかの原則を押さえれば難しくありません。まず、麻酔が切れるまでは食べないことです。局所麻酔なら2〜3時間、下あご全体に効かせた場合は4時間以上かかることがあり、下唇の感覚が戻ったかどうかで判断します。当日はおかゆ、ポタージュ、ヨーグルト、ゼリー、豆腐など、噛まずに飲み込めるものを人肌からぬるめの温度で。翌日からやわらかいうどんや卵料理を加え、3〜4日目には煮た肉や魚、5〜7日目でほぼ普段どおりに戻せます。抜いた側で噛み始めるのは抜糸のころが目安です。避けたいものには理由があります。ストローは血のかたまりを引き出し、熱いものは出血と腫れを強め、辛いものと酸味は傷にしみ、ごまや玄米などの粒は穴に入り込みます。アルコールは当日と翌日は控えてください。食べ方では、抜いた側を使わない、一口を小さくする、舌で傷を触らない、食後は強くゆすがないという4点が要点です。数日間はたんぱく質と水分が不足しやすいため、卵や豆腐、スープで補ってください。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海で抜歯を受ける方は、当日と翌日に食べるものを前日までに買っておくと、麻酔が切れた後の時間がずいぶん楽になります。過ごし方の全体像は
親知らず抜歯後の注意点とドライソケット予防|原因・見分け方・対処とあわせてご覧ください。
参考・出典
- 日本口腔外科学会「智歯(親知らず)」「抜歯後の注意事項」
- 厚生労働省「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」
- 日本歯科麻酔学会「歯科診療における局所麻酔の指針」
- 日本口腔衛生学会「口腔の健康と全身の健康」