対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。
親知らずの抜歯後、頬や首の皮膚があざのように変色することがあります。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海の方から「抜いた場所と離れたあごの下が紫色になった」と驚いて連絡をいただくことがあります。これは皮下に広がった内出血が重力で下へ移動したもので、多くは処置の経過として現れ、2週間ほどで消えていきます。このページでは、色が変わる仕組み、日数ごとの見た目の変化、出やすい条件、そして受診したほうがよいサインを整理します。
先に結論
- 抜歯後に頬・あご・首が変色するのは、皮下に出た血が重力で下がったもの
- 抜いた場所より下に出るのが特徴。首や鎖骨の近くまで下りてくることもある
- 紫→青→緑→黄と色を変えながら薄くなり、多くは1〜2週間で消える
- 痛みや熱を伴わず、日ごとに薄くなっていれば経過の範囲
- 硬いしこりを伴う、腫れが増す、熱が出る場合は受診の対象
抜歯後の経過全般は
親知らず抜歯後の注意点とドライソケット予防|原因・見分け方・対処にまとめています。このページでは、皮膚の変色に絞って扱います。
日数ごとの見た目の変化を並べます。
| 時期 | 色の目安 | そのときの状態 | 対応 |
| 1〜2日目 | 赤みまたは紫 | 腫れとともに現れ始める | 冷やす時期 |
| 3〜5日目 | 青紫から青 | 範囲が下へ広がって見える | 温める時期 |
| 6〜10日目 | 緑がかった色 | 色が薄れ、輪郭がぼやける | そのまま経過を見る |
| 10日〜2週 | 黄色から消失 | ほぼ分からなくなる | 通常どおり |
※色の出方と消えるまでの日数には個人差があります。まったく出ない方も多くいます。
なぜ抜いた場所から離れた部分が変色するのか
抜歯では、歯ぐきを開き、周囲の組織に少なからず傷がつきます。このとき、細い血管から組織のなかへ血がしみ出します。
しみ出した血は、その場にとどまりません。皮膚の下や粘膜の下には、組織のあいだをつなぐゆるやかな隙間があり、血はここを通って移動します。移動の向きを決めるのは重力です。
そのため、下の親知らずを抜いた場合、変色は頬の下側からあごの縁、さらに首のほうへ下りてきます。抜いた場所そのものより、離れた下の位置に強く出ることがあるのはこのためです。上の親知らずでは、頬の中ほどに出ることがあります。
色が変わっていくのは、組織にしみ出した血の成分が時間をかけて分解されるためです。紫、青、緑、黄と移り変わるのは、この分解の段階を映しています。打ち身のあざが治っていく過程と同じ仕組みです。
腫れとは別のものですが、同じ時期に重なって現れます。腫れの経過は
親知らず抜歯後の腫れはいつまで続く?ピークの時期と引かないときの受診目安をご覧ください。
出やすいのはどんな場合か
すべての方に出るわけではありません。出やすくなる条件があります。
一つ目は、処置の範囲が広い場合です。横向きや深く埋まった下の親知らずでは、歯ぐきを開き骨を削るため、組織への影響が大きくなります。抜歯の内容は
横向き・埋まっている親知らず(埋伏智歯)の抜歯|難易度と流れで扱っています。
二つ目は、皮膚が薄い方、色が白い方です。同じ量の内出血でも、外から見えやすくなります。
三つ目は、年齢です。年齢を重ねると組織がゆるみ、血が広がりやすくなる傾向があります。
四つ目は、血液をさらさらにする薬を飲んでいる場合です。この薬は自己判断で中断してはいけません。抜歯の前に必ず申し出て、処方元の医師と歯科医師の双方で進め方を決めます。
このほか、抜歯後に強くうがいをした、患部を触った、激しい運動をしたといった行動も、広がりやすさに関わります。
出たときの過ごし方
現れてしまった変色そのものを、その場で消す方法はありません。時間の経過を待つことになります。ただ、過ごし方によって引くまでの日数は変わります。
抜いた当日と翌日は冷やす時期です。頬の外側に冷たいタオルを当てる程度にしてください。氷を直接当てたり、長時間冷やし続けたりすると、かえって血のめぐりが悪くなります。
3日目以降は温める時期に切り替わります。蒸しタオルや温かい手のひらを当てると、分解が進みやすくなります。冷やす時期と温める時期を取り違えると、どちらも長引きます。
飲酒と激しい運動は、腫れが引くまで控えてください。血のめぐりが急に強まると、広がりが増すことがあります。入浴も、当日は湯船につからずシャワーで済ませてください。この時期の生活全般は
抜歯後の生活|食事・痛み・腫れ・運動・お風呂はいつから?にまとめました。
患部を揉んだり押したりするのは避けてください。早く散らそうとして刺激を加えると、痛みが増します。
見た目が気になるときの工夫
首まで下りてくると、襟元から見えることがあります。人前に出る予定がある方から、隠す方法について尋ねられます。
現実的なのは、スカーフや襟の高い服、マスクで覆う方法です。皮膚に直接何かを塗る場合は、抜いた部位や傷口から離れていることを確認してください。傷の近くに化粧品を使うのは避けます。
日程に余裕があるなら、大切な予定の直前に抜歯を入れないという判断が最も確実です。下の埋まった歯を抜く場合、腫れと変色の両方が出る可能性を見込んで、1週間から10日ほど空けておくと安心です。学生の方は長期休暇にあわせる方が多く、費用と時期の考え方は
高校生・大学生の親知らず抜歯費用|医療費助成と保険証の扱いにまとめています。
受診したほうがよいサイン
経過の範囲を外れているのは、次のような場合です。
変色した部分に硬いしこりがあり、押すと強く痛む場合。血のかたまりが組織のなかにとどまっている可能性があります。
日ごとに範囲が広がり、腫れも増していく場合。通常は3日目をピークに引いていきます。増え続けるのは別の原因を考える必要があります。
38度前後の熱を伴う場合。感染が起きている可能性があります。判断の目安は
抜歯後に熱が出た|正常な範囲と感染を疑うサインをご覧ください。
口が開けにくい状態が強まっていく場合も、あわせて確認が必要です。
親知らず抜歯後に口が開けにくい|開口障害が起きる理由と戻るまでの目安に経過の目安をまとめました。
2週間を過ぎても色がほとんど変わらない場合。通常は色調が移り変わっていくため、変化が止まっているなら一度診てもらってください。
口のなかからの出血が続いている場合は、別の対応が必要です。
抜歯後の出血が止まらないときの対処|正常な範囲と受診が必要なサインをご覧ください。
次に抜くときに備えて
4本の親知らずを順番に抜く予定がある方は、1本目の経過が参考になります。
変色が出た方は、次の抜歯でも同じように出る可能性があります。あらかじめ日程を調整しておけば、驚かずに済みます。逆に、1本目で何も出なかった方でも、生え方が違えば経過は変わります。上の歯と下の歯の違いは
上の親知らずと下の親知らずの違い|抜歯の難易度・腫れ・痛みをご覧ください。
抜歯の順番と時期の組み方は
親知らず4本を抜く費用はいくら?まとめて抜く場合と1本ずつの違いに整理しています。抜糸の時期は
親知らず抜歯の抜糸はいつ?痛み・当日の過ごし方と糸が取れたときの対処、穴がふさがるまでの経過は
抜歯後の穴はいつふさがる?食べかすが詰まるときの正しいケアをご覧ください。
当院では、下の埋伏歯を抜く前に、皮膚の変色が出る可能性をお伝えしています。何も知らずに首まで紫色になれば、誰でも不安になります。あらかじめ「出ることがある」「痛みや熱を伴わなければ時間で消える」と分かっていれば、経過として受け止められます。実際、多くの方は2週間以内にほとんど分からなくなります。
上の親知らずと下の親知らずで出方が違う
どこに色が現れるかは、抜いた歯の位置によって変わります。
下の親知らずを抜いた場合、頬の下側から始まり、あごの縁、首、まれに鎖骨の近くまで下りてきます。重力に沿って移動するため、日がたつにつれて位置が下がっていくのが特徴です。「昨日は頬だったのに今日は首になった」という変化は、この移動によるものです。
上の親知らずを抜いた場合は、頬の中ほどに出ることがあります。下ほど広がらず、範囲も限られます。上の歯では歯ぐきを開かずに抜けることが多いため、そもそも出ないことがほとんどです。
上下の抜歯の違いは
上の親知らずと下の親知らずの違い|抜歯の難易度・腫れ・痛みにまとめています。
なお、色が下へ移動していくこと自体は、悪化ではありません。組織のなかに広がった血が分解されていく過程で位置を変えているだけです。範囲が広がったように見えても、色が薄くなっていれば経過は順調です。
腫れ・痛み・変色の関係
抜歯後には、腫れ、痛み、変色という3つの変化が重なって現れます。それぞれピークの時期が違うため、混同すると判断を誤ります。
痛みは、麻酔が切れる処置から2〜3時間後に立ち上がり、当日から翌日が最も強くなります。その後は日ごとに軽くなります。
腫れは、少し遅れて出ます。2〜3日目がピークで、そこから1週間ほどかけて引いていきます。
変色は、最も遅れて現れます。腫れが引き始めるころに目立つようになり、消えるまでに1〜2週間かかります。
つまり、腫れが引いてきたのに顔の色が変わってきた、という順序は正常です。ここで「悪化した」と考える必要はありません。それぞれの経過は
親知らず抜歯後の腫れはいつまで続く?ピークの時期と引かないときの受診目安と
親知らず抜歯の流れと術後の痛み・腫れの経過にまとめています。
判断の基準は、痛みが3日目以降に強まるかどうか、熱が新しく出るかどうかです。この2点に変化がなければ、色の見た目に驚く必要はありません。
出にくくするためにできること
完全に防ぐ方法はありませんが、広がりを抑える助けになることがあります。
抜歯当日は安静にしてください。血のめぐりが急に強まると、しみ出す量が増えます。運動、飲酒、長い入浴は避けてください。
強くうがいをしないでください。口のなかの圧が変わると、傷口の状態に影響します。当日はうがいそのものを控え、翌日以降も軽くすすぐ程度にとどめます。
患部を触らないでください。舌で押す、指で確かめるといった動作は、それだけで刺激になります。
処方された薬は指示どおりに飲んでください。炎症が抑えられれば、しみ出す量も抑えられます。
血液をさらさらにする薬を飲んでいる方は、抜歯の前に必ず申し出てください。自己判断で中断すると、別の危険が生じます。処方元の医師と歯科医師の双方で進め方を決めます。
仕事や学校をどうするか
変色そのものに、活動を制限する理由はありません。痛みや熱がなければ、通常どおり過ごせます。
気になるのは見た目だけです。人前に出る仕事の方は、襟の高い服やマスクで覆う、予定を調整するといった対応になります。
ただし、抜歯直後の数日は、腫れと痛みのほうが生活に影響します。下の埋まった歯を抜いた場合、翌日は予定を軽くしておくのが現実的です。口が開けにくくなることもあり、経過は
親知らず抜歯後に口が開けにくい|開口障害が起きる理由と戻るまでの目安にまとめています。
抜歯の日程を決めるときは、腫れ、変色、開きにくさの3つが重なる期間として1週間から10日を見込んでおくと、予定が立てやすくなります。
人に説明するときに困らないために
顔や首の変色は、周囲の目に触れます。事情を知らない人からは、けがや別の原因を疑われることがあります。
職場や学校で説明が必要になる場面を想定しておくと、気が楽になります。「親知らずを抜いたあとの内出血で、時間で消える」という一言で足ります。
家族と同居している場合は、抜歯の予定と経過をあらかじめ伝えておいてください。急に色が変われば、周囲も心配します。
そして、記録を残しておくと役立ちます。日付ごとに色の範囲を写真に撮っておけば、薄くなっているかどうかを自分でも判断できます。受診したときの説明にも使えます。抜歯後の全体の流れは
親知らず抜歯の流れと術後の痛み・腫れの経過をご覧ください。
同じ時期に起こる他の変化
抜歯後の数日は、いくつかの変化が同時に現れます。
抜いた側の唇や舌にしびれた感じが残る場合は、早めに伝えてください。多くは一時的なものですが、経過を記録しておく必要があります。
歯ぐきに白っぽい膜が見えることもあります。これは治る過程で現れるもので、無理に取らないでください。
口臭が気になる場合も、抜いた部位が治る過程で一時的に出ることがあります。
次の受診で伝えること
抜糸などで来院する際は、色の変化の経過を伝えてください。いつ出たか、どこまで広がったか、今は薄くなっているか。この3点が分かれば、経過として問題ないかを判断してもらえます。
なお、他の医療機関を受診する予定がある場合は、抜歯の日と皮膚の変色が出ていることを先に伝えてください。事情が分かっていれば、余計な検査を避けられます。
よくある質問
抜歯後に頬や首が紫色になるのは異常ですか
多くは経過の範囲です。抜歯の際に組織へしみ出した血が、重力で下へ移動して皮膚から透けて見える状態で、打ち身のあざと同じ仕組みです。抜いた場所より下に出るのが特徴で、痛みや熱を伴わず日ごとに薄くなっていれば、時間の経過とともに消えていきます。紫から青、緑、黄へと色を変えながら薄くなり、多くは1〜2週間で分からなくなります。
内出血はいつ消えますか
多くは1〜2週間で消えます。紫から青、緑、黄へと色を変えながら薄くなっていくのが典型的な経過です。2週間を過ぎても色調がほとんど変わらない場合や、範囲が広がり続ける場合は、通常の経過から外れているため受診してください。色が下へ移動していくのは悪化ではなく、しみ出した血が重力に沿って動いているだけです。
冷やしたほうがよいですか、温めたほうがよいですか
抜いた当日と翌日は冷やし、3日目以降は温めてください。冷やす時期には頬の外側に冷たいタオルを当てる程度にとどめ、氷を直接当てたり長時間冷やし続けたりしないでください。3日目からは蒸しタオルなどで温めると、分解が進みやすくなります。氷を直接当てたり長時間冷やし続けたりすると、かえって血のめぐりが悪くなります。
なぜ抜いた場所と離れたところが変色するのですか
皮膚や粘膜の下には組織のあいだをつなぐゆるやかな隙間があり、しみ出した血がそこを通って移動するためです。移動の向きは重力で決まるため、下の親知らずでは頬の下側からあごの縁、首のほうへ下りてきます。抜いた部位より下に強く出ることがあります。上の親知らずでは頬の中ほどに出ることがあり、下ほど広がらず範囲も限られます。
出やすい人はいますか
処置の範囲が広い横向きや深い埋伏の抜歯、皮膚が薄い方や色が白い方、年齢を重ねた方では出やすくなります。血液をさらさらにする薬を飲んでいる場合も広がりやすくなりますが、自己判断で中断してはいけません。抜歯前に必ず申し出てください。抜歯後に強くうがいをした、患部を触った、激しい運動をしたといった行動も広がりに関わります。
早く消す方法はありますか
その場で消す方法はありません。3日目以降に温めること、飲酒と激しい運動を控えること、患部を揉まないことが、引くまでの日数を短くする助けになります。強くうがいをすることや患部を押すことは逆効果です。時間の経過を待つのが基本になります。処方された薬を指示どおりに飲み、炎症を抑えておくことも助けになります。
見た目を隠す方法はありますか
スカーフや襟の高い服、マスクで覆うのが現実的です。皮膚に何かを塗る場合は、抜いた部位や傷口から離れていることを確認してください。予定に余裕があるなら、大切な予定の1週間から10日前までに抜歯を済ませておくのが最も確実です。腫れと開きにくさも重なる期間として、1週間から10日の余裕を見ておくと予定が立てやすくなります。
受診が必要なのはどんなときですか
変色した部分に硬いしこりがあって押すと強く痛む場合、範囲が日ごとに広がり腫れも増していく場合、38度前後の熱を伴う場合、口が開けにくい状態が強まる場合です。2週間を過ぎても色調が変わらないときも、一度診てもらってください。口のなかからの出血が続いている場合は、別の対応が必要になるため早めに連絡してください。
まとめ
親知らずの抜歯後に頬や首があざのように変色するのは、処置の際に組織へしみ出した血が、皮膚や粘膜の下のゆるやかな隙間を通って重力で下へ移動したものです。打ち身のあざと同じ仕組みで、抜いた場所より下に出るのが特徴。下の親知らずでは、頬の下側からあごの縁、さらに首のほうまで下りてくることがあります。色は紫から青、緑、黄へと移り変わりながら薄くなり、多くは1〜2週間で分からなくなります。出やすいのは、横向きや深い埋伏で処置の範囲が広かった場合、皮膚が薄い方や色が白い方、年齢を重ねた方、血液をさらさらにする薬を飲んでいる場合です。この薬は自己判断で中断せず、抜歯前に必ず申し出てください。過ごし方には順番があります。当日と翌日は冷やし、3日目以降は温める。飲酒と激しい運動は腫れが引くまで控える。患部を揉んだり押したりしない。この3点を守ると引くまでの日数が短くなります。受診が必要なのは、硬いしこりを伴って強く痛む場合、範囲と腫れが日ごとに増していく場合、38度前後の熱がある場合、2週間を過ぎても色調が変わらない場合です。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海で抜歯を受けた方は、
親知らず抜歯後の注意点とドライソケット予防|原因・見分け方・対処とあわせて、腫れの経過と重ねて見ていくと判断しやすくなります。
参考・出典
- 日本口腔外科学会「親知らず(智歯)」「智歯抜歯後の合併症」
- 日本有病者歯科医療学会「抗血栓療法患者の抜歯に関する指針」
- 厚生労働省「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」
- 日本口腔科学会「口腔外科領域における周術期管理」