対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。
根管治療後に土台を立てる日(支台築造)は、30分から60分ほどで終わる処置です。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)でも「次は土台と言われたが何をされるのか」「麻酔は必要か」「その日に食事はできるか」といったご質問をいただきます。土台づくりは、空洞になった歯の内部を人工材料で補強し、被せ物を支える形を作る工程です。このページでは、当日の流れ、直接法と間接法の違い、所要時間と痛みの有無、そして帰宅後の注意を順に説明します。土台と被せ物の種類の選び方は<a href="/treatment/rootcanal-crown/">根管治療後の土台と被せ物|ファイバーコアとクラウンの選び方</a>をご覧ください。

先に結論
- 所要時間は30分から60分。その日のうちに終わる方法(直接法)が多い
- 神経がない歯なので麻酔は不要なことが多いが、歯ぐきに触れる場合は使う
- 根の中に薬が詰まっているため、その一部を削って土台の入る穴を作る
- 削りすぎると根が薄くなるため、必要最小限の深さにとどめる
- 直接法なら当日、間接法なら型取りをして次回に装着する
- 処置後は硬いものを避け、被せ物が入るまでその歯で強く噛まない
土台を立てる日に行うこと
根の治療を終えた歯は、内部の神経とその周りの歯質を失って空洞になっています。この空洞を人工材料で埋め、被せ物が乗る形を作るのが支台築造(しだいちくぞう)です。土台をコア、根の中に入る細い棒の部分をポストと呼びます。根の中に薬を詰める処置そのものは根管充填とは|根の中に薬を詰める処置の目的と使う材料で解説しています。 この処置は、根の治療の延長のようでいて、実は目的が違います。根の治療が「感染を取り除いて封じる」ことを目指すのに対し、土台づくりは「これから何年も噛む力を受け止められる構造を作る」ことを目指します。同じ歯を扱いながら、視点が治療から設計へ切り替わる工程だと考えてください。 当日は、おおむね次の順で進みます。| 手順 | 時間 | 内容 |
|---|---|---|
| 仮のふたを外す | 5分 | 前回入れた仮封を取り除き、内部の状態と汚れを確認する |
| ポスト用の穴を作る | 10分 | 根に詰めた薬の上部だけを、専用の器具で必要な深さまで除去する |
| 形を整える | 10分 | 崩れた歯質や古い詰め物を除き、土台が接着できる面を作る |
| 土台を作る | 15分 | ファイバーの芯とレジンを詰めて固める(直接法) |
| 被せ物の形に削る | 10分 | 被せ物が入る厚みと角度に整える。同日に型取りへ進むことも多い |
直接法と間接法の違い
土台の作り方には二つの方式があり、歯の残り方によって選ばれます。 直接法は、口の中で直接、ファイバーの芯とレジンを詰めて固める方法です。その日のうちに土台が完成するため、来院回数が少なくて済みます。残っている歯質が比較的多い歯に向いています。 間接法は、土台の形を型取りして技工所で作り、次回に接着する方法です。歯質が大きく失われている歯や、複数の根に太いポストを入れる必要がある歯で選ばれます。1回多く通うことになりますが、複雑な形にも精度よく対応できます。- 直接法:当日完成、来院1回、歯質が多く残る歯向き
- 間接法:型取りが必要、来院2回、歯質が少ない歯や複雑な形向き
- どちらでも被せ物の種類は自由に選べる
- 方式の選択は歯の状態が決めるもので、患者側の希望では決まらないことが多い
土台の材料と選び分け
土台に使われる材料は、大きく三つに分かれます。それぞれ性質が違うため、歯の残り方と噛む力に応じて選ばれます。| 材料 | 性質 | 向いている歯 |
|---|---|---|
| ファイバー+レジン | 歯の内部に近いしなり方をして、噛む力を分散させる。白いので被せ物の色を邪魔しない | 多くの歯。前歯にも奥歯にも |
| レジンのみ | ポストを使わず、詰めて固めるだけ。削る量が最も少ない | 歯質が多く残っている歯 |
| 金属 | 強度は高いが硬く、力が根の一点に集中しやすい | 既に入っていて問題のない歯 |

麻酔と痛みについて
「神経がない歯なのに麻酔をするのか」というご質問をよくいただきます。結論から言えば、多くの場合は不要です。歯の内部には痛みを感じる神経が残っていないためです。 麻酔を使うのは、次のような場合です。歯ぐきに器具が触れる位置まで削る必要があるとき。歯ぐきから出血していて、止血のための処置を伴うとき。そして、以前の治療の記憶から不安が強い方が希望されたときです。麻酔を使うかどうかは、処置前に必ず確認してください。 処置中に強い痛みが出た場合は、遠慮なく手を挙げてください。神経がないはずの歯で痛みを感じるときは、根の先の組織に炎症が残っている、隣の歯に触れている、といった原因が考えられます。原因の切り分けは根管治療中・治療後に痛いのはなぜ?対処と受診の目安をご覧ください。 なお、この日の処置では削る音と振動が続きます。神経がないため痛みはなくても、音が苦手な方には負担になることがあります。休憩を挟みたいときは、事前にその旨を伝えておくと配慮を受けやすくなります。当院でも、処置の区切りごとに一度うがいをしていただく形で進めることがあります。 処置後は、噛んだときに軽い違和感が数日残ることがあります。土台を接着した直後は歯の中に力が加わった状態で、根の周りの組織が反応するためです。日を追って軽くなるのが通常の経過です。根を削りすぎないことがなぜ大切か
土台づくりで最も重視されるのは、ポストを入れるために根をどれだけ削るかという判断です。深く太い穴を作れば土台はしっかり固定されますが、その分だけ根の壁が薄くなります。 神経を取った歯の最大の弱点は、根が縦に割れることです。壁が薄くなった根に噛む力が加われば、くさびのように押し広げられて裂けます。縦のひびが入った歯は接着では治せず、多くの場合は抜歯になります。詳しくは歯根破折(歯の根が割れる)とは|症状の見分け方と抜歯になる条件をご覧ください。 目安として、ポストの長さは根の長さの3分の1から2分の1程度、根の先には薬が4mm以上残るように、といった考え方が用いられます。これは、根の先の封鎖を壊さず、かつ土台が抜けない長さを両立させるための線引きです。数値は歯の形と根の曲がり方によって調整されます。 そのため現在の考え方では、ポストは「必要なだけ、それ以上は入れない」ものとされています。歯質が十分に残っている歯では、ポストを使わずレジンだけで土台を作ることもあります。歯ぐきより上の歯質が足りない場合は、削って合わせるのではなく、歯を引き上げたり歯ぐきの形を整えたりして土台となる部分を確保します。方法は歯ぐきより上の歯質が足りない歯は残せる?矯正的挺出と歯冠長延長術で解説しています。 土台の材料そのものについては、しなり方が歯に近いファイバーが選ばれることが増えています。神経を取った歯のその後の考え方は神経を抜いた歯はどうなる?寿命と長持ちさせるコツもあわせてご覧ください。 なお、複数の根がある奥歯では、すべての根にポストを入れる必要はありません。最も太くまっすぐな根に一本入れれば足りることがほとんどで、曲がった細い根に無理に入れると穴が横に抜けます。この事故は側方穿孔と呼ばれ、起きると歯を残すことが難しくなります。処置の安全性という観点からも、ポストは控えめに設計されます。当日と帰宅後の注意
処置の当日は、次の点にご注意ください。- 接着材が完全に落ち着くまで、その歯では硬いものを噛まない
- 麻酔を使った場合は、切れるまで熱い飲食物と頬を噛むことに注意
- 仮歯が入った場合は、粘着性の強い食べ物を避ける
- 歯ぐきに触れる処置をしたときは、当日の激しい運動と飲酒を控える
- 噛み合わせに強い違和感があれば、我慢せず調整を受ける
土台づくりで起こりやすいトラブル
頻度は高くありませんが、次のような事態が起こることがあります。いずれも早く気づけば対応できます。 第一に、仮のふたを外した際に、内部で虫歯が進んでいるのが見つかることです。この場合は、その部分を除去してから土台を作るため、想定より歯質が減ります。帯が確保できなくなれば、先に歯ぐきの形を整える処置が必要になることもあります。 第二に、根の中に薬が十分に詰まっていないことが分かる場合です。ポスト用の穴を作る過程で判明することがあり、その場合は土台を立てる前に根の治療をやり直します。ここで気づかず被せ物まで進めてしまうと、数年後に外して作り直すことになります。 第三に、処置中に歯の壁が欠けることです。もともと薄くなっている歯では、器具が触れただけで欠けることがあります。欠けた場所によっては、土台の設計を変える必要が出ます。 第四に、土台を接着したあとに、噛むと痛みが続く場合です。多くは数日で軽くなりますが、続く場合は根の先の炎症、隣の歯との接触、噛み合わせの当たりのいずれかを確認します。原因の切り分けは根管治療中・治療後に痛いのはなぜ?対処と受診の目安をご覧ください。 第五に、時間が経ってから土台ごと外れることです。これは帯が足りない、内部で虫歯が進んだ、噛む力が強いといった原因で起こります。取れたときの対応は差し歯が土台ごと取れた|つけ直せる場合と抜歯になる場合の見分け方にまとめています。土台を立てる前に確認しておきたいこと
処置に入る前に、次の点を尋ねておくと見通しが立ちます。- 直接法か間接法か(当日で終わるか、もう1回必要か)
- ポストを使うかどうか、使うならどのくらいの深さか
- 歯ぐきより上に残っている歯質は足りているか
- 被せ物は何を予定していて、保険か自費か
- 被せ物の装着まであと何回、何週間かかるか
