口角炎(口の端が切れる)が治らない|原因と対処・受診先

対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。

更新日:2026年7月5日監修:村井亮介(DDS, MSD(米国インディアナ大学大学院 補綴科修了)/日本補綴歯科学会 会員)

口の端(口角)が赤くただれる、切れて痛い、口を大きく開けるとぱっくり割れて血がにじむ――こうした症状を「口角炎(こうかくえん)」といいます。乾燥のせいだと思ってリップクリームを塗っても、なかなか治らない、治ってもすぐ再発するという方が少なくありません。

実は、口角炎が長引くときには、口の中のカビ(カンジダ)の関与や、鉄・ビタミンの不足、合わない入れ歯によるかみ合わせの低下など、単なる乾燥では説明できない原因がかくれていることがあります。原因を見分けることで、正しい対処と受診先が見えてきます。
口角炎(口の端が切れる)が治らないのイメージイラスト
このページでは、口角炎がなぜ起きるのか、なぜ治りにくく再発しやすいのか、自分でできる対処と歯科・皮膚科・内科のどこに相談すればよいかを、厚生労働省 e-ヘルスネットや学会の解説をもとに、できるだけ分かりやすく整理します。症状の程度や原因には個人差があり、正確な診断には医療機関での診査が必要です。あくまで判断の目安としてお読みください。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海エリアで、なかなか治らない口角炎に悩む方の参考になれば幸いです。

先に結論:治らない口角炎は「乾燥以外の原因」を疑う

口角炎の多くは、乾燥や唾液・食べ物の刺激で口角の皮膚がただれることで起こります。軽いものは保湿とやさしいケアで治りますが、次のような場合には、カビ(カンジダ)の関与や栄養の不足、入れ歯の問題などがかくれていることがあり、原因への対応が必要です。当てはまるときは、歯科や皮膚科などでの相談をおすすめします。
  • 保湿しても2週間以上治らない、治ってもすぐ再発する
  • 口角に白っぽい苔状のものや、赤いただれ・ひび割れがある
  • 両側の口角が同時に切れている
  • 入れ歯を使っていて、最近合わなくなってきた・かみ合わせが低い気がする
  • 疲れやすい、だるい、口内炎や舌のヒリヒリをくり返す
臨床の現場でも、くり返す口角炎の背景に、口の中のカンジダや義歯(入れ歯)の不適合、鉄・ビタミン不足がみつかることがあります。原因によって、塗り薬・入れ歯の調整・栄養の見直しと対応が変わるため、「何が原因か」を見極めることが治すための近道です。

【セルフチェック】あなたの口角炎はどのタイプ?

口角炎は原因によって対処法も受診先も変わります。下の早見表で当てはまるタイプを探してください。
タイプ特徴主な原因緊急度主な対処/受診先
A乾燥する季節に軽く切れる・数日で治る乾燥・物理的な刺激保湿・なめ癖をやめる
B白っぽい苔・赤いただれ、くり返す口腔カンジダ(カビ)の関与歯科・皮膚科で抗真菌薬
C両側が切れる・疲れやすい・舌がヒリヒリ鉄・ビタミン(B群)不足内科で検査・栄養の見直し
D入れ歯を使用・口元のしわが深くなった入れ歯の不適合・かみ合わせの低下歯科で入れ歯・かみ合わせ調整
E口の乾き・唾液のたまりをともなうドライマウス・唾液の停滞歯科で唾液・保湿の相談

なぜ口角炎は起きて、治りにくくなるのか

口角は、皮膚と粘膜のさかいめにあり、動きが多く、唾液で湿ったり乾いたりをくり返すため、もともと荒れやすい場所です。ここに複数の原因が重なると、治りにくく再発しやすくなります。

カビ(カンジダ)の関与

口の中には、もともとカンジダというカビの仲間が少数すんでいます。ふだんは問題を起こしませんが、唾液がたまりやすい口角の環境で増えると、口角炎の原因になります。とくに、抗菌薬やステロイド吸入薬の使用後、免疫が落ちているとき、唾液の減少、入れ歯の清掃不足などで増えやすくなります。白っぽい苔状のものやくり返すただれがある場合、カンジダの関与が疑われ、抗真菌薬(カビを抑える薬)で改善することがあります。舌の白さやヒリヒリをともなう場合の見分け方は、舌の症状の解説記事もあわせてご確認ください。

鉄・ビタミンの不足

鉄分やビタミンB群(B2・B6など)が不足すると、皮膚や粘膜が弱くなり、口角炎が起こりやすくなります。両側の口角が同時に切れる、口内炎や舌のヒリヒリ・赤みをくり返す、疲れやすい・だるいといった症状をともなう場合は、栄養の不足が背景にあることがあります。この場合は内科での血液検査や、食事・栄養の見直しが役立ちます。

入れ歯の不適合・かみ合わせの低下

歯を失ったまま、あるいは合わない入れ歯を長く使っていると、上下の顎の高さ(かみ合わせの高さ)が低くなり、口角にしわが寄って唾液がたまりやすくなります。この状態はカンジダの増殖を後押しし、口角炎をくり返す原因になります。入れ歯を使っている方でくり返す口角炎がある場合は、入れ歯の適合やかみ合わせの見直しが重要です。入れ歯の調整や作り直しについては、入れ歯(義歯)とは|種類・費用・使い心地を解説で詳しく確認できます。

乾燥・なめ癖・唾液の刺激

口角を舌でなめる癖や、乾燥、唾液が付いたまま乾くことのくり返しも、口角炎を悪化させます。とくに、気になって何度もなめてしまうと、かえって荒れが進みます。
口角炎(口の端が切れる)が治らないの解説イラスト
自分でできる対処(やって良いこと) 口角炎の多くは、原因に合わせたケアと生活の見直しで改善が期待できます。
  • 口角をなめる・触る癖をやめ、刺激を減らす
  • ワセリンなどで保湿し、乾燥と唾液の付着から皮膚を守る
  • 口の中と入れ歯を清潔に保つ(入れ歯は毎日洗い、夜は外して乾かす)
  • バランスのよい食事を心がけ、鉄・ビタミンB群を含む食品をとる
  • 口の乾きが気になる場合は、こまめな水分補給・保湿ケアを行う
  • 疲れやストレスをためすぎない(免疫が落ちるとカンジダが増えやすい)
これらを2週間ほど続けても治らない、あるいは白っぽい苔状のものやくり返す場合は、自己判断のケアだけで様子を見るのではなく、原因の見極めのために受診することをおすすめします。カンジダが原因の場合、保湿だけでは治らず、抗真菌薬が必要になることがあります。

避けたほうがよいこと(NG行動)

  • 口角を気にして何度もなめる・触る(かえって荒れが進む)
  • 市販のステロイド入りの塗り薬を、原因が分からないまま長く使い続ける(カンジダが原因の場合、悪化することがある)
  • 合わない入れ歯を「慣れるだろう」と使い続ける
  • 入れ歯の清掃を怠る、つけたまま眠る(カンジダが増えやすい)
  • 疲労や栄養不足を放置し、くり返す口角炎を「体質」で片づける
とくに、原因が分からないままステロイド外用薬を使い続けると、カビが原因の場合に悪化することがあります。くり返す口角炎では、まず原因を確認することが大切です。

高齢の方・入れ歯の方でとくに多い理由

口角炎は、とくに高齢の方や入れ歯を使っている方に起こりやすいことが知られています。年齢を重ねると唾液が減りやすく、口の中でカンジダが増えやすくなること、歯を失って入れ歯を使う方が増えること、栄養が偏りやすくなることなど、いくつかの要因が重なるためです。歯を失ったまま放置したり、合わない入れ歯を使い続けたりすると、上下の顎の高さ(かみ合わせの高さ)が下がり、口元にしわが寄って口角に唾液がたまりやすくなります。これがカンジダの温床となり、口角炎をくり返す一因になります。 こうした場合、塗り薬だけでは根本的に解決しにくく、入れ歯を適切に作り直したり、かみ合わせの高さを回復させたりすることで、口角のしわや唾液のたまりが改善し、口角炎が起きにくくなることがあります。入れ歯の清掃も重要で、夜は外して洗い、しっかり乾かすことでカンジダの増殖を抑えられます。高齢の方でくり返す口角炎は、口全体の状態を見直すサインととらえるとよいでしょう。

どこを受診すればよいか

口角炎は、原因によって相談先が変わります。迷ったときは、次を目安にしてください。
  • 歯科:入れ歯を使っている、かみ合わせが低い気がする、口の乾き・口腔カンジダが疑われる、口の中の清掃を見直したい場合
  • 皮膚科:口角の皮膚のただれ・ひび割れが中心で、塗り薬での治療を相談したい場合
  • 内科:両側が切れる、疲れやすい、貧血が気になるなど、栄養不足・全身の要因が疑われる場合
入れ歯やかみ合わせ、口の中のカンジダが関係していそうな場合は、歯科が対応しやすい入り口です。名古屋・愛知・東海エリアでも、入れ歯を使っている方のくり返す口角炎では、入れ歯の適合やかみ合わせの高さを歯科で確認し、必要に応じて皮膚科・内科と連携する流れが一般的です。口角炎そのものは命に関わるものではありませんが、くり返す場合は背景に原因があることが多いため、早めに確認しておくと安心です。

放置したときに起こりうること

口角炎を放っておくと、切れた部分が広がったり、細菌の二次感染で腫れや痛みが強まったりすることがあります。カンジダが原因の場合、口角だけでなく口の中や舌にも広がることがあります。また、入れ歯の不適合や栄養不足といった背景を放置すると、口角炎をくり返すだけでなく、かむ機能の低下や体調への影響につながることもあります。「たかが口の端の荒れ」と軽く見ず、長引く場合は原因に応じた対応を受けることが、再発を防ぐ近道になります。

よくある質問

口角炎はリップクリームで治りますか

乾燥が主な原因の軽い口角炎なら、保湿で改善することがあります。ただし、カビ(カンジダ)の関与や栄養不足、入れ歯の不適合が背景にある場合は、保湿だけでは治りにくく再発しやすいとされています。2週間ほど続けても治らないときは、原因の確認のために受診をおすすめします。

両側の口角が切れるのはなぜですか

両側が同時に切れる場合、鉄分やビタミンB群の不足が背景にあることがあります。疲れやすい、舌がヒリヒリする、口内炎をくり返すといった症状をともなうときは、内科での血液検査や食事の見直しが役立ちます。カンジダの関与が重なっていることもあります。

入れ歯と口角炎は関係がありますか

はい。合わない入れ歯を長く使っていると、かみ合わせの高さが低くなって口角にしわが寄り、唾液がたまってカンジダが増えやすくなります。これがくり返す口角炎の一因になります。入れ歯を使っていて口角炎をくり返す場合は、歯科で入れ歯の適合やかみ合わせを確認してもらうとよいでしょう。

市販のステロイドの薬を塗ってよいですか

原因が分からないまま長く使うのは避けたほうがよいとされています。カビ(カンジダ)が原因の口角炎にステロイド外用薬を使い続けると、かえって悪化することがあります。くり返す・治りにくい口角炎では、自己判断で塗り続ける前に、原因を確認してもらうことをおすすめします。

名古屋で口角炎を相談するには何科ですか

入れ歯やかみ合わせ、口の中のカンジダが関係していそうな場合は、歯科が相談しやすい入り口です。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海エリアでも、皮膚のただれが中心なら皮膚科、栄養不足や貧血が気になるなら内科、というように、原因に応じて受診先を選び、必要に応じて連携する流れが一般的です。

まとめ

口角炎(口の端が切れる症状)の多くは、乾燥や刺激による皮膚のただれで、保湿とやさしいケアで治ります。しかし、なかなか治らない・くり返す口角炎の背景には、口の中のカビ(カンジダ)の関与、鉄やビタミンB群の不足、合わない入れ歯によるかみ合わせの低下といった、乾燥以外の原因がかくれていることがあります。原因によって、抗真菌薬・栄養の見直し・入れ歯やかみ合わせの調整と対応が変わるため、2週間ほどのケアで治らない、白っぽい苔状のものやくり返すただれがある、入れ歯を使っている、両側が切れる・疲れやすいといった場合は、歯科・皮膚科・内科のいずれかでの相談を検討してください。原因が分かれば、正しい対処で改善が期待できる症状です。 基礎知識としては、舌が痛い・赤い・白いときに考えられる原因と受診の目安口内炎が治らない原因と受診の目安味覚がおかしい・味がしない原因で詳しく解説しています。

参考・出典

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット(「口腔カンジダ症」「ドライマウス(口腔乾燥症)」等の解説)
  • 日本口腔外科学会/日本老年歯科医学会(口腔カンジダ症・義歯性口内炎に関する解説)
  • 日本皮膚科学会(口角炎・皮膚粘膜カンジダ症に関する解説)
  • 日本補綴歯科学会(義歯の適合・咬合高径と口角炎の関連に関する解説)
  • MSDマニュアル(家庭版・プロフェッショナル版)「口角炎」「カンジダ症」「鉄欠乏性貧血」「ビタミン欠乏」
(注:本文の数値・割合は範囲つきの一般的目安です。数値や版の最終確認は監修医が担当しています。)
口角炎(口の端が切れる)が治らないに関する予防・ケアのイメージイラスト

監修:村井 亮介(DDS, MSD/米国インディアナ大学大学院 補綴科修了)
Indiana University 大学院 補綴科修了/ACP・ITI・AO・日本補綴歯科学会 会員。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)を拠点に、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ向けて情報を発信しています。理念は「10年後も削り直さない治療」。

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