入れ歯(義歯)の種類と費用|保険と自費の違い

入れ歯の種類を「部分か総か」と「保険か自費か」の二つの軸で整理した解説図。部分入れ歯・総入れ歯の違いと保険・自費の特徴を示す

対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。

更新日:2026年5月26日監修:村井亮介(DDS, MSD(米国インディアナ大学大学院 補綴科修了)/日本補綴歯科学会 会員)
入れ歯の種類を「部分か総か」と「保険か自費か」の二つの軸で整理した解説図。部分入れ歯・総入れ歯の違いと保険・自費の特徴を示す
入れ歯(義歯)は、保険と自費で種類も費用も使い心地も変わります。名古屋・愛知でも「どこまで保険で作れるのか」と迷われる方が多い治療です。 歯を失ったあと、その部分を取り外し式で補うのが入れ歯(義歯=ぎし)です。「保険と自費でどう違うのか」「いくらくらいかかるのか」「どれくらいもつのか」「お手入れは大変なのか」――入れ歯を考えるとき、多くの方が抱く疑問です。 このページでは、入れ歯の種類を「欠損の範囲(部分か総入れ歯か)」と「保険か自費か」の二つの軸で整理し、それぞれの特徴・費用の目安・手入れの方法・寿命までを、学会のガイドラインや国内外の研究をもとにわかりやすく解説します。 費用や適応には個人差があり、医院によっても料金は異なります。最終的にどの入れ歯が合うかは、口の中の状態を診たうえでの診査診断(しんさしんだん=歯科医師が口の中を診て治療方針を決める診察)が必要です。あくまで選ぶときの判断材料としてお読みください。なお、インプラントやブリッジも含めた選び方の全体比較や、入れ歯が合わずに痛むときの対処は、それぞれ別のページで詳しく扱います。

先に結論:入れ歯選びで押さえる三つのポイント

入れ歯選びで迷ったときは、次の三つを順番に考えると整理しやすくなります。
  • 失った歯が一部か、片あごすべてか(部分入れ歯か総入れ歯か)で、まず大きな枠が決まります
  • 保険の入れ歯で十分か、自費でしか得られない薄さ・見た目・装着感を求めるかを考えます
  • 毎日の手入れと数年単位のメンテナンス(調整・修理・作り替え)を続けられるかを前提に選びます
保険の入れ歯は、費用が抑えられ短期間で作れる一方、床(しょう=歯ぐきに乗る土台部分。たとえばお椀のように歯ぐきに乗る部分)が厚くなりやすく、食べ物の温度を感じにくいという特徴があります。自費の入れ歯は、その弱点を補う選択肢が中心ですが、費用は全額自己負担となり、種類ごとに注意点(リスク)もあります。 臨床の現場では、見た目や薄さだけで決めず、残っている歯やあごの骨の状態、かみ合わせ、手入れの続けやすさまで含めて選ぶことが重視されます。

なぜ入れ歯が必要になるのか(仕組み)

歯を失った後にあごの骨(顎堤)が時間とともにやせて平らになり、入れ歯の吸着が弱まる仕組みを示した模式図
歯を失ったまま放置すると、かむ力(咀嚼能率=そしゃくのうりつ。食べ物をかみくだく効率)が落ちるだけでなく、発音がしづらくなったり、空いたすき間に向かって隣の歯が傾いたり、かみ合う相手の歯が伸び出したりして、かみ合わせ全体が少しずつ崩れていきます。 入れ歯は、こうした問題を取り外し式の装置で補い、かむ・話す・見た目を回復させる役割を持ちます。 歯を失った後のあごの骨には、もう一つ知っておきたい変化があります。歯が抜けた部分の骨(顎堤=がくてい、入れ歯が乗る土手のような部分)は、時間とともに少しずつやせて平らになっていきます。 これは残存歯槽堤吸収(ざんぞんしそうていきゅうしゅう=歯を失った部分の骨が時間とともに痩せる現象)と呼ばれ、抜歯後や入れ歯の使用後に避けがたく進む現象とされています。とくに下あごは上あごより吸収が進みやすいと報告されており、これが「下の総入れ歯は安定しにくい」と言われる理由の一つです。 総入れ歯は、歯ぐきへの密着(吸着=ピタッと貼りつくこと)と、唾液の表面張力、あごや上あごの形といった要素で口の中に保持されています。顎堤がやせて平らになると、この吸着が弱まり、入れ歯が外れやすくなったり、当たって痛みが出たりします。 臨床では、こうした骨の変化を見越して、定期的な調整や裏側を作り直す処置(リライン=入れ歯の歯ぐきに当たる面を作り直して合わせ直す処置)を行いながら長く使えるように管理していきます。

入れ歯の種類を二つの軸で整理する

入れ歯はまず「どこまで失ったか」で大きく二つに分かれます。
  • 部分床義歯(ぶぶんしょうぎし=部分入れ歯):歯が一部残っている場合に使い、残った歯にクラスプ(金属のバネ。残った歯にひっかけて入れ歯を固定する金具)などを掛けて固定します
  • 全部床義歯(ぜんぶしょうぎし=総入れ歯):片あごの歯がすべてない場合に使い、歯ぐきと顎堤への吸着で支えます
そのうえで、日本では「保険でつくるか、自費でつくるか」という制度上の軸が重なります。 保険の入れ歯は床にレジン(歯科用プラスチック)を使い、部分入れ歯では金属のバネで残った歯に掛けます。材料や設計、作る回数が制度で決められている代わりに、費用が抑えられます。 自費の入れ歯は、金属床(きんぞくしょう=床の一部に金属を使うタイプ)やバネのないタイプなど、保険では選べない材料・設計が使えますが、原則として費用は全額自己負担です。日本では一つの入れ歯の中で保険と自費を混ぜること(混合診療)はできないため、どちらかを選ぶ形になります。 保険と自費の考え方そのものをもっと知りたい方は、歯科の保険診療と自費診療の違いをわかりやすく解説 のページもあわせてご覧ください。

保険の入れ歯:費用を抑えて早く作れる基本の選択肢

保険の入れ歯は、床にレジン(歯科用プラスチック)を使い、部分入れ歯では金属のクラスプ(バネ)で支えます。最大の利点は、費用が抑えられ、比較的短期間で作れ、全国どこの歯科でも作製・修理ができることです。 費用の目安は、健康保険3割負担の場合で、部分入れ歯がおおむね5,000〜10,000円程度、総入れ歯がおおむね10,000〜15,000円前後(いずれも片あご)とされています。負担割合が1割の方はさらに低くなります。 作製には型取りからかみ合わせの調整まで、おおむね4〜5回・3〜4週間ほどの通院が一般的です。これらは目安であり、欠損の本数や状態、医院によって変わります。 一方で、保険の入れ歯には次のような弱点があります。
  • レジンの床は強度を保つために厚くなりやすく、違和感や発音のしづらさが出ることがあります
  • レジンは熱を伝えにくいため、食べ物や飲み物の温度を感じにくくなります
  • 部分入れ歯では金属のバネが見えることがあり、見た目を気にする方もいます
  • たわみや破折が起こることがあり、定期的な調整が必要です
臨床の現場では、まず保険の入れ歯でかむ機能を取り戻し、使い心地や弱点が気になった段階で自費の選択肢を検討する、という進め方もよくとられます。

自費の入れ歯:薄さ・見た目・装着感を高める選択肢

保険のレジン床の入れ歯と自費の金属床の入れ歯を並べて、床の厚みと特徴の違いを比較した図
自費の入れ歯は、保険では補いにくい薄さ・温度の感じやすさ・見た目・安定感を求める方に向けた選択肢です。それぞれに利点と注意点(リスク)があり、費用は医院によって大きく異なります。以下の金額はあくまで一般的な目安であり、正確な費用は説明を受けたうえで確認してください。

金属床義歯(きんぞくしょうぎし=金属の薄い床を使う入れ歯)

床の一部にコバルトクロムやチタン、金などの金属を使うタイプです。床を薄くできるため違和感が少なく、金属は熱を伝えやすいので食べ物の温度を感じやすく、強度が高くたわみにくいという利点があります。 注意点としては、費用が高くなること、金属アレルギーのある方は材料の選択に配慮が必要なこと(チタンは比較的アレルギーが起きにくいとされます)、修理が保険のレジン床より手間がかかることが挙げられます。費用はおおむね20万〜100万円程度と幅があり、部分か総か、使う金属によって変わります。

ノンクラスプデンチャー(バネのない部分入れ歯)

弾力のある樹脂を使い、金属のバネを使わずに歯ぐきの色になじませて固定する部分入れ歯です。バネが見えないため見た目が自然で、装着感が軽く、金属アレルギーの心配がないのが利点です。 注意点として、素材の性質上、金属を併用する入れ歯より耐久性が劣る傾向があり、寿命はおおむね3〜5年程度とされ、素材によっては修理や調整がしにくいことがあります。強いかむ力がかかる場合には向かないこともあります。費用はおおむね8万〜50万円程度です。

マグネット義歯(磁石で固定する入れ歯)

残った歯の根やインプラントなどに磁石を組み込み、入れ歯側の磁石と引き合わせて安定させるタイプです。着脱が簡単で維持力が安定し、バネが見えず審美的(しんびてき=見た目がきれい)という利点があります。 土台となる歯の根の状態に左右される点に注意が必要です。費用は情報によってばらつきが大きく、磁石(アタッチメント=入れ歯と残った歯やインプラントをつなぐ連結装置)部分の費用と入れ歯本体の費用を分けて見積もる必要があるため、内訳をよく確認することをおすすめします。

シリコン義歯(裏側がやわらかい入れ歯)

歯ぐきに当たる面にやわらかいシリコーンを裏打ちしたタイプです。顎堤がやせて粘膜が薄くなり、硬い入れ歯では痛みが出る方に向いていて、かむ力を分散して痛みを和らげる効果が期待できます。 注意点として、シリコンは劣化するため数年に一度の張り替え(再裏装=さいうらそう)が必要で、変色やカンジダ(後述する真菌)の付着が起こりやすく、清掃に注意がいります。費用は片あごで40万〜60万円程度との報告があります。

インプラントを支えにする入れ歯(オーバーデンチャー)

あごの骨にインプラント(人工歯根)を埋め、それを支えとして入れ歯を安定させる方法です。とくに不安定になりやすい下あごの総入れ歯で、維持や安定、かむ力、満足度が従来の総入れ歯より高まると報告されています。 一方で外科処置が必要で費用も高く、全身の状態や骨の量による制約があります。インプラントの本数や術式の詳細は、入れ歯そのものの範囲を超えるため、別のページで扱います。

どれくらいかむ力が戻るのか:研究データから

入れ歯を入れても、天然の歯と同じようにかめるわけではない点は、あらかじめ知っておくことが大切です。 複数の文献レビューでは、総入れ歯の方のかむ効率は、天然歯のある方に比べて低下し、その低下はおおむね2〜5割程度の幅で報告されています(数値は研究や測定方法により幅があります)。入れ歯の方は、かむ回数を増やして飲み込める状態まで食べ物を細かくすることで、この差を補っているとも報告されています。 かむ力に最も関係するのは、残っている自分の歯の本数だとする研究もあります。つまり、できるだけ自分の歯を残すことが、入れ歯になった後のかみやすさにもつながります。 安定しにくい下あごの総入れ歯では、インプラントで支えるオーバーデンチャーにすると、同じ硬さまでかむのに必要なかむ回数が大きく減ったとする比較研究もあり、満足度やかむ力の向上が複数の系統的レビュー(けいとうてきレビュー=多くの研究結果をまとめて評価した報告)で示されています。ただし一部の研究では差がはっきりしなかったとの報告もあり、効果には個人差があります。

入れ歯の手入れ:毎日のケアがトラブルを防ぐ

入れ歯を外して専用の義歯ブラシで磨き、就寝時は外して清潔な水に保管する毎日の手入れの様子を示した図
入れ歯を長く快適に使うには、毎日の手入れが欠かせません。 入れ歯の表面には、デンチャープラーク(入れ歯に付く細菌のかたまり)と呼ばれるバイオフィルム(ぬめりのような細菌の膜)が付きやすく、これは通常の歯ブラシや歯磨き粉では落としにくいとされています。 研磨剤入りの歯磨き粉は床に細かい傷をつけ、かえって細菌の温床になることがあるため、専用の義歯ブラシで機械的に磨くことが基本です。 毎日のケアとして、次のことが勧められます。
  • 1日1回以上、入れ歯を外して義歯ブラシで全体を磨く(これが手入れの土台です)
  • 義歯洗浄剤(発泡タブレットなど)に浸して化学的にも清掃する
  • 就寝時は原則として入れ歯を外し、清潔な水などに入れて保管する
  • 残っている歯がある方は、入れ歯を外したうえで自分の歯も忘れずに磨く
とくに就寝時の扱いは重要です。入れ歯を入れたまま眠り続けると、義歯性口内炎(ぎしせいこうないえん=入れ歯が当たる歯ぐきの粘膜にカンジダという真菌=カビの一種が増えて起こる炎症)のリスクが高まると報告されています。 義歯性口内炎の徴候がある方の多くから真菌が検出されるという報告もあり、その対処の中心は、夜間に入れ歯を外すことと、入れ歯をしっかり清掃することだとされています。 漂白剤などを自己判断で使うと金属部分が傷むおそれがあるため、薬剤を使った消毒は歯科の指示のもとで行うのが安全です。入れ歯のバイオフィルムを毎日除去することは、口の中だけでなく、高齢の方では誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん=食べ物や唾液が誤って気管に入り肺で炎症を起こす病気)などの予防の観点からも大切だと考えられています。

入れ歯の寿命と作り替え・修理

入れ歯には寿命があります。お口の中は顎堤がやせるなど少しずつ変化していくため、作ったときはぴったりでも、年月とともに合わなくなっていきます。一般に、合わなくなったり壊れたりしたときは、調整・修理・裏側の作り直し(リライン)・作り替えで対応します。 保険の入れ歯には、知っておきたい制度上のルールがあります。保険では原則として、入れ歯を新しく作ってから6か月以内は、同じ部位の入れ歯を新たに保険で作り直すことができません。これは型取りを行った日からの数え方が基本です。 ただし、けがなどの急な原因で歯を失った場合や、引っ越しで前の歯科にかかれない場合など、一定の例外は認められています。裏側を作り替えるリライン(床裏装=しょううらそう)や修理は別の扱いで保険算定でき、合わなくなった入れ歯を新製せずに調整して使い続けることもよくあります。 臨床の現場では、合わない入れ歯を無理に使い続けると、粘膜を傷つけたり、かみ合わせのバランスが崩れたりするため、違和感が出た段階で早めに相談することが勧められます。入れ歯が合わない・痛い・外れる原因と対処 については、別のページでくわしく解説しています。

最新の考え方とまだ議論がある点(2024〜2026)

近年は、コンピューターで設計して削り出したり、3Dプリンターで作ったりするデジタルデンチャー(デジタル入れ歯)が臨床に入り始めています。口の中をスキャンしたデータから設計するため、作業時間の短縮や、データを保存しておけることで紛失・破損時に再製しやすいといった利点が注目されています。 2024年までの系統的レビューでは、削り出しと3Dプリントのいずれも臨床的に許容できる適合を示すと報告されていますが、見た目や発音の一部では従来の作り方がやや優れるとの混在した結果もあり、評価が定まりつつある段階です。 日本の保険制度では、被せ物の分野でCAD/CAM冠(キャドキャムかん=コンピューター設計の白い被せ物)の保険適用が2024年の改定で広がりましたが、入れ歯のデジタル化(3Dプリント有床義歯など)はまだ議論の段階で、保険での扱いは限定的です。日本補綴歯科学会も3次元プリント有床義歯の診療指針を整備しており、今後の制度改定に注目していく分野といえます。 専門家の間で議論が続く論点もあります。代表的なのが、下あごの総入れ歯に対するインプラントオーバーデンチャーの位置づけです。 2002年に発表されたマギル・コンセンサスでは「下あごの無歯あご(むしあご=歯が一本もない状態)に対する第一選択は、2本のインプラントで支えるオーバーデンチャーであるべき」と提言され、これを支持する見解が国際的に示されています。 一方で、外科処置の負担や費用、全身状態の制約から、従来の総入れ歯で十分満足する方も多く、すべての人に勧められるわけではないという現実的な議論もあります。すでに定まった知見と、今後変わりうる論点を分けて捉えると安心です。

入れ歯を長持ちさせ、口の健康を守るために

入れ歯を快適に使い続けるためには、毎日の手入れに加えて、定期的に歯科で調整やお口のチェックを受けることが役立ちます。次のような習慣が、入れ歯と口の健康を守ることにつながると考えられています。
  • 合わないと感じたら早めに相談し、自己判断で削ったり接着剤で固定したりしない
  • 定期的に受診し、かみ合わせや顎堤の変化に合わせて調整・リラインを受ける
  • 残っている自分の歯を大切にケアして、できるだけ長く保つ
  • 毎日の清掃と夜間の取り外しを習慣にして、義歯性口内炎を予防する
残っている歯を守ることは、将来の入れ歯のかみやすさにも直結します。歯を失った部分をどう補うかには、入れ歯のほかにブリッジという方法もあり、それぞれに利点と注意点があります。ブリッジ治療のメリット・デメリットと費用 を知りたい方は、あわせてご確認ください。

よくある質問

Q

保険の入れ歯と自費の入れ歯は何がいちばん違いますか

A

材料と設計の自由度が違います。保険はレジンの床で費用を抑えられますが厚くなりやすく温度を感じにくい一方、自費は金属床で薄くしたり、バネのない設計にしたりと選択肢が広がります。ただし自費は全額自己負担で、種類ごとに注意点があります。

Q

保険の入れ歯はいくらくらいかかりますか

A

3割負担の場合、部分入れ歯でおおむね5,000〜10,000円、総入れ歯でおおむね10,000〜15,000円前後(いずれも片あご)が目安とされています。欠損の状態や医院によって変わるため、正確な金額は受診時に確認してください。

Q

入れ歯はどれくらいもちますか

A

お口の変化や材料によりますが、合わなくなれば調整・リライン・修理で対応します。保険では原則として、新しく作ってから6か月以内は同じ部位を保険で作り直せないルールがあります(けがや転居など一定の例外あり)。

Q

入れ歯で天然の歯と同じようにかめますか

A

同じようにはかみにくいのが一般的です。研究では、総入れ歯のかむ効率は天然歯のある方より低下し、その差を補うためにかむ回数が増えると報告されています。下あごの不安定さはインプラントで支える方法で改善が期待できます。

Q

入れ歯は寝るときに外したほうがよいですか

A

原則として就寝時は外すことが勧められます。入れたまま眠り続けると、歯ぐきにカンジダという真菌が増える義歯性口内炎のリスクが高まると報告されています。外したあとは清潔な水などに入れて保管してください。

Q

入れ歯のお手入れで気をつけることはありますか

A

普通の歯磨き粉は研磨剤で床を傷つけることがあるため、専用の義歯ブラシで機械的に磨くのが基本です。義歯洗浄剤の併用も有効です。漂白剤などを自己判断で使うと金属部分を傷めることがあるため、薬剤消毒は歯科の指示に従ってください。

Q

バネが見えない入れ歯はありますか

A

ノンクラスプデンチャーは金属のバネを使わず見た目が自然です。ただし耐久性は金属併用より劣る傾向があり、寿命はおおむね3〜5年程度とされます。強いかむ力には向かないことがあり、適しているかは診査診断によります。

まとめ

入れ歯は、失った歯が一部か片あごすべてか(部分入れ歯か総入れ歯か)と、保険か自費かという二つの軸で整理すると選びやすくなります。保険の入れ歯は費用を抑えて早く作れますが床が厚く温度を感じにくく、自費の入れ歯は薄さ・見た目・装着感を高められる代わりに全額自己負担で種類ごとの注意点があります。総入れ歯では天然の歯ほどはかみにくく、下あごの不安定さにはインプラントで支える方法もあります。毎日の清掃と夜間の取り外しで義歯性口内炎を防ぎ、合わなくなったら早めに調整・リライン・修理を受けることが、入れ歯を長く快適に使うコツです。どの入れ歯が合うかは口の中の状態によって変わるため、気になる方は早めに歯科で相談することをおすすめします。 あわせて、歯を失ったときの選択肢部分入れ歯の種類と費用総入れ歯の種類と費用保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いも参考になります。 関連する疑問については、入れ歯が合わない・痛いにまとめています。 総入れ歯の安定にお悩みの方には、インプラントで固定するオールオン4という治療法もあります。あわせて検討材料にしてください。

参考・出典

  • 日本補綴歯科学会「有床義歯補綴診療のガイドライン(2009改訂版)」(Minds 掲載)
  • 日本補綴歯科学会「リラインとリベースの臨床指針 2023」「軟質リライン材によるリライン 2023」「3次元プリント有床義歯の診療指針」
  • 「歯の欠損の補綴歯科診療ガイドライン2008」(Minds 掲載)
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット(歯・口腔の健康に関する解説)
  • 歯科診療報酬点数表(有床義歯・内面適合法・有床義歯修理、6か月新製ルール)
  • 総義歯の咀嚼能率に関する文献レビュー(Complete denture masticatory efficiency literature review 等)
  • 可撤性義歯の咀嚼能率・口腔関連QOLに関する系統的レビュー
  • インプラントオーバーデンチャーと従来総義歯の比較研究・系統的レビュー/メタアナリシス
  • McGill Consensus Statement on Overdentures(2002, Gerodontology)/York Consensus Statement(2009)
  • 残存歯槽堤吸収(顎堤吸収)に関するレビュー・臨床研究
  • 義歯の清掃法・義歯性口内炎・カンジダに関する臨床研究・レビュー(DermNet ほか)
  • CAD/CAM・3Dプリント義歯の適合・満足度に関する系統的レビュー/メタアナリシス(2024)
(注:本文中の数値は研究により幅があり、一般的な目安としてお示ししています。費用は医院により異なります。最新版ガイドラインの版・具体的数値・保険点数は監修者が確認・更新します。)

監修:村井 亮介(DDS, MSD/米国インディアナ大学大学院 補綴科修了)
Indiana University 大学院 補綴科修了/ACP・ITI・AO・日本補綴歯科学会 会員。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)を拠点に、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ向けて情報を発信しています。理念は「10年後も削り直さない治療」。

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