対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。
ナイトガードは、就寝中の歯ぎしりや食いしばりから歯を守るために使うマウスピースです。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)でも、検診で歯のすり減りを指摘されて作る方、朝の顎のだるさをきっかけに相談される方が多くいらっしゃいます。このページでは、装置そのものに絞って、保険で作れる条件、費用の目安、種類の違い、日々の手入れ、そして何年くらいで作り替えるのかを整理します。歯ぎしりの原因と治療全般については<a href="/symptom/hagishiri/">歯ぎしり・食いしばりの原因と治療|マウスピース・ボトックスは効く?</a>をご覧ください。
要点
- 歯ぎしりを止める装置ではなく、力を分散して歯を守る装置
- 保険で作れる。3割負担でおよそ3,000〜6,000円が目安
- 硬いタイプと軟らかいタイプがあり、目的で使い分ける
- 寿命は使い方により1〜3年程度。穴が開く前に相談する
- 熱湯・煮沸は変形の原因。水と専用洗浄剤で手入れする
- 合わないまま使い続けると、噛み合わせに影響が出ることがある
種類ごとの違いを並べます。
| 種類 | 特徴 | 向いている状態 | 費用の目安 |
| 硬いタイプ | 薄く作れて変形しにくい。調整がしやすい | 強い食いしばり、長期の使用 | 保険3割で約5,000円前後 |
| 軟らかいタイプ | 装着感が軽い。作製が早い | まず試したい方、装着に慣れたい方 | 保険3割で約3,000円前後 |
| 自費の装置 | 材質や設計を細かく指定できる | 調整を重ねても合わない場合 | 15,000〜40,000円程度 |
| 市販品 | 既製の形を湯で軟らかくして合わせる | 応急的な使用にとどまる | 2,000〜5,000円程度 |
※費用は医院や地域で差があります。目安としてご覧ください。
何をしてくれる装置なのか
誤解が多い部分から整理します。ナイトガードは、歯ぎしりそのものを止める装置ではありません。
就寝中の歯ぎしりは、眠りの深さや呼吸、ストレスなど複数の要因が関わって起こります。装置を入れても、この現象自体がなくなるわけではありません。
では何をしているかというと、上下の歯の間に一枚を挟むことで、一点に集中していた力を面で受け止め、分散させています。歯の先端やエナメル質が直接ぶつかることを防ぎ、すり減りや欠けを減らします。
もう一つの働きは、力の逃がし方です。装置の表面が滑ることで、顎の筋肉にかかる負担がやわらぐ場合があります。朝の顎のだるさが軽くなったという声は、この作用によるものと考えられます。
守られるのは歯だけではありません。詰め物や被せ物、特にセラミックのように硬い材料は、強い力で割れることがあります。この点は
セラミックの詰め物・被せ物が割れた・欠けた|原因と作り直しの判断で扱っています。歯そのものが欠ける場合は
歯が欠けた・折れたときの応急処置と治療もご覧ください。
保険で作れる条件と費用
ナイトガードは保険診療で作製できます。歯ぎしりや食いしばりによって歯や顎に影響が出ている、あるいはそのおそれがあると判断された場合が対象です。
3割負担の方で、おおむね3,000円から6,000円程度が目安になります。材質と設計によって幅があります。この中には、型取り、装置の作製、装着時の調整が含まれます。
作製後の調整は、装着後しばらくの間、保険の範囲で行われます。当たって痛い部分がある、噛み合わせが高く感じるといった場合は、我慢せず調整を受けてください。
自費で作る場合は、材質や厚み、設計を細かく指定できます。金額は15,000円から40,000円程度が一般的です。保険の装置で調整を重ねても合わない場合の選択肢になります。保険と自費の考え方は
歯科の保険診療と自費診療の違いをわかりやすく解説、費用全体の相場は
歯科治療の費用の目安|治療内容別の相場一覧をご覧ください。
なお、保険で作った場合、次に作り替えるまでに一定の期間が必要とされます。紛失や破損の場合の扱いは医院で確認してください。
作るまでの流れ
来院から装着まで、通常は2回です。
初回は、まず口の中を確認します。歯のすり減り方、頬の内側の圧痕、顎の関節や筋肉の状態を見ます。すり減りの分布から、どこにどう力がかかっているかが推測できます。
そのうえで型を取ります。近年は光学式のスキャナーで読み取る医院も増えました。型取りが苦手な方は、その旨を伝えてください。対応の工夫は
歯医者の型取りが苦手・オエッとなる|嘔吐反射の対策と光学スキャナーにまとめています。
1〜2週間後に完成し、装着します。ここで噛み合わせの高さを調整します。装置を入れた状態で、上下の歯が均等に当たるように削って合わせる作業です。この調整の精度が、使い心地を左右します。
装着したその日から就寝時に使い始めます。最初の数日は違和感がありますが、多くの方は1〜2週間で慣れます。眠っている間に外れてしまう場合は、次の受診で相談してください。
その後、1〜2週間後に一度確認し、その後は検診のたびに状態を見ます。確認の内容は
歯の定期検診では何をする?内容・費用・所要時間をご覧ください。
手入れの方法と、やってはいけないこと
装置は口の中で一晩過ごすものです。手入れの良し悪しが、においと寿命に直結します。
朝、外したら流水で洗います。ブラシでこするのは構いませんが、歯磨き粉は使わないでください。研磨剤で細かい傷がつき、そこに汚れがたまります。
洗った後は、水気を切って乾かします。濡れたままケースに入れると、細菌が増えやすくなります。ケースは通気のあるタイプが向いています。
週に1〜2回は、義歯用または装置用の洗浄剤に浸けます。白く曇ってきた、においが気になるという場合は、頻度を上げてください。
避けるべきなのは熱です。熱湯をかける、煮沸する、食洗機に入れる。いずれも変形の原因になります。夏場の車内に放置するのも危険です。変形した装置は合わなくなり、作り直しになります。
外したまま乾燥した場所に長期間置くと、素材によっては変形します。使わない期間があるときは、水に浸けて保管するか、指示された方法に従ってください。
保管場所にも注意が必要です。ティッシュに包んで置いたために、誤って捨ててしまう事例は少なくありません。必ずケースに入れる習慣をつけてください。ペットが噛んでしまう事故も起こります。
寿命と作り替えの目安
どのくらい持つのかは、力の強さと使用頻度で大きく変わります。目安としては1〜3年程度です。
強い食いしばりのある方では、半年から1年で穴が開くこともあります。逆に、力が弱く毎日使っていない方では、数年もつ場合もあります。
作り替えを検討する目安は次のとおりです。穴が開いた、大きく削れて薄くなった、ひび割れが入った、においが取れなくなった、装着時にゆるく感じる。いずれかが当てはまれば相談してください。
穴が開いた状態で使い続けると、その部分だけ歯が直接当たることになり、装置の意味が薄れます。また、薄くなった装置は割れやすく、破片を誤って飲み込む危険もあります。
歯の治療をした後も注意が必要です。詰め物や被せ物を新しくすると、装置が合わなくなります。治療の後は、装置が入るかどうかを確認してもらってください。
すり減り方は、力のかかり方を知る手がかりにもなります。どこが早く薄くなるかを見れば、就寝中に何が起きているかが推測できます。歯そのもののすり減りについては
食いしばり・歯ぎしりで歯がすり減る(咬耗)|削れた歯の影響と対処を歯科医が解説をご覧ください。
効果を実感しにくいときに確認すること
装置を使っても症状が変わらない、という声もあります。いくつか確認する点があります。
一つ目は、装着できているかどうかです。眠っている間に無意識に外している場合、朝ケースの外に落ちている、口の中にない、といった形で気づきます。この場合は装置の設計を見直します。
二つ目は、症状の原因が別にある可能性です。朝の顎の痛みは、食いしばりだけでなく顎関節の問題によることもあります。見分け方は
朝起きると顎が痛い・だるい原因|睡眠中の食いしばりを疑うサインと対処と
顎関節症は自然に治る?治し方とセルフケア・治るまでの期間を歯科医が解説にまとめました。
三つ目は、日中の食いしばりです。就寝時の装置は日中には働きません。パソコン作業中や運転中に噛みしめている方では、日中の対策が必要になります。頭痛との関係は
食いしばりで頭痛・肩こりが起きる仕組みと対策で扱っています。
四つ目は、噛み合わせそのものです。特定の歯だけが強く当たっている場合、装置とは別に調整が必要になることがあります。
被せ物・詰め物の高さが合わない|違和感を我慢してはいけない理由をご覧ください。
いずれの場合も、使用を自己判断で中止する前に、一度診てもらってください。
スポーツ用のマウスガードとの違い
同じ「マウスピース」と呼ばれますが、目的も設計も別のものです。
スポーツ用は、外からの衝撃を受け止めるための装置です。厚みがあり、歯と唇や頬の間の緩衝も担います。競技によっては装着が義務づけられています。詳しくは
スポーツマウスガードとは|市販とオーダーメイドの違い・費用・作り方をご覧ください。
一方、就寝時に使う装置は、持続的にかかる力を分散するためのものです。厚みは必要最小限に抑え、装着したまま眠れることを優先します。
したがって、スポーツ用を就寝時に使うことも、就寝用を競技中に使うことも適しません。両方が必要な方は、別々に作ることになります。
なお、矯正治療で使うマウスピースとも別物です。あちらは歯を動かすための装置で、力を分散する目的ではありません。矯正の装置については
マウスピース矯正(インビザライン等)の費用・期間・適応をご覧ください。
市販品との違いをどう考えるか
薬局やインターネットで購入できる製品もあります。位置づけを整理しておきます。
市販品の多くは、既製の形を湯で軟らかくして口の中で形を取るタイプです。手軽さと価格が利点ですが、噛み合わせの調整はできません。
問題になるのは、高さが均等でない状態で長期間使った場合です。特定の歯だけが強く当たる状態が続くと、その歯に負担が集中したり、噛み合わせの感覚が変わったりすることがあります。
また、厚みの調整ができないため、装着感が合わずに続かない例も見られます。
短期間の応急的な使用であれば選択肢になりますが、毎晩続けて使うのであれば、調整を受けられる装置のほうが安全です。保険で作れることを知らずに市販品を使い続けている方は少なくありません。歯の状態の確認も兼ねて、一度相談されることをお勧めします。検診で何を見ているかは
歯の定期検診に行かないとどうなる?3年後・5年後に起きる変化と費用の差にも書いています。
装着に慣れるまでの工夫
「気になって眠れない」という理由で、数日でやめてしまう方がいます。慣れるための工夫を挙げます。
まず、就寝の直前ではなく、寝る1時間ほど前から入れてみてください。起きている時間に装着して過ごすことで、異物感が薄れていきます。テレビを見ている時間などに試すと負担が少なくなります。
次に、外れてしまう場合の対処です。眠っている間に舌で押し出してしまう方がいます。この場合、設計を変える、覆う範囲を調整するといった対応があります。次の受診で伝えてください。
唾液が増えて気になるという声もあります。これは装置を異物として認識している反応で、多くは数日で落ち着きます。
吐き気を感じる場合は、覆う範囲が広すぎる可能性があります。奥まで届く形が苦手な方には、範囲を狭めた設計が選ばれることもあります。型取りが苦手な方への対応と同様、遠慮なく相談してください。
なお、数日使わなかった後に再開すると、また違和感が出ることがあります。毎日続けるほうが、結果的に楽になります。
日中の食いしばりへの対応
装置は就寝時のものですが、日中に噛みしめている方も少なくありません。この場合、別の対応が必要になります。
まず、気づくことから始めます。上下の歯は、本来ほとんど接触していません。会話や食事のとき以外は、わずかに離れているのが自然な状態です。
日中、ふと気づいたときに歯が当たっていれば、それが噛みしめです。パソコンの画面に付箋を貼る、時計のアラームを使うといった方法で、気づく回数を増やします。
気づいたら、息を吐きながら肩の力を抜き、上下の歯を離します。この繰り返しで、筋肉の緊張が積み重なるのを防ぎます。
姿勢も関わります。画面を見下ろす前傾の姿勢が続くと、顎まわりの筋肉に負担がかかります。作業の合間に姿勢を戻す時間を挟んでください。
作った後の通院について
装置を入れて終わり、ではありません。その後の確認が必要です。
装着から1〜2週間後に、一度確認の受診があります。使ってみて当たる部分がないか、外れていないかを見ます。
その後は、検診のたびに装置を持参してください。すり減り方、ひび、においを確認し、必要があれば調整します。持参を忘れる方が多いため、ケースを鞄に入れておくか、受診日の前夜に用意しておくと確実です。
歯の治療をした後も、必ず適合を確認してもらってください。詰め物や被せ物が変われば、装置は合わなくなります。
使わなくなる前に相談する
途中で使わなくなる理由の多くは、装置そのものより「合わなくなったまま放置した」ことにあります。
違和感が出たとき、痛い部分があるとき、外れるようになったとき。いずれも調整で改善する可能性があります。作り直しになる場合でも、早めに分かるほうが負担は小さくなります。
よくある質問
ナイトガードは保険で作れますか
作れます。歯ぎしりや食いしばりで歯や顎に影響が出ている、またはそのおそれがあると判断された場合が対象です。3割負担でおよそ3,000〜6,000円が目安で、型取り・作製・装着時の調整が含まれます。作り替えには一定の期間が必要とされます。
ナイトガードをすれば歯ぎしりは治りますか
歯ぎしりそのものを止める装置ではありません。上下の歯の間に一枚を挟むことで力を面で受け止め、歯や被せ物のすり減り・欠けを防ぎます。顎の筋肉の負担がやわらぐこともありますが、原因への対応は別に考える必要があります。
寿命はどれくらいですか
使い方によりますが1〜3年程度が目安です。力の強い方では半年から1年で穴が開くこともあります。穴が開いた、薄くなった、ひびが入った、ゆるく感じるといった変化があれば作り替えを相談してください。破片の誤飲を防ぐ意味もあります。
手入れはどうすればよいですか
朝外したら流水で洗い、水気を切って乾かします。歯磨き粉は研磨剤で傷がつくため使いません。週に1〜2回は装置用の洗浄剤に浸けます。熱湯・煮沸・食洗機は変形の原因になるため避け、必ずケースで保管してください。
市販のマウスピースでも代用できますか
短期間の応急的な使用にとどめてください。市販品は噛み合わせの調整ができず、高さが均等でないまま長く使うと特定の歯に負担が集中することがあります。毎晩続けて使うのであれば、調整を受けられる装置のほうが安全です。
スポーツ用のマウスガードと同じものですか
別のものです。スポーツ用は外からの衝撃を受け止めるため厚みがあり、就寝用は持続的にかかる力を分散するため厚みを抑えて作ります。目的も設計も違うため、互いに代用することは適しません。両方必要なら別々に作ります。
つけて寝ると口が乾きますが問題ありませんか
装置により口が閉じにくくなると乾きやすくなることがあります。乾燥が続くと虫歯や歯ぐきのリスクが上がるため、設計の見直しや保湿の方法を相談してください。もともと口呼吸の傾向がある場合は、その点も含めて確認が必要です。
治療で被せ物を新しくしたら作り直しですか
確認が必要です。詰め物や被せ物の形が変われば、装置が合わなくなることがあります。治療後にそのまま使うと、当たりが強い部分ができたり入らなくなったりします。治療が終わった時点で装置を持参し、適合を見てもらってください。
まとめ
ナイトガードは、就寝中の歯ぎしりや食いしばりを止める装置ではなく、上下の歯の間に一枚を挟むことで一点に集中する力を面で受け止め、分散させるための装置です。守られるのは歯のエナメル質だけでなく、詰め物や被せ物、とくに硬いセラミックの材料も対象になります。保険で作製でき、3割負担でおよそ3,000円から6,000円が目安です。硬いタイプは薄く作れて変形しにくく調整もしやすい一方、軟らかいタイプは装着感が軽く導入しやすいという違いがあります。作製は通常2回の来院で、初回に口の中の確認と型取り、次回に装着と噛み合わせの調整を行います。この調整の精度が使い心地を左右するため、当たって痛い部分があれば我慢せず相談してください。手入れは、朝外したら流水で洗い、歯磨き粉を使わず、水気を切って乾かすのが基本です。週に1〜2回は装置用の洗浄剤に浸け、熱湯・煮沸・食洗機・車内放置といった熱による変形を避けます。寿命は1〜3年程度で、穴が開いた・薄くなった・ひびが入った・ゆるく感じるといった変化が作り替えの目安になります。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)や愛知・東海にお住まいの方は、
歯ぎしり・食いしばりの原因と治療|マウスピース・ボトックスは効く?で原因の側も確認し、
歯の定期検診では何をする?内容・費用・所要時間の機会に装置の状態も見てもらってください。
参考・出典
- 日本補綴歯科学会「咬合・ブラキシズムに関する指針」
- 日本顎関節学会「顎関節症患者のための初期治療の指針」
- 厚生労働省「e-ヘルスネット 歯・口の健康」
- 日本歯科医師会「口腔保健と全身の健康」
- 名古屋市「歯と口の健康づくり」