口内炎が治らない原因と受診の目安|種類別の見分け方

対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。

更新日:2026年7月2日監修:村井亮介(DDS, MSD(米国インディアナ大学大学院 補綴科修了)/日本補綴歯科学会 会員)

口の中に痛い「できもの」ができて、食事や会話がつらい。ふつうは1〜2週間で治るはずなのに、なかなか治らない。そんなとき、「これは何の口内炎なのか」「放っておいて大丈夫か」「もしかして悪いものではないか」と不安になるものです。

ひと口に口内炎といっても、その種類はひとつではありません。もっとも多いアフタ性口内炎、こすれや刺激による炎症、ヘルペスなどのウイルス性のものなど、原因も見た目もさまざまです。そして、いちばん大切なポイントがあります。口内炎の多くは1〜2週間で自然に治りますが、2週間以上治らないできものは、口内炎とは限らないため、必ず一度専門家に診てもらうことが大切です。
口内炎の種類と見分け方を示した解説図。丸く白いアフタ性口内炎、赤くただれるカタル性口内炎、小さな水ぶくれが集まるウイルス性口内炎の違いと、2週間以上治らない場合は受診が必要というポイントをまとめたもの
このページでは、口内炎ができるときに口の中で何が起きているのか、種類をどう見分けるのか、セルフケアと治療、そして「治らないとき」に注意すべきこと(口腔がんとの見分けを含む)を、厚生労働省e-ヘルスネットや公的機関の情報をもとにわかりやすく整理します。できものの見た目や感じ方には個人差があり、最終的な診断には歯科・口腔外科などでの診査が必要です。あくまで判断の目安としてお読みください。

先に結論:こんなときは受診を

多くの口内炎は1〜2週間で自然に治ります。ただし、次のいずれかに当てはまる場合は、口内炎以外の病気(口腔がんを含む)が隠れていることがあるため、歯科・歯科口腔外科・耳鼻咽喉科などを受診することをおすすめします。
  • 2週間以上たっても治らない、または大きくなってくる
  • 痛みが乏しいのに、しこりのように硬い、ふちが盛り上がっている
  • 同じ場所に繰り返しできる、こすっても取れない白い斑点や赤い斑点がある
  • 出血しやすい、表面がただれて治りにくい
  • 口内炎が何度も・多数同時にでき、発熱や全身の不調を伴う
  • 飲み込みにくい、口が開けにくいなど生活に支障がある
臨床の現場では、口内炎かどうかを見極めるうえで、「2週間以上治らないか」「痛みが乏しく硬いしこりがないか」を重要な手がかりとして重視します。ふつうの口内炎は痛みを伴い、2週間ほどで治るのが一般的です。痛みが乏しいのに治らないできものは、口内炎ではない可能性を考える必要があります。

【セルフチェック】あなたの口内炎はどのタイプ?

口内炎は種類によって原因も対応も異なります。下の早見表でご自分のタイプの見当をつけてから、続く解説を読み進めてください。あくまで目安であり、自己判断は禁物です。特に「治らない」ものは種類を問わず受診が必要です。
タイプ見た目・特徴主な原因目安の経過主な対応
A丸く白っぽく、ふちが赤い。強く痛むアフタ性口内炎1〜2週間で治るセルフケア・塗り薬
B赤くただれる、広がりやすい。入れ歯や歯の当たる部位カタル性口内炎(刺激・こすれ)刺激を除くと改善原因の除去・調整
C小さな水ぶくれが集まる、破れてただれる。発熱を伴うこともウイルス性(ヘルペス等)1〜2週間で治る抗ウイルス薬(受診)
D白い苔状の膜、こすると取れる/取れにくいカンジダ(真菌)など治療で改善抗真菌薬(受診)
E2週間以上治らない、硬い、痛みが乏しい、盛り上がる口内炎以外の可能性(要精査)治らないすぐ受診・専門的検査

なぜ口内炎はできるのか(メカニズム)

口内炎は、口の中の粘膜(ねんまく=口の内側を覆うやわらかい膜)に炎症が起きた状態の総称です。粘膜の表面が傷ついたり、免疫の反応が起きたりして、痛みや赤み、ただれ、白っぽい膜などが生じます。

もっとも多いアフタ性口内炎の仕組み

アフタ性口内炎は、丸く白っぽい部分(潰瘍=かいよう)のまわりが赤くふちどられた、痛みの強い口内炎です。はっきりした原因は完全には解明されていませんが、疲労やストレス、睡眠不足、栄養の偏り(ビタミンB群や鉄の不足など)、体調の変化、免疫の状態などが関わると考えられています。多くは1〜2週間で自然に治ります。

刺激・こすれによる口内炎の仕組み

頬の内側を噛んでしまった、とがった歯や合わない入れ歯・矯正器具が当たり続けた、熱いものや刺激物でやけどのように傷んだ——こうした物理的・化学的な刺激で粘膜がただれるのが、カタル性口内炎です。原因となる刺激(当たっている歯や入れ歯など)を取り除くと改善に向かうのが特徴です。逆にいえば、同じ場所が刺激を受け続けると治りにくく、長引く原因になります。

ウイルスや真菌による口内炎の仕組み

ヘルペスなどのウイルスが関わると、小さな水ぶくれが集まってでき、破れてただれ、発熱を伴うことがあります。特に初めての感染では症状が強く出ることがあります。また、体の抵抗力が落ちたときなどに、口の中のカンジダ(真菌=カビの仲間)が増えて白い苔(こけ)のような膜ができることもあります。これらは、原因に応じた薬(抗ウイルス薬・抗真菌薬)が必要になることがあり、市販のケアだけでは対応しきれないことがあります。 たとえるなら、口内炎は「口の中の粘膜にできた、種類の異なる傷やただれ」の集まりです。原因が体の内側(免疫・栄養)にあるものもあれば、外からの刺激によるもの、感染によるものもあります。だからこそ、見た目が似ていても原因はさまざまで、そして「治らない」ときには、これらの一般的な口内炎とは違う病気を考える必要が出てくるのです。

見た目・経過でわかる手がかり(セルフチェック)

口内炎の「見た目」「痛みの有無」「経過(治るかどうか)」は、種類を推測する手がかりになります。おおまかには、次のように整理できます。
  • 丸く白っぽく、ふちが赤い。触れると強く痛む:アフタ性口内炎の可能性。多くは1〜2週間で治ります。
  • とがった歯・入れ歯・矯正器具が当たる場所が赤くただれる:刺激によるカタル性口内炎の可能性。原因を除くと改善します。
  • 小さな水ぶくれが集まり、破れてただれる。発熱を伴う:ウイルス性の可能性。受診がすすめられます。
  • 白い苔のような膜ができる:カンジダなどの可能性。受診が必要なことがあります。
  • 2週間以上治らない、硬いしこりがある、痛みが乏しいのに広がる、出血しやすい:口内炎以外の可能性。速やかな受診が必要です。
同じ「口の中のできもの」でも背景はさまざまです。舌にできて痛みや色の変化を伴う場合は 舌が痛い・赤い・白いときに考えられる原因と受診の目安 もあわせてご確認ください。

2週間以上治らないとき:口腔がんとの見分けに注意

ここは、このページでもっとも大切な部分です。口内炎の多くは1〜2週間で自然に治ります。だからこそ、2週間以上たっても治らないできものは、ふつうの口内炎ではない可能性を考える必要があります。 注意したいのは、口腔がん(こうくうがん=口の中にできるがん)が、初期には口内炎のような見た目のことがあるという点です。厚生労働省や関連学会の情報でも、2週間以上治らない口内炎(潰瘍)は、自己判断せず専門的に診てもらうことがすすめられています。一般的な口内炎と、注意したいできものの違いは、次のような点が手がかりになります。
  • ふつうの口内炎:痛みを伴うことが多く、1〜2週間で治る。ふちが赤く、中央は白っぽく、平らかややくぼんでいる。
  • 注意したいできもの:2週間以上治らない、または大きくなる。痛みが乏しいのに硬いしこりがある、ふちが盛り上がる、こすっても取れない白い斑点・赤い斑点、出血しやすい、表面がただれて治りにくい。
ただし、見た目だけで良いものか悪いものかを見分けることはできません。同じ場所に繰り返しできる、あるいは治らないできものは、痛みの有無にかかわらず、必ず一度、歯科・歯科口腔外科・耳鼻咽喉科などで診てもらうことが大切です。喫煙や過度の飲酒、合わない入れ歯やとがった歯による慢性的な刺激は、口腔がんのリスクに関わるとされており、こうした要因がある方は特に注意が必要です。「たかが口内炎」と自己判断で放置せず、治らないなら診てもらう——これが、早期発見のためにもっとも大切な考え方です。
ふつうの口内炎と注意したいできものの見分けを示す比較図。痛みを伴い1〜2週間で治る一般的な口内炎と、2週間以上治らず硬く盛り上がり痛みが乏しいできものを対比したもの
自分でできるセルフケア:やって良いこと・避けたいこと 一般的なアフタ性口内炎や軽い刺激による口内炎は、口の中を清潔に保ち、刺激を避けることで治りを助けることができます。まず、やって良いことです。
  • 口の中を清潔に保つ(やわらかい歯ブラシでやさしく磨き、うがいをする)
  • 刺激の強い飲食物(熱い・辛い・酸っぱい・塩辛いもの、アルコール)を控える
  • 市販の口内炎用の塗り薬・パッチを、用法・用量を守って使う
  • 睡眠・休養をとり、バランスのよい食事でビタミンB群などを補う
  • とがった歯や合わない入れ歯が当たっている場合は、歯科で調整してもらう
  • 禁煙・節酒を心がける
口内炎のセルフケアの図。やわらかい歯ブラシで口の中を清潔に保ち、刺激物を避け、市販の塗り薬を使う様子と、刺激物やタバコを避けるべきことを示したもの
反対に、避けたほうがよい行動もあります。
  • 治らないできものを「そのうち治る」と放置し続ける(2週間が目安)
  • 気になって舌や指で繰り返し触る・つつく(刺激で治りにくくなる)
  • 刺激の強い食べ物・タバコ・アルコールを続ける
  • 市販薬でしのいだまま、繰り返す・治らないのに受診しない
これらのセルフケアは、一般的な口内炎の治りを助けるものであり、ウイルス性・真菌性のものや、口内炎以外の病気には対応できません。特に、2週間以上治らない場合は、セルフケアを続けるのではなく受診してください。

歯科・医療機関ではどうやって調べるのか

口内炎や口の中のできものの原因を見極めるため、専門機関では複数の方法を組み合わせます。問診では、いつからか、痛みの有無、繰り返すか、喫煙・飲酒の習慣、当たっている歯や入れ歯の有無、全身の状態を確認します。視診・触診で、できものの見た目・大きさ・硬さ・ふちの盛り上がり・出血のしやすさを調べます。 必要に応じて、次のような検査が行われることがあります。
  • 刺激の原因の確認:とがった歯・合わない入れ歯・矯正器具などが当たっていないかを調べ、原因があれば調整します。
  • 感染の確認:ウイルス性や真菌性が疑われる場合、状態に応じて検査や、抗ウイルス薬・抗真菌薬による治療を検討します。
  • 組織検査(生検=せいけん):2週間以上治らない、しこりがある、悪いものが否定できない場合は、できものの一部を採って詳しく調べることがあります。これは、良いものか悪いものかをはっきりさせるための大切な検査です。
臨床の現場では、見た目だけで判断せず、経過や検査結果を合わせて、一般的な口内炎なのか、感染によるものか、精査が必要なできものかを見極めます。特に「治らないできもの」については、良いものであることを確認するためにも、専門的な検査が重視されます。

治療の考え方

口内炎の治療は、種類によって異なります。アフタ性口内炎は、多くが自然に治るため、痛みを和らげる塗り薬や、口の中を清潔に保つケアが中心になります。刺激によるカタル性口内炎は、原因となる刺激(とがった歯・合わない入れ歯など)を取り除くことが治療の基本です。ウイルス性のものには抗ウイルス薬、真菌性のものには抗真菌薬が用いられることがあります。繰り返す口内炎の背景に栄養の偏りや全身の病気が関わることもあり、その場合は原因への対応が必要です。 そして、精査の結果、口内炎以外の病気が見つかった場合は、その病気に応じた専門的な治療が行われます。大切なのは、治らないできものを「口内炎だろう」と決めつけて放置しないことです。原因が何であれ、治らないなら一度診てもらうことが、適切な対応と早期発見につながります。

受診の目安と診療科の選び方

次のようなときは、受診をおすすめします。
  • 2週間以上たっても治らない、または大きくなってくる
  • 痛みが乏しいのに硬いしこりがある、ふちが盛り上がっている
  • こすっても取れない白い斑点・赤い斑点がある、出血しやすい
  • 同じ場所に繰り返しできる
  • 口内炎が多数同時にでき、発熱や全身の不調を伴う
  • 飲み込みにくい・口が開けにくいなど生活に支障がある
口の中のできものは、まず歯科・歯科口腔外科が相談しやすい窓口です。のどの奥や広い範囲に及ぶ場合は耳鼻咽喉科が対応することもあります。とがった歯や入れ歯が原因の場合は歯科での調整が有効です。どの原因かは診てみないと分からないため、治らないできものは自己判断せず、まず専門家に診てもらうことが、適切な対応への近道です。

よくある質問

口内炎は何日くらいで治りますか

一般的なアフタ性口内炎や軽い刺激による口内炎は、多くが1〜2週間ほどで自然に治ります。2週間以上たっても治らない場合は、口内炎以外の病気が隠れていることもあるため、受診をおすすめします。

2週間以上治らない口内炎は危険ですか

必ずしも悪いものとは限りませんが、注意が必要です。口腔がんが初期には口内炎のような見た目のことがあるため、2週間以上治らないできものは自己判断せず、歯科・歯科口腔外科・耳鼻咽喉科などで診てもらうことがすすめられています。特に痛みが乏しく硬い場合は早めの受診が大切です。

口内炎が繰り返しできるのはなぜですか

疲労やストレス、睡眠不足、栄養の偏り、体調の変化などが関わると考えられています。ただし、同じ場所に繰り返しできる場合は、当たっている歯や入れ歯などの刺激や、別の病気が背景にあることもあるため、一度確認しておくと安心です。

市販の塗り薬を使っても大丈夫ですか

一般的な口内炎であれば、用法・用量を守って市販の塗り薬やパッチを使うことは差し支えないことが多いです。ただし、2週間以上治らない、症状が強い、繰り返す場合は、市販薬でしのぎ続けず受診してください。

痛くない口内炎もありますか

あります。ただし、痛みが乏しいのに治らない、硬いしこりがある、盛り上がっているといったできものは、ふつうの口内炎とは異なる可能性を考える必要があります。痛くないから安心とは限らず、治らない場合は受診をおすすめします。

口内炎はうつりますか

アフタ性口内炎や刺激による口内炎は人にうつるものではありません。一方、ヘルペスなどウイルスが原因の場合は、接触などで人にうつることがあります。水ぶくれを伴う・発熱があるといった場合は、受診して原因を確認することをおすすめします。

まとめ

口内炎には、もっとも多いアフタ性、刺激によるカタル性、ヘルペスなどのウイルス性、カンジダによるものなど、いくつもの種類があり、原因も見た目もさまざまです。多くは1〜2週間で自然に治り、口の中を清潔に保って刺激を避けるセルフケアで治りを助けられます。ただし、もっとも大切なのは、2週間以上治らないできもの、痛みが乏しいのに硬い・盛り上がる・出血しやすいできものは、ふつうの口内炎とは限らないということです。口腔がんが初期には口内炎のような見た目のこともあるため、治らないできものは自己判断せず、歯科・歯科口腔外科・耳鼻咽喉科などで一度診てもらうことが、適切な対応と早期発見につながります。「たかが口内炎」と決めつけず、治らないなら診てもらう——それが、口と全身の健康を守るうえで重要だと考えられています。 関連情報として、舌が痛い・赤い・白いときに考えられる原因と受診の目安口角炎(口の端が切れる)が治らない味覚がおかしい・味がしない原因もご覧ください。

参考・出典

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット(口内炎・口腔の健康に関する解説)
  • MSDマニュアル(家庭版・プロフェッショナル版)「口内炎」「再発性アフタ性口内炎」「口腔カンジダ症」「単純ヘルペス」「口腔がん」
  • 国立がん研究センター がん情報サービス(口腔がん・口内炎との見分けに関する解説)
  • 日本口腔外科学会・日本口腔内科学会(口腔粘膜疾患・口腔がんに関する情報)
  • 口腔潜在的悪性疾患(白板症・紅板症等)に関する総説
(注:本文中の内容は研究や状況により幅があり、一般的な目安としてお示ししています。具体的な内容や最新版の確認は監修医が行っています。自己判断せず、治らない症状は必ず受診してください。)

監修:村井 亮介(DDS, MSD/米国インディアナ大学大学院 補綴科修了)
Indiana University 大学院 補綴科修了/ACP・ITI・AO・日本補綴歯科学会 会員。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)を拠点に、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ向けて情報を発信しています。理念は「10年後も削り直さない治療」。

→ 監修者・編集方針について