歯が痛いときにやってはいけない6つのNG行動

歯が痛いときにやってはいけない6つのNG行動と、冷やす・正しく薬を飲む・早めに受診するなどの安全な応急処置、そしてすぐ受診すべき赤旗サインをまとめた解説図

対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。

更新日:2026年5月16日 / 監修:村井亮介(DDS, MSD/米国インディアナ大学大学院 補綴科修了)

急に歯が痛みだしたとき、「とりあえず温めれば楽になるかも」「薬を歯の穴に詰めてみよう」「痛みが引いたからもう大丈夫」——こうした自己判断が、かえって痛みを強めたり、本来なら神経を残せたはずの歯を失うきっかけになることがあります。

このページでは、歯が痛いときにやってはいけない代表的な6つのNG行動を、なぜそれが悪いのかという体の仕組み(=どうしてその行動がダメなのか、口の中で何が起きているのか)とあわせて、学会ガイドラインや医学的な知見をもとにわかりやすく解説します。 痛みの原因や見分け方そのものではなく、「痛いときに自分でやって良いこと・やってはいけないこと」に絞ってお伝えします。痛みの感じ方には個人差があり、最終的な診断には歯科医院での診査(しんさ:レントゲン撮影や視診で原因を特定する検査)が必要です。あくまで応急的な判断の目安としてお読みください。
歯が痛いときにやってはいけない6つのNG行動と、冷やす・正しく薬を飲む・早めに受診するなどの安全な応急処置、そしてすぐ受診すべき赤旗サインをまとめた解説図

先に結論:すぐ受診すべきサインと、やってはいけないことの全体像

歯が痛いときに自分でできるのは、痛みを一時的にやわらげる応急処置だけで、原因そのものを治すことはできません。そのうえで、次のような「血流を増やす行為」と「受診を遅らせる行為」は、痛みを強めたり状態を悪化させたりするおそれがあるため避けてください。
  • 患部を温める、長湯・サウナ・飲酒・激しい運動など血流を増やすこと
  • 市販の痛み止めを用法・用量を超えて使うこと
  • 痛む歯で無理に噛む、舌や指でいじること
  • 虫歯の穴や歯ぐきに薬や正露丸などを直接詰める・当てること
  • 「痛みが引いた=治った」と考えて受診をやめること
  • 自分で膿を出そうとしたり、残った薬や人の抗菌薬を飲んだりすること
特に、顔やあごが腫れている、熱がある、口が開けにくい、飲み込みにくい・息苦しいといった場合は、感染が広がり全身や気道にも影響しうる危険なサインです。このときに「様子を見る」ことが最も危険なNG行動で、できるだけ早く歯科または歯科口腔外科を受診してください。痛みがどのタイプで何が原因なのかを総合的に知りたい方は、歯が痛いときの原因と対処法 もあわせてご確認ください。

なぜ「温める」「血流を増やす」のがNGなのか(痛みの仕組み)

歯の断面の模式図。硬い象牙質に囲まれた歯髄が炎症でむくみ、温めや血流増加で内圧が高まって痛みが強くなる仕組み
やってはいけない行動の多くは、歯の痛みが起きる仕組みを知ると理由がはっきりします。 歯の中心には歯髄(しずい:歯の真ん中を通る神経と血管のかたまり。歯に栄養を送る役割があります)があり、その周りを象牙質(ぞうげしつ:エナメル質の内側にある硬い層)という硬い組織が囲んでいます。歯髄は、いわば「硬い箱の中に閉じ込められた風船」のような状態です。 虫歯の細菌などで歯髄に炎症が起きると、炎症で組織がむくみ、内側から圧力が高まります。ところが周りは硬い象牙質で逃げ場がないため、内部の圧(歯髄内圧=歯の内側にかかる圧力)が上がって血管や神経が圧迫されます。 その結果、心臓の拍動(はくどう:脈に合わせたドクンドクンというリズム)に合わせて「ズキンズキン」と脈打つような強い痛みになると考えられています。 ここがポイントです。入浴・サウナ・飲酒・激しい運動・患部を温めることは、いずれも血流を増やす行為です。血流が増えると炎症部分の内圧がさらに高まり、痛みが強くなりやすいのです。 横になると頭部の血流が増えて痛みが増しやすいのも同じ理由で、「痛いままお酒を飲んで寝る」のは血流増加と臥位(がい:横になった姿勢)が重なり、二重に不利になります。 逆に、頬の外側から冷やすと局所の血流が抑えられ、炎症性の痛み(=炎症で熱を持ってズキズキするタイプの痛み)は楽になりやすいと考えられています。 もう一つ知っておきたいのが、温めること自体が細菌の活動や局所の代謝を高め、急性の炎症(膿がたまっている状態など)では腫れや痛みを助長しうるという点です。「温めれば膿が散る」という言い伝えは、急性期にはむしろ逆効果になりやすいと考えられています。喫煙も口の中の血流や傷の治りに悪影響を与えるとされ、飲酒は血管を広げて痛みを強めるだけでなく、痛み止めや抗菌薬との相互作用のリスクもあります。 臨床の現場でも、ズキズキと拍動する痛みのある方には、温める行為や飲酒・喫煙・激しい運動を控えるようお伝えするのが一般的です。なぜ夜に痛みが強くなるのか、拍動性の痛みの背景にある神経の炎症について詳しく知りたい方は、歯がズキズキ痛む原因 の解説をご覧ください。

NG行動1:患部を温める・長湯・飲酒・激しい運動

歯が痛むときの応急処置の図。日本人が頬の外からタオルで包んだ保冷剤で冷やし、入浴・飲酒・運動・温めは避ける様子
前述のとおり、これらはすべて血流を増やし、炎症部分の内圧を高めて痛みを強めるおそれがあります。「温シップで膿を散らす」「お風呂で温まれば楽になる」といった考えは、急性の炎症がある歯の痛みでは逆効果になりやすいので避けてください。 代わりに、痛みが強いときは次のようにするのが一般的です。
  • その日の入浴は短めにする、または蒸しタオル・湯船での長湯を避ける
  • 飲酒・喫煙を控える(血流増加や治癒・感染への悪影響のため)
  • 運動や力仕事を控え、安静にする
  • 頬の外側から、タオルでくるんだ保冷剤や濡れタオルでやさしく冷やす
ただし冷却が向かない場合もあります。冷たいものでキーンとしみるタイプの痛み(知覚過敏や初期の虫歯など)では、冷やすこと自体が痛みを誘発することがあります。脈打つような炎症性の痛みには頬の外からの冷却、冷たいものでしみる痛みには冷たい刺激そのものを避ける、と使い分けてください。

NG行動2:市販の痛み止めを用法・用量を超えて使う

痛み止めは、つらい痛みをやわらげる心強い味方ですが、使い方を誤ると体に害を及ぼします。やってはいけないのは、決められた量や間隔を守らずに増量する、短い間隔で飲み続ける、別の市販薬と併用して同じ成分を重ねて摂ってしまうことです。 たとえばアセトアミノフェン(カロナールなどに含まれる解熱鎮痛成分)は比較的安全とされる成分ですが、一日の上限量を超えると肝臓に負担がかかるおそれがあります。 イブプロフェン(イブやロキソニンなどに含まれる成分)などのNSAIDs(エヌセイズ:非ステロイド性抗炎症薬。炎症と痛みを同時に抑える薬の総称)は、胃腸への負担や、腎機能・持病・他の薬との相互作用(=複数の薬が体内で影響しあうこと)に注意が必要です。 具体的な上限量は製品によって異なるため、必ず添付文書(てんぷぶんしょ:薬の箱に入っている説明書)の用法・用量を守ってください。持病のある方、妊娠中・授乳中の方、ほかに薬を飲んでいる方は、薬剤師や医師に相談してから使うのが安心です。 また、市販の鎮痛薬を複数の種類で同時に使うときも注意が必要です。違う商品名でも同じ成分が含まれていることがあり、知らないうちに同じ成分を重ねて摂って、上限量を超えてしまうことがあります。複数の薬を併用する前には、成分が重なっていないか薬剤師に確認すると安心です。 そして最も大切なのは、痛み止めはあくまで「症状」を抑えるだけで、虫歯や感染という「原因」は進み続けるという点です。薬で痛みが取れても、それは治ったのではなく感じにくくなっているだけです。痛み止めでしのいで受診を先延ばしにすると、原因が静かに進行してしまいます。痛み止めを飲んでも十分に効かない場合は、炎症がかなり強くなっているサインのことがあり、早めの受診が必要です。効かない理由や受診の目安については、歯の痛みに痛み止めが効かない原因と受診の目安 でくわしく解説しています。

NG行動3:痛む歯で噛む・舌や指でいじる

痛む歯は、すでに神経や歯の根の周りが過敏になっています。そこに噛む力や、舌・指・つまようじでつつく刺激が加わると、痛みが強まったり、歯ぐきを傷つけて感染を広げたりすることがあります。 特に注意したいのが、歯にひびが入っている場合です。噛むたびにひびが広がり、最終的に歯が割れて(歯根破折:しこんはせつ=歯の根っこにまで及ぶ割れ。歯を抜くしかなくなることが多い状態)抜歯が必要になることもあります。 気になっても触らず、痛む側ではなく反対側でやわらかいものを噛むようにし、熱い・冷たい・甘い・酸っぱい・硬いといった刺激の強い飲食物は控えてください。 口の中を清潔に保つことは大切ですが、痛む部分を強くこすると逆に刺激になります。歯みがきはやさしく行い、食べかすはそっと取り除く程度にとどめましょう。「噛むと響く」「歯が浮いた感じがする」痛みは、根の先の炎症が関わっていることがあり、刺激を避けて早めに相談するのが安心です。

NG行動4:虫歯の穴や歯ぐきに薬・正露丸などを直接詰める・当てる

虫歯の穴に正露丸を詰める、痛み止めの錠剤を砕いて歯ぐきに当てる、にんにくを噛んで当てる——こうした民間療法は、日本でも古くから伝わるものがありますが、現在の歯科では推奨されていません。理由は三つあります。
  • 原因である感染した歯髄や虫歯そのものを取り除けないため、治療にはならない
  • 歯ぐきや口の粘膜に化学的な刺激を与え、白くただれる(やけどのような潰瘍)ことがある
  • 穴をふさいで一時的に楽に見えても、感染を内側に閉じ込めて悪化させることがある
特に注意したいのが、アスピリン(バファリンなどに含まれる鎮痛成分)の錠剤や粉末を痛む歯の歯ぐきに直接当てる行為です。アスピリンは飲んで体に吸収されて初めて痛みに効く薬で、患部(かんぶ:痛む場所)に当てても痛みは取れません。 それどころか、粘膜(ねんまく:口の中のやわらかい表面)が白く壊死(えし:組織が部分的に死んでしまうこと)する化学的なやけど(アスピリンバーンと呼ばれます。例:薬を当てた歯ぐきが白くただれて、しみるような痛みが新たに出る)を起こすことが、医学の報告で知られています。 痛む場所に薬を「当てる・詰める」のではなく、用法どおりに「飲む」のが正しい使い方です。

NG行動5:「痛みが引いた=治った」と考えて受診をやめる

痛みが引いても治ったとは限らないことを示す図。歯の神経が死んで痛みが消えた後、根の先で炎症が進み腫れや膿に至る経過
歯の痛みでとても誤解されやすいのが、「痛みが消えたから、もう治った」という思い込みです。痛みが一時的に引くのにはいくつかの理由があり、その多くは「治った」ことを意味しません。 たとえば、炎症が一時的に落ち着いて見えているだけのこともあれば、神経が死んでしまって(歯髄壊死)痛みを感じなくなっただけ、ということもあります。神経が死ぬと一時的に痛みは消えますが、その後、根の先で細菌が増えて、噛むと響く痛み・歯ぐきの腫れ・膿といった次の段階へ進んでいきます。つまり痛みの消失は、むしろ事態が進んだサインのこともあるのです。 ここで受診のタイミングを逃すと、選べる治療が狭まってしまいます。歯の神経の炎症には、刺激を取り除けば数秒で痛みが消える軽い段階(可逆性歯髄炎:かぎゃくせいしずいえん=まだ元に戻せる炎症)と、刺激を除いても痛みが続いたり何もしなくてもズキズキ痛んだりする進んだ段階(不可逆性歯髄炎:ふかぎゃくせいしずいえん=元に戻せない炎症)があります。軽い段階であれば、薬で神経を保護して残せる可能性があります。 神経を残す治療(直接覆髄:ちょくせつふくずい=露出した神経の上に直接お薬を置いてフタをする治療など)は、MTA(エムティーエー:歯の神経を保護する代表的なセメント状の材料)やバイオデンティンといった生体材料(=体になじみのよい材料)を使うと、報告によりおよそ6か月で91%、1年で86%、2〜3年で84%前後の成功率とされ、早い段階ほど選択肢が広いとされています。一方で、従来の水酸化カルシウムという材料では74%・65%・59%前後と低めの報告もあり、近年は生体材料の使用が国際的に支持される傾向です。いずれも正確な診断が前提で、進んだ段階では適応外(=その治療では効果が見込めない状態)のことが多いとされます。 しかし放置して炎症が進むと、神経を取る根管治療(こんかんちりょう:歯の根の中を消毒して薬を詰める治療)が必要になり、さらに進めば抜歯に至ることもあります。臨床の現場でも、「痛みが引いたから」とキャンセルされた数か月後に状態が大きく悪化して再来院される、というのは珍しくありません。痛みが消えても、一度予約した受診はキャンセルせず、原因を確認しておくことが歯を守る近道です。

NG行動6:自分で膿を出そうとする・残薬や人の抗菌薬を飲む

歯ぐきが腫れて膿がたまっているように見えると、自分で針などを刺して出そうとしたくなるかもしれません。しかし不潔な器具での自己処置は、出血や感染をかえって広げる危険があるため、避けてください。膿の排出が必要な場合は、歯科で清潔な環境のもとに行います。 また、「以前もらって余った抗菌薬を飲もう」「家族の抗菌薬を分けてもらおう」という自己判断も避けるべきです。歯の感染症では、原因となっている感染源(虫歯・歯髄・膿など)を物理的に取り除くことが治療の基本で、抗菌薬はあくまで補助的に、必要なときだけ使うものとされています。中途半端な自己判断での服用は、効果が不十分なまま薬剤耐性菌を生むリスクや、本来必要な処置が遅れること、診断をわかりにくくすることにつながります。抗菌薬は歯科医師の診断にもとづいて使うのが原則です。 加えて、ぐらつく被せ物や乳歯を自分で無理に外そう・抜こうとするのも、出血や破損、感染の原因になります。気になっても触らず、歯科で対応してもらいましょう。

やって良いこと(応急処置)の整理

ここまでのNG行動の裏返しとして、受診までに自分でできる安全な応急処置をまとめます。あくまで一時的に痛みをやわらげるためのもので、原因を治すものではありません。
  • 市販の痛み止めを、添付文書の用法・用量を守って使用する
  • 頬の外側から、タオルでくるんだ保冷剤などでやさしく冷やす(炎症性のズキズキする痛みの場合)
  • 痛む側を避け、反対側でやわらかいものを噛む
  • 熱い・冷たい・甘い・酸・硬いものなど刺激の強い飲食物を控える
  • 歯のまわりをやさしく清潔に保ち、食べかすをそっと取り除く
  • 入浴は短めにし、飲酒・喫煙・激しい運動を控える
  • できるだけ早く歯科を予約し、赤旗サインがあれば当日・救急で受診する

治療せず放置した場合のリスク

歯の痛みに対するNG行動の多くは、結果として「受診の遅れ」につながります。痛みをごまかしながら放置すると、虫歯の段階で済んだかもしれない治療が、神経を取る根管治療へ、さらに歯を支える骨や周囲への炎症の広がり、腫れ・膿、そして抜歯へと進んでいくことがあります。 歯を失えば、入れ歯・ブリッジ・インプラントなどで補う必要が出てきて、時間も費用も大きくなります。前述のとおり、神経を残す治療は早い段階ほど選択肢が広く成功率も比較的高い傾向で、根管治療まで進んだ場合でも、歯の生存率は4〜7年で約92%、8〜20年で約87%と報告されています。早く動くほど、より小さな治療で・より多くの歯を残せる可能性が高まります。痛みが一度引いても安心せず、原因を確認することが大切です。

いつ・どこを受診すべきか

次のような場合は、自己対処に固執せず、早めに歯科または歯科口腔外科を受診してください。
  • 顔やあごが腫れている、熱がある
  • 口が開けにくい、飲み込みにくい・息苦しい
  • 痛みで眠れない、日常生活に支障がある
  • 市販の痛み止めを飲んでも十分に効かない
  • 数日たっても痛みが続く、繰り返す
特に、顔の腫れ・発熱・開口障害・飲み込みにくさをともなう場合は、感染が広がっているおそれがあり緊急性が高い状態です。地域によっては休日夜間の歯科診療所もありますので、ためらわず受診してください。どの治療が必要かは原因と進行度によって異なります。痛み方ごとの原因の見分け方や、その後の治療の流れについては、歯が痛いときの原因と対処法 をご確認ください。

よくある質問

Q

歯が痛いとき、お風呂に入ってはいけませんか

A

炎症によるズキズキした痛みがあるときは、長湯やサウナで体を温めると血流が増え、痛みが強まることがあります。その日は短めのシャワー程度にとどめるのが無難です。痛みが落ち着いていれば通常の入浴でかまいませんが、痛みが強い日は避けるのが安全です。

Q

痛み止めを飲んでも痛いとき、量を増やしてもいいですか

A

自己判断で増量したり、間隔を詰めて飲んだりするのは避けてください。肝臓や胃腸への負担、持病や他の薬との相互作用のおそれがあります。効きが悪いときは炎症が強いサインのことがあるため、量を増やすより早めの受診を検討してください。

Q

虫歯の穴に痛み止めを詰めると効きますか

A

おすすめできません。痛み止めは飲んで体に吸収されて効く薬で、患部に当てても痛みは取れず、かえって粘膜がただれる(やけどのような潰瘍)ことがあります。薬は用法どおりに飲むのが正しい使い方です。

Q

痛みが消えたら受診しなくても大丈夫ですか

A

必ずしも大丈夫とは言えません。炎症が一時的に落ち着いただけのことや、神経が死んで痛みを感じなくなっただけのこともあります。痛みの消失は治癒とは限らないため、原因を確認することをおすすめします。

Q

冷やすのと温めるのはどちらがよいですか

A

脈打つような炎症性の痛みでは、頬の外側からやさしく冷やすほうが楽になることが多いです。一方、冷たいものでしみるタイプの痛みでは、冷やすこと自体が痛みを誘発することがあるため、冷たい刺激を避けてください。

Q

余っている抗菌薬を飲んでもいいですか

A

避けてください。歯の感染は感染源を取り除くことが基本で、抗菌薬は歯科医師の診断にもとづき必要なときに使うものです。自己判断での服用は効果不十分や薬剤耐性のリスク、診断を難しくすることにつながります。

Q

歯ぐきの腫れを自分でつぶして膿を出してもいいですか

A

避けてください。不潔な器具での自己処置は出血や感染拡大の危険があります。膿を出す必要がある場合は、歯科で清潔な環境のもとに行います。腫れや膿があるときは早めに受診してください。

まとめ

歯が痛いときにやってはいけない行動の多くは、「血流を増やして痛みを強める行為」と「受診を遅らせて治せる段階を逃す行為」に分けられます。温める・長湯・飲酒・激しい運動を避け、痛み止めは用法・用量を守って飲み、患部を噛んだり触ったりせず、薬を歯に詰めるような民間療法も控えてください。そして、痛みが引いても「治った」と決めつけず、自分で膿を出したり残薬を飲んだりせず、原因は歯科で確認することが大切です。応急処置はあくまで一時的な助けにすぎません。痛みが強い・腫れや発熱がある・眠れない・痛み止めが効かないといった場合は、できるだけ早く歯科を受診してください。

参考・出典

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット(う蝕・歯の健康に関する解説)
  • MSDマニュアル(家庭版・プロフェッショナル版)「歯痛」「歯髄炎」「根尖周囲膿瘍」
  • 日本歯内療法学会「歯内療法診療ガイドライン」
  • 日本歯科保存学会「う蝕治療ガイドライン」「歯髄保護を目的とした診療ガイドライン」
  • American Association of Endodontists(AAE)Position Statement: Vital Pulp Therapy
  • 直接覆髄(生体材料 vs 水酸化カルシウム)に関する系統的レビュー・メタアナリシス(International Endodontic Journal 等)
  • 非外科的根管治療の予後・歯の生存率に関する系統的レビュー/長期retrospective研究(International Endodontic Journal、Clinical Oral Investigations 等)
  • 口腔粘膜のアスピリン誘発性化学熱傷(アスピリンバーン)に関する症例報告・口腔粘膜疾患の教科書
  • WHO 薬剤耐性(AMR)啓発資料、歯科抗菌薬適正使用に関する各国歯科団体(FDI/ADA/日本歯科関連学会等)のガイダンス
  • 市販鎮痛薬(アセトアミノフェン・NSAIDs)の添付文書、PMDA/厚生労働省の適正使用に関する注意喚起
(注:記載の数値は追跡期間や条件で変わる一般的な目安です。各NG行動の悪化幅など定量データが限定的な箇所は一般的な機序にもとづく記述とし、具体的な数値や最新版の確認は監修医が行っています。)

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監修:村井 亮介(DDS, MSD/米国インディアナ大学大学院 補綴科修了)
Indiana University 大学院 補綴科修了/ACP・ITI・AO・日本補綴歯科学会 会員。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)を拠点に、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ向けて情報を発信しています。理念は「10年後も削り直さない治療」。

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