対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。
歯科の問診票は、持病や飲んでいる薬、アレルギーを歯科医院に正しく伝えるための書類です。名古屋(中区・栄・名古屋駅エリア)でも初診では必ず記入しますが、「病名が正確に分からない」「薬の名前を覚えていない」と手が止まる方は少なくありません。
このページでは、問診票の各欄が何のためにあるのか、分からない項目をどう書けばよいのか、そしてお薬手帳をどう使えば一番早く正確に伝わるのかを、受付で実際に起きるやり取りに沿って整理します。空欄のまま出してよい欄と、空欄のままにすると治療の予定が変わってしまう欄の違いも示します。
先に結論
- 正確に書けなくてよい。病名があいまいでも「いつから・どこの病院・何の薬」が分かれば治療の判断はできる
- 薬の欄はお薬手帳をそのまま見せるのが最短で最も確実。スマホの電子版や調剤明細でも代わりになる
- 空欄にしてよいのは来院理由や希望の欄。既往歴・服薬・アレルギーの欄は「なし」か「分からない」と書く
- 記入より口頭が確実な内容もある。書ききれなければ受付で「これは直接話したい」と伝えればよい
- 内容は毎回変わる。2回目以降も薬が増減したときは必ず申し出る
| 欄 | 書いてほしい内容 | 分からないときの代わり |
|---|---|---|
| 既往歴 | 治療中・通院中の病気、入院や手術の経験、いつごろか | 通院先の病院名と診療科だけでもよい |
| 服薬 | 処方薬・市販薬・サプリメントの名前と飲んでいる期間 | お薬手帳を見せる。写真でも可 |
| アレルギー | 薬・食物・金属・ラテックスで出た症状と、いつ起きたか | 「検査したことはない」と書き添える |
| 麻酔の経験 | 歯科麻酔で気分が悪くなった、動悸がしたなどの経験 | 歯科以外の麻酔の経験でもよい |
| 妊娠・授乳 | 妊娠週数、出産予定日、授乳中かどうか | 可能性がある段階でも申し出る |
| 来院理由 | 気になっている部位と、いつから困っているか | うまく書けなければ口頭で構わない |
問診票が治療のどこに影響するか
問診票は形式的な書類ではなく、その日の治療内容を左右します。歯科の処置は、麻酔を使う、出血を伴う、抗菌薬や鎮痛薬を処方する、という三つの要素を含むことが多く、いずれも全身の状態と薬の影響を受けるためです。 たとえば血圧が高い状態が続いている方では、麻酔薬に含まれる血管収縮薬の量や、処置を一度にどこまで進めるかの判断が変わります。血液をさらさらにする薬を飲んでいる方では、抜歯のあとの止血の方法や、処置後に様子を見る時間が変わります。糖尿病の治療中であれば、傷の治りや感染のリスクを踏まえ、処置の順番や予防的な対応を考えます。 歯科医師が知りたいのは病名の正確さではなく、「いま体に起きていること」と「使っている薬」です。したがって、病名があいまいでも、通院している病院名と診療科、処方されている薬が分かれば、必要な配慮はおおむね判断できます。分からないことを書かないより、分からないと書いてあるほうが安全に進められます。既往歴の欄は病名が分からなくても書ける
既往歴の欄で手が止まる理由の多くは、「正式な病名を覚えていない」ことです。この欄は正式名称を求めているわけではありません。次の三つが書いてあれば十分に役割を果たします。 一つめは、いつごろからか。「10年ほど前から」「去年の健診で指摘された」という程度で構いません。二つめは、どこに通っているか。「市内の内科」「大学病院の循環器科」のような書き方で足ります。三つめは、いま治療中かどうか。通院をやめている場合も、やめた時期を書き添えてください。 入院や手術の経験も、歯科にとっては重要な情報です。心臓の手術で人工弁を入れている、関節に人工の部品を入れている、放射線治療を受けた部位があるといった場合、処置の前に抗菌薬を使う、特定の部位の処置を慎重に行うなどの対応が必要になることがあります。古い出来事でも書いてください。 記入のときに迷いやすいのが、治療が終わって経過観察だけになっている病気の扱いです。これも書いてください。薬を飲んでいなくても、定期的に検査を受けている状態であれば、処置の内容によっては確認が必要になります。逆に、風邪や軽いけがのように短期間で治った出来事は、既往歴の欄に書く必要はありません。判断の目安は「半年以上続いているか、入院や手術を伴ったか」です。 健康診断で指摘を受けたが受診していない、という状態もそのまま書いて構いません。歯科の側で「現時点では確定していない」と理解して扱えます。何年も受診から遠ざかっていて体の状態も把握できていない方は何年も歯医者に行っていない|久しぶりの受診で怒られる?費用と流れの不安を解消も参考にしてください。飲んでいる薬の欄はお薬手帳が最短
服薬の欄は、問診票のなかで最も記入に時間がかかり、最も間違いが起きやすい欄です。薬の名前は似たものが多く、記憶で書くと量や成分が違って伝わることがあります。 最も確実なのは、お薬手帳をそのまま受付で渡すことです。手帳には薬の名前、量、飲み方、処方した医療機関が時系列で記録されており、歯科の側で必要な情報を直接読み取れます。問診票の欄には「お薬手帳のとおり」と書いて提出すれば足ります。 紙の手帳を持ち歩いていない場合も代わりになるものがあります。薬局のアプリで管理している電子版の手帳、調剤時に渡される明細書や説明書、薬の袋そのもの、手元の薬のシートを撮った写真でも構いません。名前が読み取れる形であれば、どの形式でも役に立ちます。 市販薬とサプリメントも対象です。痛み止めや風邪薬を常用している、鉄やカルシウムのサプリメントを飲んでいる、という情報は処方の判断に関わります。漢方薬や健康茶も、量が多ければ伝えておいたほうが安全です。 持ち物の準備をまとめて確認したい方は歯医者に行く前にやっておくこと・やらないほうがよいこと|歯磨き・食事・痛み止め・持ち物と当日の体調の判断で当日の流れとあわせて整えておくと、受付での記入が短く済みます。
とくに伝えてほしい薬
すべての薬を覚えておく必要はありませんが、歯科の処置と関係が深い薬はいくつかに絞られます。心当たりがあれば、問診票に書いたうえで口頭でも一言添えてください。| 薬の種類 | 歯科で関係する場面 | 対応の方向 |
|---|---|---|
| 血液をさらさらにする薬 | 抜歯や歯周外科など出血を伴う処置の止血 | 自己判断で中止しない。止血方法を調整する |
| 骨粗しょう症の治療薬 | 抜歯後の治りに影響することがある | 使用期間と薬剤名を確認して計画を立てる |
| ステロイド | 感染への抵抗力、処置後の体調管理 | 処方元と情報を共有する場合がある |
| 糖尿病の治療薬 | 食事の時間がずれる長時間の処置 | 予約時間や処置時間を調整する |
| 降圧薬 | 麻酔使用時の血圧・脈の変動 | 服用して来院し、当日値を確認する |
| 精神科・神経科の薬 | 鎮痛薬や抗菌薬との飲み合わせ | 処方内容を調整する |
アレルギーの欄は症状を具体的に書く
アレルギーの欄は「あり・なし」だけでは判断材料になりません。重要なのは、何で、どんな症状が、いつ出たかです。 薬のアレルギーでは、発疹が出たのか、息苦しくなったのか、意識が遠のいたのかで、歯科の側の警戒の度合いがまったく変わります。「子どものころに抗菌薬で発疹が出たと親から聞いた」という程度でも、そのまま書いてください。確定診断がなくても、代わりの薬を選ぶ判断に使えます。 金属アレルギーは、詰め物や被せ物の材料選びに直接関わります。ピアスやベルトの金具でかぶれた経験があれば書いておいてください。実際にどの金属が原因かは皮膚科のパッチテストで調べますが、歯科の側で「金属を使わない材料を前提に考える」という方向づけはできます。 ラテックス(天然ゴム)のアレルギーも伝えてください。歯科では手袋やゴム製の防湿シートを使う場面があり、材質を替えて対応します。食物では、バナナ、アボカド、キウイで口がかゆくなる方はラテックスと関連することがあるため、あわせて書いておくと役立ちます。 歯科の治療そのものへの苦手意識が強い方は、アレルギーの欄とは別に、その旨も書いて構いません。歯医者が怖い・苦手を乗り越える|名古屋で通いやすい歯科の選び方で、伝え方と配慮の受け方を整理しています。妊娠・授乳と体調の欄
妊娠の可能性がある段階でも申し出てください。歯科では、撮影するレントゲンの範囲、麻酔薬の種類と量、処方する薬の選択、処置の姿勢と時間が、妊娠の時期によって変わります。確定していない段階でも、可能性があると分かっていれば安全側で進められます。 妊娠中の歯科受診は、体調が安定する時期に合わせるのが一般的です。名古屋市では妊産婦を対象にした歯科健康診査の制度もあり、該当する時期であれば活用できます。治療の可否と時期の考え方は妊娠中の虫歯治療は大丈夫?|時期・麻酔・レントゲンの注意にまとめています。 授乳中であることも書いてください。処方薬の選択に影響します。当日の体調についても、熱がある、強い咳が出ている、前の晩から眠れていないといった状態は率直に伝えてください。処置の範囲をその日は狭くする、という調整ができます。来院理由と希望の欄はどこまで書くか
来院理由の欄は、埋まっていなくても診療は進みます。ただし、書いてあると最初の説明が具体的になります。有効なのは、部位、症状、いつから、きっかけの四点です。「右の下の奥歯が、冷たいもので1週間ほど前からしみる。ぶつけた覚えはない」という程度で十分です。 希望の欄には、今日やってほしいことを書いてください。「痛いところだけ今日みてほしい」「仕事の都合で通院回数を減らしたい」「見た目を優先したい」といった希望は、治療計画の立て方に影響します。費用の上限がある場合も、遠慮せず書いて構いません。 逆に、書かなくてよいのは、自分で調べた病名の推測や、他院での治療への不満です。前者は検査で確認しますし、後者は経過の事実として口頭で伝えるほうが正確に伝わります。前の医院の治療について意見を聞きたい場合は歯科治療のセカンドオピニオン|取り方・費用・伝え方・断り方の進め方が参考になります。 急に痛みが出て予約なしで駆け込んだときは、問診票を書く時間も限られます。その場合は、痛む部位と飲んでいる薬の二点だけ先に伝えれば足ります。受診の流れは歯医者は当日・予約なしでも診てもらえる?急に痛くなったときの電話のしかたと受診の流れで確認できます。保険証・連絡先の欄と2回目以降の扱い
問診票と同時に、保険証または資格確認書の確認があります。マイナンバーカードの健康保険証利用が進み、受付の方法は医院によって違いますが、資格が確認できない場合はいったん全額を支払い、あとで払い戻す扱いになることがあります。忘れたときの手続きは歯医者にマイナ保険証・資格確認書を忘れたときはどうなる?全額自己負担になる条件と払い戻しの手続きにまとめています。 連絡先の欄では、日中つながる電話番号を書いてください。予約の変更、検査結果の連絡、処置後の様子の確認で使います。留守番電話に残してよいか、家族に伝えてよいかの希望がある場合は、その旨を書き添えておくと配慮されます。予約を変える必要が出たときの連絡のしかたは歯医者の予約を当日キャンセル・変更したいとき|連絡のしかたとキャンセル料の扱い、次の予約の取り直し方で説明しています。 2回目以降の受診では問診票を書き直さないことが多いですが、内容は変わります。薬が増えた、減った、入院した、妊娠した、新しくアレルギーが分かった、という変化は、その都度申し出てください。とくに前回の受診から半年以上空いているときは、こちらから聞かれなくても伝えるほうが確実です。 お子さんを連れて受診する場合は、保護者自身の問診票とお子さんの問診票の両方が必要になることがあります。待たせ方や予約の伝え方は子連れで歯医者に行ける?親の治療中に子どもをどう待たせるか・予約での伝え方と一時預かりの使い方にまとめました。高齢の家族に付き添って受診する場合、本人が記入できないことがあります。その場合の書き方と同席の考え方は親の歯科受診に付き添うとき|代わりにできる予約・支払い・治療方針の相談と通院が難しくなったときの選択で扱っています。
よくある質問
問診票の既往歴が思い出せないときは空欄でよいですか
空欄にせず「分からない」と書いてください。空欄は「該当なし」と読まれることがあり、必要な確認が抜ける原因になります。分からないと書いてあれば、受付や診療室で口頭の確認が入ります。通院している病院名と診療科だけでも書き添えておくと、必要なときに情報を照会できます。お薬手帳を忘れたら問診票はどう書けばよいですか
覚えている範囲で薬の名前と目的を書き、忘れたことを明記してください。薬局のアプリ、調剤明細、薬のシートの写真でも代わりになります。どれもない場合は、処方元の医療機関名を書いておけば確認の手がかりになります。出血を伴う処置の予定があるときは、次回に手帳を持参してください。持病があると歯科の治療を断られることはありますか
断られることは多くありません。配慮の内容が変わるだけで、治療そのものは受けられます。血圧や血糖の値が安定していない場合は、先に内科での調整をお願いすることがあります。全身管理が必要な処置では、大学病院や口腔外科の紹介になる場合もありますが、それは治療ができないという意味ではなく、設備の整った場所で安全に行うための選択です。金属アレルギーの検査を受けていなくても書いてよいですか
書いてください。確定診断がなくても、材料選びの方向づけに使えます。ピアスや時計の金具でかぶれた経験があれば、その内容を具体的に書いてください。かぶれた部位といつ起きたかも添えると判断しやすくなります。原因となる金属を特定する必要が出た場合は、皮膚科でのパッチテストを案内されることがあります。妊娠の可能性がある段階でも伝えるべきですか
伝えてください。確定前でも、レントゲンの撮影範囲、麻酔薬や処方薬の選び方を安全側に寄せられます。妊娠中の歯科治療は時期を選べば受けられるものが多く、歯ぐきの炎症や痛みを放置するほうがリスクになる場合もあります。時期と範囲の判断は担当の歯科医師と相談してください。問診票に書いた内容は他の人に見られませんか
診療に関わる範囲で扱われ、医療機関には守秘義務があります。受付で口頭では言いにくい内容は、問診票の端に「診療室で話したい」と書き添えれば、個室や診療室での確認に切り替えてもらえます。連絡の方法に希望がある場合も、同じように書いておけば配慮されます。市販薬やサプリメントも書く必要がありますか
書いてください。痛み止めの常用は処方薬との重複につながりますし、サプリメントにも飲み合わせで注意するものがあります。名前が分からなければ「市販の鎮痛薬を週に数回」のような書き方で構いません。量と頻度が分かれば判断の材料になります。受診の数日前から痛み止めを続けている場合は、その点も申し出てください。2回目以降も毎回問診票を書くのですか
毎回書くことは多くありません。ただし内容は更新が必要です。薬が変わった、入院した、妊娠した、アレルギーが新たに分かったといった変化は、その都度申し出てください。前回の受診から半年以上空いているときは、聞かれなくても伝えるほうが確実です。医院によっては年に一度、確認票を配る運用をとっています。まとめ
歯科の問診票は、正確な病名を書く書類ではありません。歯科医師が知りたいのは、いま体に起きていることと、使っている薬です。病名があいまいでも、通院先の病院名と診療科、処方されている薬が分かれば、必要な配慮は判断できます。 薬の欄はお薬手帳をそのまま見せるのが最短で最も確実です。紙の手帳がなくても、薬局のアプリ、調剤明細、薬のシートの写真で代わりになります。市販薬とサプリメントも対象に含めてください。 空欄にしてよいのは来院理由や希望の欄です。既往歴・服薬・アレルギーの欄は、該当がなければ「なし」、分からなければ「分からない」と書いてください。空欄は「該当なし」と読まれ、必要な確認が抜ける原因になります。 そして、歯科の処置のために薬を自分の判断で止めないでください。中止が必要かどうかは、歯科と処方元の医師が相談して決めます。受診そのものを迷っている段階の方は歯医者に行くべき症状の目安|放置NGのサインで緊急度を確かめてから予約を取ると、当日の記入もすぐに終わります。参考・出典
- 日本歯科医師会「テーマパーク8020」 https://www.jda.or.jp/park/
- 日本歯科医師会「テーマパーク8020|歯のトラブル」 https://www.jda.or.jp/park/trouble/
- 日本口腔外科学会「口腔外科相談室」 https://www.jsoms.or.jp/public/
- 厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08277.html
- 厚生労働省「我が国の医療保険について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/iryouhoken01/index.html
- 名古屋市「歯と口の健康づくり」 https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/kenkoinfo/1009487/index.html