対象エリア:名古屋(中区・栄・名古屋駅)をはじめ、愛知・東海地方で歯のお悩みを抱える方へ。
笑ったときや口を開けたときに、奥歯や小臼歯の銀歯(金属の詰め物・被せ物)が目立つのが気になる。金属アレルギーが心配。銀歯の周りの歯ぐきが黒ずんできた。こうした理由から「銀歯を白くしたい」と考える方は少なくありません。
一方で、「白くする方法にも種類があってよくわからない」「保険で白くできると聞いたけれど本当か」「費用はいくらか」「今の銀歯をそのまま白くできるのか」と、疑問が多い分野でもあります。 このページでは、銀歯が抱える課題、白くするための選択肢(CAD/CAM 冠・セラミック・ハイブリッド)、保険が使えるケース(CAD/CAM 冠の適用範囲)、費用のめやす、そして注意点までを、学会のガイドラインや国内の制度資料をもとに、米国大学院で補綴学を修めた歯科医師の監修でわかりやすく整理します。 どの方法が自分に合うかは、歯の部位や噛む力、見た目の希望、費用によって変わり、最終的には歯科医院での診査診断が必要です。全体像をつかむための目安としてお読みください。
先に結論:銀歯は「白い材料に置き換えて」白くする。保険が使えることもある
最初に要点をまとめます。- 銀歯そのものを塗って白くすることはできず、白くするには銀歯を外して白い材料(詰め物・被せ物)に置き換えます
- 白い選択肢には、保険で使える CAD/CAM(キャドキャム=コンピューターで設計・加工する仕組み)冠・ハイブリッド、自費のセラミック(オールセラミック・ジルコニア)などがあります
- CAD/CAM 冠は条件を満たせば保険で白くできますが、適用できる歯の部位や条件に決まりがあり、すべての銀歯が対象になるわけではありません
- 置き換える際は歯を削り直すため、費用だけでなく、適応・強度・長持ちのバランスを診査のうえで選ぶことが大切です
銀歯の課題(なぜ白くしたいと考えるのか)

- 見た目:銀色のため、笑ったときや口を開けたときに目立ちやすい。
- 金属アレルギー:人によっては、金属イオンが少しずつ溶け出して皮膚や粘膜に炎症を起こす金属アレルギーの原因になることがあるとされます。
- 歯ぐきの黒ずみ:長期間のうちに、金属の成分が歯ぐきに沈着して黒っぽく見えることがあります。
- 二次う蝕の見えにくさ:金属は接着の相性や適合の点から、境目(マージン=つなぎ目のライン)に隙間ができると、その下で再びむし歯が進む二次う蝕(にじうしょく=詰め物・被せ物の下で再発するむし歯)が見えにくく進みやすいという指摘があります。
銀歯を白くする選択肢

CAD/CAM 冠・CAD/CAM インレー(保険の白い被せ物・詰め物)
CAD/CAM 冠・インレーは、歯科用のプラスチックにセラミック(陶材)の粒子を混ぜたブロックを、コンピューター制御の機械で削り出してつくる、白い被せ物・詰め物です。金属を使わず、条件を満たせば保険で白くできるのが大きな魅力です。 日本では2014年以降、保険で適用できる歯の範囲が段階的に広がってきました。ただし、純粋なセラミックに比べると強度や色の安定性、すり減りにくさで劣り、外れやすい(脱離しやすい)傾向が国内の報告で指摘されています。適応できる部位や条件にも決まりがあります(次の項でくわしく述べます)。コンポジットレジン(CR・白い樹脂の詰め物)
コンポジットレジン(略して CR、歯科用の白いプラスチック系の材料)は、小さな範囲の銀歯(詰め物)を、白い樹脂を詰めて光で固める方法に置き換えられる場合に使われます。歯を削る量が少なく、保険で白くできますが、大きな欠損には向かず、年月とともにわずかに変色・すり減りが起きることがあります。オールセラミック・ガラスセラミック(e.max など・自費)
オールセラミックは、金属を使わずセラミックだけでつくる白い修復です。透明感があり自然な見た目で、変色しにくく、金属アレルギーの心配がありません。なかでも二ケイ酸リチウム(e.max=イーマックス)は、審美性と強度のバランスが良く、前歯・小臼歯(しょうきゅうし=前から4・5番目の歯)で幅広く使われます。自費のため費用は全額自己負担です。ジルコニア(自費)
ジルコニアは、非常に硬いセラミック(二酸化ジルコニウムを焼き固めた素材)で、強度が高く、奥歯の被せ物や噛む力の強くかかる部位に向きます。近年は透明感を高めた高透光タイプもあり、見た目が求められる部位にも応用が広がっています。自費のため費用は全額自己負担です。ハイブリッドセラミック(自費・保険の一部)
ハイブリッドセラミックは、レジンにセラミックの粒子を混ぜた材料で、純粋なセラミックより費用を抑えやすい一方、経年的に変色・すり減りが起きやすい傾向があります。保険の CAD/CAM 冠も、この仲間の材料でつくられます。 セラミック材料そのものの違い(オールセラミック・ジルコニア・e.max・メタルボンド)については、詰め物・被せ物の種類と費用|保険と自費の違いや審美歯科の解説でもくわしく整理しています。強度重視ならジルコニア、透明感重視なら e.max、費用重視なら保険の CAD/CAM 冠、と大まかに整理すると選びやすくなります。保険が使えるケース(CAD/CAM 冠の適用範囲)
「保険で白くできる」と聞いても、すべての銀歯が対象になるわけではありません。ここが誤解されやすいポイントです。保険の CAD/CAM 冠には、適用できる歯の部位や条件に決まりがあります。 一般的な考え方として、次のような枠組みで段階的に広がってきました(制度は改定されることがあるため、最新の適用範囲は受診先で確認してください)。- 小臼歯(前から4・5番目の歯):比較的早い段階から保険適用の対象とされてきました。
- 大臼歯(だいきゅうし=奥歯、前から6・7番目):噛み合わせなどの条件を満たす場合に、保険適用の対象とされてきました。金属アレルギーがある場合など、条件によって適用が広がるケースもあります。
- 前歯:条件を満たす場合に対象とされることがあります。
費用のめやす
費用は、保険か自費か、部位、材料によって大きく変わります。ここで示すのはあくまで一般的な目安で、診査費や土台(コア)、神経の処置などが別途かかる場合もあります。最終的な金額は受診先での見積もりでご確認ください。- 保険の CAD/CAM 冠(3割負担の場合):おおむね1歯あたり数千円〜1万円台程度が自己負担の目安とされます(部位や治療内容で変わります)。
- 保険のコンポジットレジン(3割負担の場合):小さな詰め物で、おおむね数百円〜数千円程度が自己負担の目安とされます。
- 自費のオールセラミック・e.max の被せ物:おおむね8〜18万円程度/歯が目安とされます。
- 自費のジルコニアの被せ物:おおむね8〜20万円程度/歯が目安とされます。
- 自費のセラミックの詰め物(インレー):おおむね4〜8万円程度/歯が目安とされます。
注意点(銀歯を白くするときに知っておきたいこと)
銀歯を白くする際に、あらかじめ知っておきたい注意点を整理します。- 塗って白くはできない:銀歯を外して白い材料に置き換えるため、歯を削り直します。健康な部分も多少削ることがあります。
- 下にむし歯が見つかることがある:古い銀歯を外すと、下で二次う蝕が進んでいる場合があり、その場合は先にむし歯の治療が必要になります。神経の処置が必要になることもあります。
- 保険は条件がある:CAD/CAM 冠は部位や条件を満たす場合に保険が使えますが、すべての銀歯が対象ではありません。
- 白い材料にも弱点がある:CAD/CAM 冠は外れやすさ・すり減り、セラミックは強い力での割れ、ハイブリッドは変色など、材料ごとに注意点があります。
- 金属アレルギーの確定には検査が必要:金属アレルギーが疑われる場合は、皮膚科などでの検査を含めて相談するのが確実です。
- まだ機能しているなら急がない選択も:問題なく機能し、見た目も気にならない銀歯を無理に替える必要はありません。
どこで相談すればよいか
銀歯を白くする相談は、一般的に歯科(一般歯科)で受けられます。次のような場合は、まず診査を受けることをおすすめします。- 笑ったときに銀歯が目立つのを白くしたい
- 金属アレルギーが心配で、金属を使わない材料に替えたい
- 銀歯の周りの歯ぐきが黒ずんできた、境目がしみる・引っかかる
- 保険で白くできるのか、自費のセラミックが向くのか整理したい
よくある質問
銀歯はそのまま白く塗れますか
塗って白くすることはできません。白くするには、銀歯を外して白い材料(CAD/CAM 冠やセラミックなど)に置き換えます。外す際に歯を削り直すため、下のむし歯の有無なども含めて診査が必要です。保険で白い歯にできますか
できる場合があります。CAD/CAM 冠やコンポジットレジンなど、保険で白くできる選択肢があり、適用範囲は段階的に広がっています。ただし適用できる部位や条件に決まりがあり、すべての銀歯が対象になるわけではありません。強度や色の安定性は自費のセラミックに比べて劣るとされます。CAD/CAM 冠とセラミックはどう違いますか
CAD/CAM 冠はレジンにセラミック粒子を混ぜた材料で保険が使える一方、外れやすさやすり減り、色の安定性で自費のセラミックに劣るとされます。自費のオールセラミックやジルコニアは、透明感や強度、長期的な質を重視できますが費用は全額自己負担です。部位や噛む力、費用に応じて使い分けます。金属アレルギーがあると銀歯を替えられますか
非金属の材料(オールセラミック、ジルコニア、CAD/CAM 冠など)を選ぶことで対応できる場合があります。金属アレルギーが疑われる場合は、皮膚科での検査や材料の相談を含めて歯科で確認してください。条件によっては保険適用が広がるケースもあります。費用はどのくらいかかりますか
保険の CAD/CAM 冠は3割負担でおおむね1歯あたり数千円〜1万円台程度が自己負担の目安とされます。自費のセラミックは1歯あたり8〜18万円程度が目安で、医院により幅があります。土台や神経の処置が別途かかる場合もあるため、見積もりで確認してください。すべての銀歯を白くしたほうがよいですか
必ずしもそうではありません。問題なく機能し、見た目も気にならない銀歯を無理に替える必要はありません。見た目や金属アレルギーが気になる、境目にむし歯が見つかったといった場合に、置き換えを検討します。診査のうえで判断するのが確実です。まとめ
銀歯を白くするには、銀歯を外して白い材料(詰め物・被せ物)に置き換えます。塗って白くすることはできません。白い選択肢には、保険で使える CAD/CAM 冠・コンポジットレジン・ハイブリッドと、自費のオールセラミック・ジルコニアなどがあります。 CAD/CAM 冠は条件を満たせば保険で白くできますが、適用できる部位や条件に決まりがあり、すべての銀歯が対象になるわけではありません。また、白い材料にも外れやすさ・割れ・変色などの弱点があり、部位や噛む力に合っているかを含めて選ぶことが大切です。 古い銀歯を外すと下にむし歯が見つかることもあり、置き換えは歯を削り直す治療でもあります。まずは歯科で診査を受け、保険・自費それぞれの選択肢と費用・リスクの説明を受けたうえで、自分に合う方法を選んでください。 関連情報として、インレー・アンレー・クラウンの違い、CAD/CAM冠とはも参考にしてください。参考・出典
- 厚生労働省 e-ヘルスネット(歯・口腔の健康/う蝕・修復に関する解説)
- 日本補綴歯科学会(補綴歯科診療ガイドライン/クラウンブリッジに関する指針)
- 日本歯科保存学会「う蝕治療ガイドライン」(コンポジットレジン修復に関する記載)
- 日本における保険 CAD/CAM 冠・インレーの適用範囲に関する制度資料(保険診療関連)
- CAD/CAM 冠の臨床成績(脱離・生存率)に関する国内の研究報告
- セラミック修復・金属アレルギーに関する系統的レビュー・解説